また中国メディアが・・・(笑) | 米が宇宙兵器「神の杖」を研究開発 衛星の誘導で地上攻撃
(京报网より)
「米が宇宙兵器「神の杖」を研究開発 衛星の誘導で地上攻撃」(中国網日本語版)
内容と合っていないイラストだな、と違和感を感じたので元記事を読んでみた。
アクセス数稼ぎのためネタに走ったんだろうけど、そこまで本筋を削らんでも…(笑)
元記事は「美研制"上帝之杖"太空武器 卫星制导打击地面」(中国网)。
「アメリカは宇宙兵器「神の杖」を研究開発 衛星制御で地上を攻撃」
このタイトルをつけたのは京报网・北京日报。
ニュースの本筋は、米国とロシアの間の戦略兵器削減条約(新START)の交渉に向けて、オバマ政権は戦略核弾頭の配備数の上限1550発をさらに削減することを検討しており、もっとも少ないケースの300〜400発は1950年代以前のレベルの配備数となると発表したことで、日本でも時事ほかが報道しています。
内容は、案外しっかりとしているのですが、その中で、核抑止力に代わる破壊力の大きな通常兵器として、米国は、宇宙ステーションに搭載し地上を攻撃する「神の杖」や、Falcon HTV2極超音速機、X51超音速無人攻撃機、X-37B軌道試験機などを開発しており、更には、反物質兵器の研究開発もしているらしいと書いています。
そこで何を思ったか、北京日報ではこの余談の方をタイトルに使い、中国網ほかが転載し、さらに、中国網日本語版では本筋をざっくりと削ってしまったのでした。
そこ削っちゃいかんだろ。
・・・編集者に、宇宙からの「神の声」が聞こえたのかもしれませんね(笑)
(Popular Scienceより)
この「神の杖」は、もとは冷戦時代の1950年代にランド研究所が考えた「トール計画(Project Thor)」(「ソア計画」とも)で、フィクションの宇宙兵器や未来兵器で使われてきました。通称「Rods from God」。
オバマ政権下では「全地球即時攻撃」プロジェクトのもと、地上や海上・海中、空中から発射される「通常弾頭搭載型打撃ミサイル」(CSM:Conventional Strike Missile)の研究開発をしています。
記事では、宇宙ステーションに搭載、と書いているけれどもこれの事でしょう。
参考
Kinetic bombardment - Wikipedia
Rods from God | Popular Science
(解説)軍事科学技術の動向(通常兵器による迅速なグローバル打撃(Conventional Prompt Global Strike))
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