「昭和のロケット屋さん」書評 ここまで言っていいの?
宇宙ネタが増えてくると、こういう本が出てくるのが楽しい。
ここまで言って大丈夫?
というか、本にして大丈夫?
ロフトプラスワンで行われている「ロケットまつり」の内容をまとめたもの。記録映像のDVD月。
かなりきわどい裏話も飛び出すイベントと聞いてはいたが、本にして大丈夫?という裏話が山盛り。
たとえば、野口宇宙飛行士がディスカバリー号に持っていったペンシル・ロケットは実は盗まれたものだった。
もちろん、野口さんが盗んだわけでなく、その昔・・・という話。
参考ページ:JAXA|ペンシルロケットフェスティバルレポート「ペンシルロケットの復活」~50年前の情熱を
そのペンシル・ロケット。
実はたまたま富士精密(旧中島飛行機・後の日産)にあったアルミ素材の丸棒があの太さで、ついでに日本油脂が作った戦時中のバズーカ砲の燃料在庫がちょうど良かったからあの大きさになった。ペンシルという絶妙な命名は糸川先生の後付けらしい。
では、その後のロケットはどうかと思ったら、直径80mmのベビー・ロケットはこれまた日本油脂が持っていた製造設備で65mmの固体燃料が作れたから。
では、その次のカッパ・ロケットはと思ったら、これまた日本油脂で110mmの固体燃料の製造装置が見つかったからその大きさに決定。しかもその型は特攻兵器「桜花」のエンジン用かもしれないとか。
要するに材料がないから、その時にある材料で決まった大きさだった。
初の人工衛星「おおすみ」は、ロケットの高度を稼いでいくうちに「このままいけば衛星になるんじゃね?」というノリで衛星になったとか。
火の付いた固形燃料は、足で踏みつけると消えるどころか爆発して吹っ飛ばされるとか、
(秘)と書かれた資料写真やら、旅館の畳の上で部品組み立てをしてる写真やら、ロケットは究極の手作り品と書かれているのがとてもよく分かります。
つくづくヒトが作って、ヒトが打ち上げてきたものなのだなあ。
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