マテ茶と健康|(7)含有量:ポリフェノール、サポニン

(wikimedia commons)
マテ茶の広告によると、マテ茶には、ポリフェノールが緑茶よりも多く含まれているそうです。
東邦大学薬学部による2011年の研究「マテ茶に含まれるポリフェノール,カテキン,およびカフェインの含量分析に関する研究」によると、ポリフェノールは緑茶より1.3~1.5倍高かったが、カテキン4種は少なかったとされています。
(注:ただし、この論文には「マテ茶のポリフェノール,カテキン4種,カフェイン含量をそれぞれ分析した。」と書いてあるので、ポリフェノールとカテキンは区別して分析したのでしょう)
カテキンはフラボノイドの一種で、広義にはその誘導体となる一連のポリフェノールも含み、この意味での使用例の方が多いそうです。(wikipedia)
実際、マテ茶についての論文を調べていると、カテキンをポリフェノールに含め、抗酸化物質としてまとめて書いているものが多いと感じられました。
ここでは、ポリフェノールにカテキンも含まれるとして書いていきます。
マテ茶、緑茶と紅茶に含まれている主なポリフェノール一覧(下図)を見てみると、マテ茶にはカフェオイルキナ酸やフェルロイルキナ酸などクロロゲン酸類(コーヒー豆やカカオ豆に多く含まれる)が特に含まれ、緑茶にはカテキン4種などいわゆる茶カテキンが特に含まれています。
緑茶とマテ茶のポリフェノールは、種類がちょっと違うことが分かります。

Yerba Mate Tea (Ilex paraguariensis): a comprehensive review on chemistry, health implications, and technological considerations.(ProMed)
(マテ(Ilex paraguariensis):化学、技術的ポイントについての包括的な検証)

(wikimedia commons)
マテ茶と緑茶、ワイン(赤・白・ロゼ)とオレンジジュースのポリフェノール量を比較してみると、マテ茶よりも緑茶の方がかなり多いという分析結果が出ています。
(サンプルや分析方法によって、また違った結果も出るかもしれません。(*1))
もしかすると、広告でよく目にする「マテ茶には緑茶よりもポリフェノールが多い」という説明は、最初に書いた東邦大の研究のような、カテキンを分けて分析した研究結果を根拠にしているのかもしれません。
重要なのは、ポリフェノールとかカテキンという区分よりも、マテ茶や緑茶がもっている抗酸化能力です。
この論文では、FRAP試験の結果から、マテ茶よりも緑茶の方が抗酸化能力が高いことが示されています。
ORAC指数(下表)でも、マテ茶よりも緑茶の方が値が高くなっています(「お茶」(表の2列目)と「茶葉(DL)(表の3列目)」のどちらでも)。
ただしGAE(没食子酸基準 (equiv gallic acid))(表の1列目)では、マテ茶の方が値が高くなっています。
細かい解釈は専門家に任せるとして、マテ茶は、緑茶に勝らずともそれほど劣らないと考えれば良さそうです。

(wikimedia commons)
マテ茶には、サポニンが多く含まれています。
緑茶や烏龍茶にも多く含まれています。
比較は簡単で、同じ量の茶葉を使って「お茶」を作って、放置して、適度に冷えたところで思いきりシェイクシェイク。
よりよく泡だったお茶の方が、より多くのサポニンを含んでいます(暴言(笑))。
逆に言えば、ろくに泡立たない「お茶」では、サポニンの量は期待できないような気もします。(未確認)
茶葉を使っていれたグリーン・マテ茶は、よく泡立つことをご存じの方も多いでしょう。
緑茶と比較すると、マテ茶の方がややサポニンが多いようです。
Determination Of Saponin And Various Chemical Compounds In Camellia Sinensis And Genus Ilex.(pdf)
(飲料メーカーのレポート)
マテ茶の効能のひとつとして、LDLコレステロール値が下がり、HDLコレステロール値が上がったというものがあります。これは、高脂肪食を与えたマウスを使った実験だけでなく、ヒトの被験者の研究でも確認されています。
マテ茶抽出物を使った研究結果には、胃内容物の排出速度が遅くなり摂取エネルギー総量が減ったために体重が減少したものもありますが、満腹感が続くことだけが体重減少と健康に影響しているわけではなさそうです。
(参照:マテ茶と健康|(2)不都合かもしれない真実(後編))
大豆サポニンやゴボウ茶などでもよく知られているように、サポニンにはLDLを下げてHDLを上げ、動脈硬化を予防する効果があるので、マテ茶の例もこのサポニンの影響があるのではないでしょうか。
これらファイトケミカルの分量と割合が、マテ茶を特徴づけていると感じられます。

(wikimedia commons)
マテ茶の注目すべき特質としては、
・コーヒーと比べて、カフェインが少ない。
・緑茶なみのポリフェノールを含む。
・緑茶と比べて、カテキンは少ないが、テオブロミンとテオフィリンを多く含んでいる。
・テオブロミンの量はカフェインの半分と、けっこう多い。
・緑茶と比べて、サポニンが多く含まれている。
・ミネラルや食物繊維は、「茶葉」には多いかもしれないが「お茶」にはごく微量しか含まれない。
と、コーヒーと緑茶のいいとこ取りの成分の効果があり、カフェイン少なめというところではないでしょうか。
注意すべき点としては、
・販売業者の広告表現の中に、誤解を招きやすい表現がけっこう多い。
(コカコーラの『太陽のマテ茶』という大型商品が出て、過渡期だから?)
・マテ茶の研究は、アルゼンチンなど習慣的に大量に消費する(例:アルゼンチンの一人あたりのマテ茶消費量は6kg/年)地域の住民を対象としたものが中心。日本で、少量を飲む場合にそのまま反映させることは出来ない。
宣伝文句に惑わされていない場合でも、
・コーヒーより少ないとはいっても、カフェイン等のアルカロイド類はけっこう多く含まれている。
・併用不可の医薬品に、注意をしなければならない。
・日本の一般的な食生活での、所謂、食べ合わせが悪いなど、充分な調査はされていない。
マテ茶は、知名度の低い健康茶から、一般飲料としての無糖茶に脱皮しようとしているところです。
コカコーラの『太陽のマテ茶』という大型商品がちょっと残念な広告(参照)で売っているので、類友な残念な宣伝文句と売り方が広まっているように感じられます。
そこんとこ、いまのマテ茶は、健康茶の売り方の悪いところと、一般飲料の売り方の悪い所が合わさっているのではないでしょうか。
まだまだ、これから。
次は「まとめ」と、個人的な正直な感想の予定です。
この記事は、医者ではない当ブログ管理人が書いたものであり、健康に関するアドバイスではありません。健康についての判断が必要な場合は医師の指示を仰いでください。
(*1)正直なところ、所謂“御用学者”に依頼すれば、残念ながら、都合のいい結果を出すことは残念ながら出来てしまいそうです。
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