蛟竜号の7000m級潜水試験 母船・向陽紅09が出航
(青岛传媒网より)
中国の7000m級有人潜水艇「蛟龙(蛟竜)」号の母船、「向阳红09(向陽紅09)」が、7000m級潜水試験のため母港の青島を出発した。
5月28日の出港後の予定は次の通り。
まず、江蘇省無錫市(江陰市)(上海の少し内陸)に向かい、中船重工702研究所の蛟竜号と合流。
6月3日に出航し、試験海域へ向かう。
6月10日には、マリアナ海溝の周辺海域に到着。
6月下旬まで、天気や海の様子をみつつ、7000m級潜水試験を行う。
7月中旬に青島に帰港予定。
7000m級潜水試験が成功裏に完了したら、青島帰港後に一般公開されるらしい。
中国船舶重工集团公司第702研究所
(*)702研究所は無錫市の太湖の湖岸にある(地図:cn)。
「向陽紅09」は、1978年10月に就役した船齢34歳の船。4500トン級の海洋調査船で、2007年に深海潜水試験の母船として改装された。
今回の7000m級潜水試験の前にも、いくつか大きな改修が行われている。
「蛟竜号」の船体を吊り下げるA字型クレーンの着水揚収装置やケーブルが更新され、吊り下げ能力が40トンとなった。蛟竜号は25トン(しんかい6500は26トン)。
超短基線(SSBL)と長基線(LBL)の測位装置を更新。これは蛟竜号が、支援船のGPSによる位置との相対的な位置を音の到達時間と方位で算出するもの。
昨年の5000m潜水試験の際には誤差があったらしい。全て更新したので精度は向上したそうだ。
また、8000mケーブルとL型ウィンチ、CTDセンサを新たに装備し、深海の観測が行われる。
(*)CTD:Conductivity Temperature Depth profiler。電気伝導度、温度、水深を観測する装置。
マリアナ海溝での、7000m級潜水試験のパイロットは、唐嘉陵と付文韬(付文韜)の2人。
前回の5000m級潜水試験までは、中船重工七〇二研究所の設計士の叶聪(葉聡)がメインパイロット(テストパイロット)をつとめてきた。
今回も同行するのだろうし機会があれば潜ると思うんだけど、今日の記事に彼の名前はない。(←すぐ下の追記を参照)
中国と中国共産党、国家海洋局の威信がかかっている7000m級潜水試験では、国家海洋局・北海分局所属であり、共産党党員(共青団)の2人に任されたのかもしれない。 2人を特に注目させているのかもしれない。
(*)叶聪(葉聡)は共産党員ではないそうだ。も共産党員になった。(参照:cn)
(追記:2012/05/29, 05/30)
叶聪は、今回の潜水試験でも引き続き深海潜水部門長を担当し、他の7人の潜航員とマリアナ海溝に挑戦するそうだ。
(下月,叶聪驾蛟龙闯马里亚纳(长江日报))
蛟竜号は3人乗り。3〜4回の潜水試験を行うのではないだろうか。
上記の情報は古いものでした。 m(_ _;)m
5000m潜水試験の頃に支部大会で入党について討議され、予備党員を経て、共産党党員となっていました。(参照)
(追記ここまで)
7000m潜水試験が無事に終了したら、蛟竜号は、中船重工七〇二研究所から国家海洋局・北海分局に正式に引き渡される。
深海基地は、青島の即墨市近くに作られる。
向阳红09从青岛出发驶向马里亚纳海沟 挑战7000米深潜(青岛新闻网)
(向陽紅09は青島を出発し、マリアナ海溝へ向かう。水深7000mへ挑戦)
“向阳红09”船驶离母港将与“蛟龙号”会师江阴(凤凰网)
("向陽紅09は母港を出発し、江阴市で蛟龙号と合流)
潜航员:曾抓到半米长海参(腾讯网)
(潜水員:50cmのナマコを捕まえてた〜)
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