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2011年11月 4日 (金)

「台湾人には、ご用心! ~愛しているから全部、書く~」酒井亨 著、読了

台湾人には、ご用心!台湾人には、ご用心!
酒井 亨

三五館 2011-09-21
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近頃、店頭であちこちで「台湾」の二文字を良く見る。
(海外ネタはよく読むけど、特に台湾にアンテナを向けてはいないのに)

ひそかに台湾ブームが起こっているらしい(もしそうでも、大手マスコミは触れないだろう)。


本書は、台湾在住10年の著者が「愛しているから全部、書く」とばかりに「世界一日本びいきな」台湾人の素顔、気質や行動など、爆笑現代台湾人像を書いている。
台湾というと、「親日」の文字がいっしょになり、特に占領統治時代の話が絡むとちょっと構えて読まないといけない気分になるが、本書は、ここ10数年の台湾の人々の話が中心。

「安直な思考と脳天気」「国民病の健忘症」と、かなりはっきり書いているが、嫌な部分を強調ばかりするわけでなく、ぜんぜん人気のない台北動物園のパンダとか、中国人が嫌いとか、台湾人との付き合い方、台湾女性の口説き方や台湾男性のしつこさに注意など、あまり気負わずに読むことが出来た。
(全体的にやや断定口調だが、これは海外居住者や長期滞在者にありがちな事なのであまり気にしない事にした。)


本書を読んで、長年のモヤモヤが1つ晴れた感じがした。

小林よしのり著「ゴーマニズム宣言」の、旧山一證券の社長が「社員は悪くないんです」と涙を流して記者会見する映像を見て、台湾では嘲笑していたという部分。
始めてゴー宣を読んだ時は「台湾人ひでー」と思ったが、その後によく耳にする台湾人の親日っぷりと違和感を感じていた。

会社などへの帰属意識の薄さに加えて、「脳天気」「健忘症」そして「自分にも他人にも甘い」という気質。面子や面目、世間体に対する意識が根本的に違っていたのだろう。



台湾人というと、中国語を話し繁体字の中国文字を使う、台湾に住む中国人とイメージされるが、それは勘違いで「台湾人=マレー系」が著者の持論。気質の中心はマレー系、文化の表層は河南と百越、深層心理は日本、WW2後に米国の影響も受けてきたと書かれている。

台湾語族とマレー・ポリネシア語族との関係を考えると、間違いではないとは思うけれども、そこを「マレー系」と断定的に書かれると、それはちょっとどうだろう?と一歩引いて考えてしまう。勘違いの元かも。
もっとざっくりと、東シナ海から南シナ海の潮風の影響が強い人たちとイメージすればいいんじゃないだろうか。ウチナンチュ(沖縄の人)もこういうところあるよなあ、とかイメージしながら読んでいた。

台湾人と、日本人、中国人や韓国人との対比は面白い。

「自分に甘く、 他人に甘い」 台湾人
「自分に厳しく、他人に厳しい」日本人
「自分に甘く、 他人に厳しい」中国人や韓国人

厳しくあたる(特に人前で叱られて面子を潰されるのは最悪)人は嫌いだが、日本人は自分にも厳しい面があるから納得しているのだそうだ。

そうでない中国人は大嫌い。

しかし、今、台湾は中国企業との関係を大きく進めているじゃないか、と思ったが、それは中国語でうまくビジネスが出来るからだと言う。
同じように、これまで日本企業とのビジネス関係がよく進んできたのは、統治時代の日本語教育によって日本語を話せる人が多くうまくビジネスが出来たからだと分析している。


今の台湾人が好きなのは、平和で安全で、社会が安定している「今の日本」。


具体的なものとして、イラストやマンガ、アニメなどポップカルチャーや大衆文化がある。

日本が今後どう変わっても「親日」のままでいるわけがないのは当たり前のこと(ここ20〜30年の、世界の中の米国とか。)。現金なところがあるので、あっさりと突き放される可能性だってあるだろう。

そこを勘違いしてしまうと、「「親日」と信じていたのに裏切られ」「可愛さあまって憎さ百倍」とならないかちょっと不安を感じた。


なぜ台湾人は日本をここまで好きなのか?

これについては、本書ではあまり深くは掘り下げていない。


2010年に出版された「「親日」台湾の幻想 〜現地で見聞きした真の日本観〜」が詳しく、「台湾人には、ご用心!」が柔らかな台湾人論とすると、この本は硬めの台湾人論、「あるがままの台湾」を見ていない日本人」について分析を試みている。

「親日」台湾の幻想 (扶桑社新書)「親日」台湾の幻想 (扶桑社新書)
酒井 亨

扶桑社 2010-09-01
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ざっくりと書くと、

まず、統治時代に日本(八田與一など)が行った、建築、教育、公衆衛生、医療など、インフラ整備や社会秩序に関する評価が高い。

次に、戦後の国民党支配では、「犬(日本)が去って豚(中国)が来た(犬は番犬にもなるが、豚はただ食い散らかすだけ。)」と言われたように強い不満を持っていた。そこで、日本人に親切にすることによって中国人に当てこすりをしていたのだそうだ。
日本統治時代も酷かったが、国民党支配時代はもっと酷かった。その頃の台湾人が感じた「親日」は、国民党と比較した上での相対的なものだったと書かれている。(そりゃ、二・二八事件と比べたら  )

世界的に固まっている、日本ブランドに対する高評価。

そして、哈日族に代表される今の台湾の人たちの日本びいき。
漫画やアニメなどポップカルチャーや大衆文化から入り、真似ることでいろいろな所で影響を与えているようだ。



語弊があるかもしれないが、この流れは昭和の時代、高度成長期の日本でのアメリカ文化ブームと似ているようにも感じた。
とにかく豊かな社会に憧れていて、それを体現するアメリカの文化に憧れていたそうだ。
当時は物質的な豊かさだったが、今はソフトウェアとしての豊かさだろうか。

あの世代の人たちは、政治家になり総理大臣になり、果ては米国大統領とキャッチボールをしたり、プレスリーの話題で盛り上がっている。

30年後か40年後、「ドラゴン・ボール」や「ワンピース」、「涼宮ハルヒ」で盛り上がれる首相や大統領が現れるのかもしれない、


・・・「まあ、それはないだろw」と自己ツッコミしつつも楽しく想像している。



メモ
台湾ラーメンは名古屋めし・・・



「タイタニック」に次いで台湾歴代映画興行成績のランキングで2位の作品。wikipedia

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