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2011年2月20日 (日)

外交政策の戦術ツールとして試されていた?フェイスブック、ソーシャルメディア

追記:表示していたFacebookのロゴ画像は、Facebookの規約(項目5.6)に反していたので、消去し、画像ファイルを削除しました(Googleキャッシュも削除)。ここに陳謝いたします。




(追記2011/02/23)
記事追加「エジプト・カラー革命・裏話 4月6日運動とオトポール!

4月6日運動の活動家だけでなく、Otporの活動家もエジプト革命に関わっていたことが分かった。Otporの元活動家のインタビュー記事の話。

こうあっさりと、カラー革命だと認めてしまうとは想像していなかった。
(追記ここまで)

エジプトでの抗議運動や関連情報をマスメディアの報道やネットで見て聞いて調べていると、ときどき違和感を感じ、要所要所で誰かがツボを押さえて流れをコントロールしていたのではないだろうか?という疑問が沸いてきた。

意外と書いている人がいないので、「もしも〜だったら?」という方向で素人ながらに考えてみた。



ジャレッド・コーエン(Jared Cohen)。
この名前で、どういうことを書こうとしているか想像がつく方も多いことだろう。

ソーシャルメディアの話でコーエン氏の名前が出てくるのは当然といえば当然だが、彼が言ってきたことがそのままエジプト革命で起きたように感じられる。

これを先見の明と読むか全体の流れを把握し動いていたと読むかだが、後者として考えてみる。



ジャレッド・コーエン氏は1981年生まれ。
イラン、イラク、レバノンやシリア、ケニア、ルワンダなど、中東・アフリカでフィールドワークをし(参照)、スタンフォード大学卒業後、2004年から米国 国務省で、W. ブッシュ政権でのコンドリーザ・ライス前国務長官や、オバマ政権でのヒラリー・クリントン国務長官の政策アドバイザーをつとめる。
国務省が目指すITを使った包括的な外交政策「21世紀の外交術」(21st Century Statecraft)(2009年4月〜)の実行部隊のナンバーワンだったそうだ。(参照: オバマ大統領の新外交戦略—IT外交

2010年10月に国務省から、Google社が設立したシンクタンク "Google Ideas"の初代の統括者となった。

"21st Century Statecraft" は、ヒラリー・クリントン国務長官が強く推進する政策で、政策企画本部長に元スタンフォード大学の学部長アン=マリー・スローター(Anne-Marie Slaughter) 、政策アドバイザーのアレック・ロス(Alec Ross)を中核として動いている。
つい先日、ヒラリー・クリントン国務長官が「インターネットの自由」という講演を行ったが、これもこの "21st Century Statecraft" に沿ったもの。(参照:インターネットは世界の’まちの広場’になった



経歴から、外交、特に中東を舞台としてソーシャルメディアを最大限に活用することが出来る専門家ということが分かる。

コーエン氏やロス氏が逐一指示を出していたのではなく、地ならしや失敗しそうな時の修正、方向をコントロールくらいは出来ただろうし、やらない理由がない。

コーエン氏は、"Google Ideas"シンクタンクに移った時に、 "Think Tank" ではなく "Think/Do Tank" という造語を用いて、政策立案をするだけではなく実際に行動も起こすものとしている(参照)。(参照:Jared Cohen とThink/Do Tank としてのGoogle Ideas

フェイスブック 若き天才の野望」(日経BP社)の第15章『世界の仕組みを変える』では、コーエン氏がW. ブッシュ政権の政策アドバイザをつとめていた時、2004年は全く興味を示さなかったが、2008年には非常に興味を示すようになり、特に「もっとも抑圧された社会で、人々に集結して政治行動を起こさせられるか?特にテロに対して効果的な手段になりうるのではないか?」興味を持つようになった、と書かれている。


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コーエン氏が国務省にいる間に、少なくとも2度、Twitter革命とかSNS革命と呼ばれる事が起こっている。

しかし、2009年4月のモルドバ選挙暴動ではモルドバ国内のTwitter利用者の割合が低く結果に繋がったとは言えないという説があり、2009年6月のイラン大統領選挙後の大規模抗議活動ではツイートのほとんどがペルシャ語ではなく英語の上イラン国外からのもので(参照)、騒いでいたのは米国だけだったとも言われる(参照)。

コーヘン氏は、バックパッカーでの中東旅行についてイランのパーティ文化について話すとともに彼ら中東の若者たちがとても親米的だったと話している(参照)が、イラン人の性質を浅く読み違えていたのではないだろうか。

イランはこれからどうなるのか」(春日孝之 著)には、さらにイラン人の性質が詳しく書かれている。実は、イランは中東随一の親米派が多くイスラム革命当時の反米の国民感情はすでに無いそうだ。その上で、イランと米国の関係が悪いのは、結局はイランの自業自得と米国のダブルスタンダードと傲慢によるボタンの掛け違えの結果なのだろう。

イランはこれからどうなるのか―「イスラム大国」の真実 (新潮新書)イランはこれからどうなるのか―「イスラム大国」の真実 (新潮新書)
春日 孝之

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閑話休題、

コーエン氏は、常日頃、SNSだけでなくインターネットの「外」の抗議運動を支援し強化する必要があると言っている。

チュニジアでの革命後のフォーリン・アフェアーズ紙「チュニジアの行方とソーシャルメディア」(参照)では、チュニジアでの革命はツイッター革命ではなく昔ながらの伝統的な革命であるとし、以下のように書いている。

歴史を通じて、人々は革命を成功させるために(印刷物その他の)さまざまな(コミュニケーション)ツールを用いてきた。今後もスマートな運動は、その時点で利用できるツールを可能な限り利用していくだろう。
もっとも、いまやわれわれは新しいツールを手に入れており、政治運動や活動を効果的なものにするために、人々はこれらのツールを可能な限りうまく利用しようとしている。いまや、1989年、あるいは、2000年初頭と比べてさえ、より洗練されたツールを用いられる時代に入っている。

2009年のイランの抗議デモでは、Twitterの共同創業者のジャック・ドーシー(Jack Dorsey)に、イラン大統領選挙後の抗議活動をツイート出来るようにTwitterの定期メンテナンスを遅らせるように頼んだことが話題となった。(参照

これ以外に、表に出ないところで何もしていなかったらその方が不自然に感じるのは私だけだろうか?

2009年のイランでの失敗?経験から、対象国国内での反体制派の若者グループへの活動の支援をより重視するようになった、というのはどうだろう。チュニジアのジャスミン革命で花が開き、エジプトで結実した。

当面の仮想目標はイランやリビアで、将来的には中国だろう。

同じ外交問題評議会(CFR)のスティーブン・クック(Steven A. Cook)とチュニジアと中東の情勢について受けたインタビューで、反体制グループのSNSの活用の仕方や、SNSに対するイランやシリア、あるいは中国の対応、対抗策なども交えて読むことが出来る。(Q&A With Steven A. Cook and Jared Cohen on Tunisia

ところで、1月25日デモの当日は、コーエン氏は、偶然にも、サウジアラビアのリアドで行われていたGCF(Global Competitiveness Forum)2011(参照)に参加し、クック氏はCFRのスタッフ数人とカイロのタハリール広場にいた(参照)。
時差なく対応出来ただろうし、生の情報をしっかりと収集できたことだろう。

Children of Jihad: <br>A Young American's Travels Among the Youth of the Middle EastChildren of Jihad: A Young American's Travels Among the Youth of the Middle East
Jared Cohen

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エジプト革命では、いくつかポイントとなるグループや運動がある。

「4月6日運動(April 6 Youth Movement)」のメンバーの1人が、2008年12月のニューヨークでの「青年運動サミット同盟」(Alliance of Youth Movements Summit)に参加した時に、米国の民主党議員や政府関係者と会合をもっていた、とWikiLeaksが米国カイロ大使館の公電を流した。(参照

この「青年運動サミット同盟」は、米国国務省がFacebook社、Twitter社、HowCast社、Google社、等と協力して開催している会合で、端的に書くと、SNSを使って活動をしている反体制派の若者グループを米国が支援するための研修とネットワーク作り、ノウハウの共有。2008年12月のニューヨーク会議を皮切りに活動を始めている(参照)(Wikipedia
中核となるのがジャレッド・コーエン(Jared Cohen)。(movements.org


「"We are all Khaled Saeed" 運動」は、2010年の6月に警察官の暴力によって殺害されたカレド・サイード(Khaled Saeed (Khaled Said))氏を、いわば殉死者と仕立て上げて、始められた運動。当初はサイレントデモだった(参照)が「4月6日運動」や「ムスリム同胞団」等と連携して1月25日の「怒りの日」デモに繋がっていく。
(参照:エジプト革命に火をつけた、ある青年の死

この運動をFacebookで始めたのがGoogleのワエル・ゴニム(Wael Ghoneim)。

Googleのエグゼクティブなのでいろいろと妄想力想像力を刺激される人物だが、ゴニム氏の解放直後のDreamTVのインタビューを見たり、ニューズウィーク2/23号・日本語版「エジプト革命・立役者の正体」や極東ブログさんとこの「エジプト争乱、ワエル・ゴニム氏の役どころ」を読むと、ゴニム氏はコーエン氏と面識はあっただろうしアドバイスなども受けただろうが、明確な指示などは受けていなかったと感じるようになった。

極東ブログさんの、ゴニム氏はありがちな扇動者で運動の行き先に確信はなかったのかも、という説がしっくりくる。

YouTube(英語字幕付き)- Wael Ghonim's Dream Interview
Wael Ghonim's Dream Interview - Part 1/3
Wael Ghonim's Dream Interview - Part 2/3
Wael Ghonim's Dream Interview - Part 2/3

Newsweek (ニューズウィーク日本版) 2011年 2/23号 [雑誌]Newsweek (ニューズウィーク日本版) 2011年 2/23号 [雑誌]

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コーエン氏は、2010年10月に国務省からGoogle社が設立したシンクタンク "Google Ideas"の初代のディレクターとなった。
米国では政権が変わるとトップ数千人が変わることで知られている。その人的基盤がシンクタンクの頭脳集団である。

国務省での活動よりも民間での仕事の方がよりアクティブだから移った、という説明もあったが、エジプト革命では Think/Do の場としてソーシャルメディアの有用性を証明することが出来、Googleはソーシャルメディアを使った政策立案で、政権への影響力を高めていくことだろう。

国務省(というかヒラリー・クリントン国務長官)の"21st Century Statecraft"とGoogleとの連携を蜜にするための配置転換だったのかもしれない。



(追記2011/02/22)
Google革命工場-アライアンス・オブ・ユース運動: カラー革命2.0: マスコミに載らない海外記事
マスコミに載らない海外記事さんが、アライアンス・オブ・ユース・ムーブメント(Alliance of Youth Movements若者運動連盟?)について、さらに突っ込んだ視点の記事を訳しておられます。

元ネタ「Google's Revolution Factory - Alliance of Youth Movements: Color Revolution 2.0 -- Puppet Masters -- Sott.net
(追記ここまで)



もう1つ、

オバマ大統領は、けっこう早いうちにムバラク大統領の辞任を求めている。
オバマ政権とムバラク政権とはソリが合わないことは前から言われていたが、一応は親米政権。イスラエルとの関係も安定しているし、ヒラリー・クリントン国務長官とムバラク大統領の関係は古くから良好なので、その決定の早さに違和感を感じていた。イスラエルも米国の対応に不信感を持っているようだ(参照)。

反体制若手グループ支援の仕込みは2008年には始められているので、すでに権限委譲を考えていただろう。そのタイミングは今年9月の大統領選挙が最適だし、米国も選挙結果をコントロールしやすいので、それを目指していたのではないだろうか。

それが半年以上も前倒しさせられてしまったのは、エジプト民衆の力であり、ファラオの椅子にしがみついたムバラク前大統領の老害ゆえの結末だったのだろう。



メモ
ムスリム同胞団やエジプト軍上層部、イスラエルについては考慮していないので、そちらも含めたら、破綻するか、もっと深くなるかでしょう。

その他の参照した先は数多いので、はてなブックマークに載せる予定。


増え続ける関連情報でまとめられないでいたら、米国保守強硬派が似たこと言っていた(鬱だw)
米保守強行派グレン・ベック氏、「Googleは政府寄りだ、使うな」と呼びかける」(YouTube

(追記2011/02/25)
WIRED VISION 日本語版が、このグレンベック(Glenn Beck)氏のトーク番組を紹介しました。
「Google世界革命陰謀論」が浮上 | WIRED VISION

ロシアのプーチン政権も同じ見方をしてたそうだ。
(追記ここまで)



さらに、外交問題評議会(CFR)とかコーエン氏はユダヤ人とか、Googleのエリック・シュミット、ヒラリー・クリントン大統領(予定?)とか、あれとかこれとか弄りだすと陰謀論の暗い海に飲み込まれてしまう・・・
表に出てるコーエン氏は役者で、シナリオライターや演出家は舞台には上がらない。

(追記2011/02/23)
姓の "Cohen" は「コーエン」または「コーヘン」と書かれますが、他のCohen姓の人の書き方に倣って、コーエンと書いています。(参照:BIGLOBE百科事典
発音もコーエンの方が適切ぽい。参照:動画(03:40あたり)
(追記ここまで)


ゴニム氏は、早朝に滞在先で拉致られたって言われてるけど、日中のストリートでのデモの最中に狙いすまされて拘束され、連れ去られている(1:00くらいから)。カメラがしっかりとおさめているのは偶然か? 他人の空似らしい。(YouTube:追記 embed外しました。)





日本語でソーシャルメディアの本というと、ビジネス書やマーケティング書ばかりになってしまう。
これは、その流れが社会に与える影響もテーマとなっている。

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