マテ茶と健康|(5)含有量:カフェイン、テオブロミン、テオフィリン【修正版】
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(前記事:マテ茶と健康|(4)マテイン?カフェイン?)
前の記事で、マテ茶に含まれていると言われるマテインについて、 「マテインは、カフェイン、テオブロミン、テオフィリンなどのアルカロイド類混合物」 という表現が適切と考えると書きました。
その順番で含有量が多くなっています。では、それぞれどのくらいでしょう?
販売者にも似た表現をしているところがありますが、中には、マテインは「カフェインの成分が少なく、テオフィリンとテオブロミンが主成分」という感じに、微妙な表現をしている所があります。
たぶん、「*コーヒーと比べて*、カフェインが少ない」といいたいのでしょうが(*1)、テオフィリンとテオブロミンの方が多いとも読める表現です。
どうも健康飲料を扱う一部の業者には、努力をして、カフェインの量を矮小化させたがる癖があるよう感じてしまいます。
続けて詳しく書きますが、私の結論を先に書いておきます。
・テオブロミンの量はカフェインの半分。
・テオフィリンは、ごく微量。
・茶葉を使っている場合はカフェインの量は想像以上に多いだろう。
推計値は、茶葉3gを使った「お茶」で24〜39.6mg。(製品やお茶の入れ方で変わる)
・茶葉やその粉末を直接使う場合は、使いすぎないように注意が必要。
この記事は【修正版】です。
最初、100ccあたり〜mgと推計した記事を書いたのですが、公開後に、茶葉の量をもとにした推計値を追記しました。
数字はそれほど変わりませんが、暑い時期、ポットで使った後に水や氷で薄めたりしますから、水量が基準では誤解のもとだと考え直しました。
また前の記事がかなり長かったので、修正版に差し替えることとしました。
混乱させてしまい、申し訳ありません。m(_ _)m
wikipedia 英語版の「Yerba mate」(マテ茶)項目によると、マテ茶の乾燥茶葉に含まれる主要キサンチン誘導体の含有率は、「カフェインは 0.7〜1.7%、テオブロミンは 0.30〜0.8%、テオフィリンは少量」です。(記事公開時)
カフェインは、テオブロミンやテオフィリンよりずっと多いです。
ちなみに、お茶の葉には 0.4~0.9%、ガラナには 2.5~7.6%、挽いたコーヒーには3.2%のカフェインが含まれていると書かれています。お茶の葉(紅茶か緑茶か烏龍茶か、何かは不明)よりもマテ茶葉の方が同量かやや多い、という説もあるようです(少なくとも米国では)。
Caffeine content varies between 0.7% and 1.7% of dry weight (compared with 0.4– 0.9% for tea leaves, 2.5–7.6% in guarana, and up to 3.2% for ground coffee); theobromine content varies from 0.3% to 0.9%; theophylline is present in small quantities, or can be completely absent.
Yerba mate - Wikipedia, the free encyclopedia

(wikimedia commons)
日本で売られているマテ茶葉は100%輸入物です。
近頃は、パッケージに日本語だけが使われている製品も出てきましたが、外国で売られている製品パッケージに日本語の説明シールを貼っただけの製品も多くあります。
外国での分析結果が参考になるでしょう。
複数の資料を参照していきます。
医薬品・薬物データベースのEroword.org には、色々なメーカーのマテ茶製品を使って作った「お茶」のカフェインとテオブロミンを分析した結果が載せられています。
Caffeine content of yerba mate (Erowid Yerba Mate Vault)
このPomilioほかによる2002年の論文の分析結果は、お湯や水を使って5分間浸出させたものなので、最も私たちの飲み方に近い分析結果です。
ミセル動電クロマトグラフィによる分析。

"Sample"は商品名で、たとえば「Yerba Mate Tagagui」は、アルゼンチンのTagaguiブランドの製品です。次の"Type"のMilledは日本で売られている茶葉と同じような粉砕茶葉を表しています。続いてカフェインとテオブロミンの含有率。
この分析結果では、カフェインの含有率は0.78~1.35%なので、wikipedia英語版の値とだいたい同じです。
ティーバッグ製品は0.3〜0.8%で、茶葉製品よりも少なめ。
テオブロミンの含有率は0.11~0.66% なので、カフェインの半分くらいと考えればよさそうです。
マテ茶のメーカーや製品によって、けっこう違いがあります。
マテ茶の大手メーカーのひとつGuayaki社では、自社製品に含まれるカフェインの量を、弱い(LIGHT)・適度(MODERATE)・強い(STRONG)の3つに分けています。
Frequently Asked Questions about yerba mate (Guayaki)

弱い(LIGHT)は20〜35mg、適度(MODERATE)は35〜50mg、強い(STRONG)は65〜135mg。(注意:8オンスあたり(多分、米国液量オンス。約236.6cc))
STRONGのマテ茶は、コーヒー並のカフェインを含んでいます。
「Traditional Loose Yerba Mate」がマテ茶葉だけの製品。
「マテ茶」と一括りにして売られてはいても、いろいろな種類があることを知っておいて損はないでしょう。
Guayaki社のように表示してくれれば分かりやすいのですが、日本の輸入販売業者が仕入れているマテ茶が、どんなグレードの製品か、どこの現地メーカーが作っているのか目にすることはまずありません。原産国と有機かどうかくらい。
その茶葉の製造方法によっては、前記事で書いたように、発ガン性物質のリスクが多少なりと高くなります。
いろいろ書いていますが、読んでいる人が知りたいのは、
「自分や家族が飲んでいるマテ茶には、
いったいどのくらいのカフェインが入っているの?」
だと思います。
私がまさにソレなので、調べまくってるんですが(笑)
もっとサックリと分かりやすく書け? ・・・努力してますι(´Д`υ)アセアセ

(wikimedia commons)
日本マテ茶協会はウェブサイトで、珈琲や紅茶、緑茶と比較したカフェインの量を表示しています。
Q. 「カフェインは入っていますか?」
A. はい、量は少ないのですが入っています。入れ方によっても変わりますが、カフェインの含有量はコーヒーの約1/4、紅茶の約1/3、緑茶の約1/2程度です。
(赤字強調は管理人による)

日本食品標準成分表の値と比較した、ともなんとも書いていない印象情報なので、こういうのは非常に困るのです。
"カフェインアレルギーの歩む道"さんとこの記事「マテ茶のカフェイン量を知る」では、この日本マテ茶協会の説明をもとに、150mlのマテ茶には15mgほどのカフェインが含まれると推測しています。100ccあたり10mg。
うちではこれまで書いてきたように、“販売業者は都合のいい書き方を好む”という批判的視点を元にしているので、第三者のデータを使って推測しましょう。
東邦大学薬学部による2011年の「マテ茶に含まれるポリフェノール,カテキン,およびカフェインの含量分析に関する研究」によると、マテ茶のカフェイン含量は、1.70〜2.04%で、緑茶の56〜67%です。

日本マテ茶協会が説明している「緑茶の50%」より、けっこう多い結果が出ました。
他も調べてみましょう。
ブラジルのサンパウロ大学、Bastosほかの2005年の論文『The Chlorogenic Acid and Caffeine Content of Yerba Maté (Ilex paraguariensis) Beverages』(マテ茶飲料に含まれる、クロロゲン酸とカフェイン)に、複数のマテ茶葉とティーバッグを使った分析値が載っています。

上から、「マテ茶・シマロン(chimarrão)」、「水出しマテ茶・テレレ(Tererê)」、「ティーバッグのお茶(Mate Tea)」です。
ブラジル南部のサンパウロ市のスーパーマーケットで店頭販売されている、複数のメーカーの製品を使って分析しています。
ここでも、製品によってカフェインとクロロゲンの量にはばらつきがあります。
茶葉を使い、お湯でいれた「お茶」のカフェイン量は、101〜165mg(500mlあたり)。
ただ、この実験は茶葉1.5gに対して、お湯60mlを入れて浸出液を作り分析しています。
その上で、Cuiaという容器にたくさんの茶葉を入れて作る、マテ茶「シマロン(chimarrão)」や水出しマテ茶「テレレ(Tererê)」を想定して、お湯の量は500ccにして再計算しています。使われる茶葉の量は12.5gと多いです。
暑い時期なので、日本では、濃いめの「お茶」を作って、水や氷で薄めることもあるでしょう。
茶葉1.5gにお湯60mlを注いで「お茶」を作って、それを水や氷で薄めたとすると、その液量に関わらずカフェイン量は12.0〜19.8mgです。
紅茶や緑茶の、一人分の茶葉の量(3g)で再計算してみましょう。
マテ茶(茶葉3g)・・・カフェイン量:24.0〜39.6mg
同じ量の茶葉を使った「お茶」では、マテ茶には緑茶(*)と同程度か2倍のカフェインが含まれている結果となりました。
(*)参考:五訂増補日本食品標準成分表
10℃の水でいれた水出しマテ茶のカフェイン量も分析されています。
同じ実験方法なので、500mlで再計算すると56〜102mg(500mlあたり)。同じように茶葉3gで再計算してみます。
水出しマテ茶(茶葉3g)・・・カフェイン量:13.4〜24.5mg
水出しは、カフェインは減りますが、テオブロミンやクロロゲン酸(抗酸化物質)も減るでしょう。
ティーバッグ製品のカフェイン量は、8〜20mg(182mlあたり)。
これは、1カップ(182ml)に対して1つのティーバッグを使っています。
マテ茶(ティーバッグ1つ)・・・カフェイン量:8〜20mg(182mlあたり)。
ティーバッグ製品はかなり低いです。
単純計算すると100ccあたり4.4〜11.0mgとなりますが、お湯の量を減らしても濃くなるだけとも思います。
その単純計算した値ですが、100ccあたり11g以下というのは、日本マテ茶協会の説明から推計した値と合致します。
あれは、ティーバッグを使った分析結果の可能性が出てきました。
日本マテ茶協会の住所とFAX番号は、ハーブティで有名な『ポンパドール』ブランドの日本緑茶センターと同じです。日本マテ茶協会会長は、日本緑茶センターの代表です。そこが中心になって、マテ茶の他にも外国茶を広める活動をしているようです。
日本マテ茶協会のウェブサイトに書かれている、カフェイン含有量の比較説明がいつからあるかは分かりません。
ハーブティ製品の店頭販売は、今でこそ茶葉も多く置かれていますが、昔はティーバッグが中心でした。茶葉等の使用量は1.5〜2.5gほど(ハーブによって違う)。
もしかすると、日本マテ茶協会の掲示している含有量の説明は古いもので、日本緑茶センターのティーバッグ製品を使って分析したカフェイン量を、今でもそのまま使っているのかもしれません。
そう考えるといろいろ符合します。(あくまでも推測ですが)

(wikimedia commons)
これまでの数字は、マテ茶の「お茶」で推計してみました。
その一方で、マテ茶の茶葉それ自体や、マテ茶の粉末を料理やお菓子にまぜるレシピがあります。
この場合は、使う分量に注意が必要です。
使用した乾燥茶葉の重量の、1%〜2%がカフェインだと推測されます。
コカコーラの『太陽のマテ茶』のカフェイン量は、製造工程で増減できるでしょうから、メーカーからの数字が出ていない現状ではいくらか分かりません。
ただ、海外で売られているマテ茶ドリンクには、カフェイン量が多いものもあります(あくまでも参考情報です)。
たとえば上に表を載せたGuayaki社のマテ茶ドリンク「Bottled Yerba Mate」7製品では、16ozあたり140mg。100ccあたり29.6mgです。
もちろん、これらは推測値です。
輸入業者や販売業者からちゃんとした分析データが公開されたなら、また違った結果となるかもしれません。

(wikimedia commons)
テオブロミンとテオフィリンの量
マテ茶の乾燥茶葉に含まれるテオブロミンは、0.30〜0.8%。カフェインの約半分と考えられます。
ティーバッグで、4〜10mg(182ccあたり)/茶葉で、12〜19.8mg(茶葉3gあたり)。
テオフィリンは、ごく少量。
P. Mazzaferaの1994年の論文「CAFFEINE, THEOBROMINE AND THEOPHYLLINE DISTRIBUTION IN Ilex paraguaryensis」(pdf)
(Ilex paraguaryensis(マテ茶の木)のカフェイン、テオブロミンとテオフィリンの分布)に、若い葉や古い葉、実の分析値が載っています。
テオフィリンの含有量は、単純計算で最大値でも0.021%。せいぜいがテオブロミンの量の数%と微量。テオブロミンの1%では、テオフィリンは0.08〜0.18mgとなるけど、その後の加工工程でどうなるか分かりませんし、はっきり言って電卓叩いて計算しただけの意味ない数値ですね。

ハーブティ健康茶専門店 "百華茶苑" さんとこの「ハーブティー薬草データベース」に、マテ茶との併用に気を付けるべき薬剤などが書かれています。
そのあたりも、次の記事で書ければいいなー、とちょっと弱気(笑)
専門的になりすぎ。
・マテ茶と健康|(6)含有量: ミネラル(お茶(浸出液))
・マテ茶と健康|(7)含有量: ポリフェノール、サポニン
(*1)かなり好意的に解釈してみました。
(*2)内外の製造・輸入・販売業者による分析結果の公開がある場合を除く。
この記事は、医者ではない当ブログ管理人が書いたものであり、健康に関するアドバイスではありません。載せている数値も参考文献からの推測値です。健康についての判断が必要な場合は医師の指示を仰いでください。
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