ヘパリーゼ、肝臓水解物(肝臓加水分解物)について調べてみた
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ヘパリーゼには「肝臓水解物」という、よく分からないけれども何となく効きそうなものが主成分として入っていて、CMでも盛んに宣伝をしている。
この「肝臓水解物」について、ちょっと一杯やりながら調べてみた。
医師でも薬剤師でもないので、素人が調べられる範囲で。
オフィシャルサイト:飲む人に効く ヘパリーゼ [ゼリア新薬]
ーー(追記:2016/01/22)ーーーーーーーーーーーー
ーー(追記ここまで)ーーーーーーーーーーーーーーーー
ゼリア新薬の「ヘパリーゼ」は、ギリシャ語の「肝臓 (Hepar)」 と英語の「分解する (Lise)」を組み合わせた「肝臓を分解したもの (Heparlyse)」という意味。
「新ヘパリーゼプラス」(錠剤)の使用上の注意 (pdf)によると、「肝臓水解物」は「哺乳動物の深浅な肝臓(レバー)を消化吸収しやすいように分解したもので、肝臓の新陳代謝を活発にする事により、滋養強壮効果を発揮する」ものだそうだ。(参照)
「肝臓水解物」は、「肝水解物」や「肝臓加水分解物 (Liver hydrolysate)」と同じもの(以下、「肝臓加水分解物」)。
粉末や溶液はこんな感じ(参照:日水製薬)。
「ヘパリーゼ」や他社の似た製品だけでなく、ニプロジェネファの「ゴスペール・レバー」、イセイの「レナルチン」、科研製薬の「プロヘパール」など、多くのジェネリックの肝疾患治療剤で使われている。(参照)
作用
肝臓の機能を改善し、肝臓を障害する因子から肝臓を保護するので、慢性の肝臓疾患に用いられる。しかし、これで慢性疾患そのものが治るわけではない。
副作用
発疹、じんま疹などの過敏症状、吐き気、胃部膨満感、頭痛、顔面のほてりなどが起こることがある。
(肝臓加水分解物 - お薬辞典・みんなの薬局より引用)
新ヘパリーゼプラスの使用上の注意にも、服用後に皮膚に発疹があらわれた場合には服用を中止し医師または薬剤師に相談するよう書かれている。
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科研製薬の肝臓加水分解物製剤「プロヘパール」の医薬品インタビューシート (pdf)によると、
肝臓の慢性疾患の治療には、古くは臓器そのものを与える試みが行われ、次いで肝臓からの抽出物(肝エキス)を用いる治療法が伝承されてきた。
その後、1896年哺乳動物の肝水解物(肝臓加水分解物)による肝疾患の治療が初めて試みられ、その有効性が報告された。この肝臓加水分解物療法は主としてドイツ学派によって継承され、その有効性を支持する成績が報告されている。
我国においては1957年(昭和32年)その基礎的、臨床的検討がすすめられ、慢性肝炎、肝硬変とその初期、胆管炎、毛細胆管炎、中毒性肝臓症、アレルギー性肝臓症といった疾患に対し有効性が認められ、再評価を経て効能・効果も“慢性肝疾患における肝機能の改善”と変更になった。
(「プロヘパール」の医薬品インタビューシート (pdf)より引用)
とあり、肝臓加水分解物による治療はかなり昔から行われてきたのだそうだ。
おばさん薬剤師奮闘記さんとこの「プロヘパール」の記事で
おおきな副作用もなく、そのかわり重症例には向かないらしいです。
昔からの薬の根本的発想が、現代でも立派に活躍しているいい見本の薬と、思います。
(プロヘパールより引用)
と分かりやすくまとめてくれている。
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「肝臓加水分解物」の作用として、アセトアルデヒドを分解・解毒する、と書いている記事がある。
用法通りの量でどこまで“直接的に”分解するかは曖昧だが、複数の成分の作用により、肝細胞を保護し再生を促進、肝機能を強化することが、アセトアルデヒドの分解に寄与しているのかもしれない(参照)。
各社のドリンク剤や錠剤に含まれる「肝臓加水分解物」は、原料や製法も違うだろうし、量だけで単純に比較するのはよくなさそうだ。
ヘパリーゼのドリンク剤1本と錠剤1回量(2粒)は同量200mgの肝臓加水分解物を含んでいるが、ドリンク剤は即効性が高く、効き方はちょっと違う(個人の感想です)。
また例えば、佐藤製薬の「レバウルソ」は、胆汁酸のひとつであるウルソデオキシコール酸を配合し、胆汁の流れを良くするなど、それぞれに工夫をこらしている。
使う状況や体調に合ったものを見つけるのが肝要。
(追加記事:2012/02/26)ヘパリーゼ、肝臓水解物(肝臓加水分解物)とプリン体について調べてみた
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「肝臓加水分解物」の製法は、「新鮮な哺乳動物の肝臓に消化酵素を加えて加水分解し、アミノ酸やペプチドの形にしたもの」とある。(参照)
その原料は、ヘパリーゼは「哺乳動物の新鮮な肝臓(レバー)」だそうだ。
一方、日水製薬の「肝臓加水分解物(医薬品原料)」は、「日本国内で飼育された健康な豚の新鮮なレバー」(参照)。日本国内産や輸入された哺乳類(牛や豚)の肝臓が原料で、メーカーによって若干違うようだ。
追加記事:
肝臓エキスと肝臓水解物(肝臓加水分解物)の違い ウコンの力・レバープラスやヘパリーゼ: メモノメモ
輸入牛というと米国産、米国産の牛の内臓というと、BSE・狂牛病のリスクがちょっと気になる。
厚生労働省の2001年度の調査会の配布資料「日本産ウシ等原料を使用した製品等の現状について」によると、
一般用医薬品では、「肝臓加水分解物」の日本以外の原産国はアメリカで、その感染伝播リスクはクラスⅢ(低リスク)となっている。
(カテゴリはクラスⅠ〜Ⅳ(数が大きい方が低リスク)。)
狂牛病が大きなニュースとなっていた時は、ゼラチンカプセル(クラスⅣ)も危ないという極論もあったことだし、リスクをどう評価するかは使用者次第。
個人的には、青色一号や赤色三号(合成着色料)の発ガンリスクの方が高いんじゃない?と思っている。
(同資料の次の項目に「肝臓分解エキス(肝臓)」がある。日本以外の原産国はアメリカ、オーストラリア、カナダ、メキシコ、ニュージーランド。「肝臓分解エキス」というと湧永製薬の滋養強壮剤「キヨーレオピン」が思い当たるが、「肝臓加水分解物」との違いはよく分からなかった。)
ところで、ゼリアのヘパリーゼ製品には、数種類のドリンク剤と錠剤の「新ヘパリーゼプラス」がある。
店頭でよく見かける「新ヘパリーゼ・ドリンク」と「新ヘパリーゼプラス(錠剤)」の「肝臓加水分解物」量を比べてみると、一回量(ドリンク1本・錠剤2錠)は200mgと同じ量。
価格は、ドリンク剤が薬局の店頭価格で800円弱(3本入り)、錠剤は2粒で20数円。
もちろんドリンク剤は吸収しやすくなっていたり、コンドロイチンや生薬5種類が入っているから、いろいろ高価くなるんだろうけど、もう少し・・・ (´・ω・`)
いっそ、ヘパ錠剤を粉にして他のドリンク剤に混ぜてみるとか(笑)
追加記事:
「ヘパリーゼ」ドリンク剤6製品+1を比較、飲み比べてみた。|『ヘパリーゼWハイパー』『Hi』『キング』『ヘパカン』など: メモノメモ
メモ
ゼリア新薬とは何の関係もありません。念のため。
ハイチオールCを一緒に飲むこともあるけど、これはメモ程度で。分かる人には分かると思う。
(追記)薬事法違反となっていた表現を削除あるいは修正しました。他にもあるかもしれません。お気づきの方はご指摘ください。m(_ _)m
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コメント
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こんにちは、吉野と言います。
ヘパリーゼって全く知りませんでした。
今度飲みに行くときにでも
飲んでみようと思いました。
素晴らしい記事で大変
参考になりました。
ありがとうございました。
また遊びに来ますね。
投稿: タンパク質で若返り◆吉野ゆう | 2011年12月 8日 (木) 11時19分
タンパク質で若返り◆吉野ゆう さま
コメントをありがとうございます。
お役にたてばなによりです。
投稿: メモ主 | 2011年12月 8日 (木) 17時18分
ヘパリーゼにはプリン体が入っているのでしょうか?
投稿: | 2012年2月26日 (日) 03時38分
コメントありがとうございます。
文中でも参照した「プロヘパール」の医薬品インタビューシートには、「肝臓加水分解物は・・・肝細胞の核酸構成成分として必須のプリン塩基及びピリミジン塩基を含有し、」(10ページ)とあるので、プリン体は入っています。しかし「安全性(使用上の注意等)に関する項目」では、痛風患者への注意などは特に書かれていません。
健康に関することなので、軽々しくは書けません。心配な場合は、医師に相談されてみてはどうでしょうか。
私は、過信してこれだけに頼るのは嫌なので、最初に書いたように、ドリンク剤は飲み会の時だけ、錠剤は1日2錠を「時々」飲んでいます。
尿酸値対策ではありませんが、大抵、ビタミンCやビタミンB群(含む葉酸)など他のサプリと一緒に飲んでいます。
投稿: メモ主 | 2012年2月26日 (日) 10時17分