メモ:パナマ運河の通行料(2011年)
(wikimedia commons)
パナマ運河について調べていたところ、ネットでは古いデータの通行料が当たり前のように使われていることに気付いたので、ちょっとメモ。
wikipediaに「1トンにつき1ドル39セント」と書かれているので、信じてそのまま使っているのだろう。
通航料
パナマ運河の通航料は、船種や船舶の積載量、トン数や全長など船舶の大きさに基づきパナマ運河庁が定めている。1トンにつき1ドル39セント、平均で54,000ドル。
パナマ運河 - Wikipedia(記事公開時のもの)
(追記:2013/07/18)
2013年の通航料の記事を追加しました。
パナマ運河の通航料(2013年): メモノメモ
(追記ここまで)
パナマ運河庁(ACP)によると、2011年の運河通航料は1トンにつき3〜4.5ドルくらい。毎年改訂され、船の種類や大きさで細かく決められている。
Tolls Assessment - Maritime Services
パナマ運河の通航料は、パナマ運河万国尺度システム(PC/UMS)(パナマ運河通航船舶トン数、パナマ運河トン数とも)をもとにしているので、船舶の総トン数や載貨重量トン数をそのまま当てはめることは出来ない。
コンテナを積む船舶には20フィートコンテナを基準としたTEU(Twenty-Foot Equivalent Unit)が適用されるとか、総トン数や国際総トン数から運河トン数へ換算する方法が分からないし、いろいろ複雑。
さらに今年7月から、今後2年で15%の値上げが計画されているそうだ(参照)。世界の海運業界は、この値上げ案に反対し撤回を求めている。
2年後の2014年にはパナマ運河拡張工事「第三閘門建設計画」が完了予定であり、通行可能な船舶は、船幅32m(106ft)のパナマックスから、船幅48.8m(160ft)のポスト・パナマックスとなる。(参照)
これまでの最高額の通航料は、2010年7月に、豪華客船「Norwegian Pearl」号が払った375,600ドル。この記録が破られるのは確実。(参照:en)
最小額の通航料は、1928年に、旅行作家「Richard Halliburton」氏が泳いで通った時に払った36セント。
この記録が破られることは無いだろう(笑)
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