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2012年10月10日 (水)

【尖閣】台湾が尖閣問題で中国と連携せず、強硬に対応した理由|台湾漁船団の領海侵入

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いつも興味深く読んでいるブログ "政治学に関係するものらしきもの" さんとこの記事『台湾が尖閣諸島問題で中国と連携しない理由』で、なぜ、台湾は中国と連携して日本に対抗しないのか、環球時報の分析記事が紹介されている。

「中国が尖閣諸島を実行支配した場合、台湾的にもいろいろ困ったことになる」との分析があるが、似た方向で別の視点の記事があったので、軽く紹介してみたい。



香港の『中國評論』ネット版、9月25日の記事『馬英九對“保釣”議題硬起來的大陸因素』(中國評論月刊網絡版)。
『馬英九総統が尖閣問題で強硬に対応した要因は、中国本土にある』(やや意訳)

『中國評論』は、香港と中国本土、台湾で発行している月刊誌で、北京寄りの論調で知られる。

9月24日に宜蘭県の蘇澳漁港を出港した、台湾の漁船60隻(*1)による"保釣"海上行動に対して、台湾の沿岸警備隊である海岸巡防署(海巡署)は巡視船12隻を派遣した。
2000トン級の「和星艦」をはじめ、台湾海巡(*2)の主力である500〜600トン級巡視船の半分近くを投入している。
馬英九総統が、なぜそのような強硬な姿勢を示したのか、記事では3つの要因があると分析している。


まず、台湾の漁船と漁民の安全を確保しようにも、台湾海巡だけでは日本の海上保安庁(海保)に敵わない。そこで、中国漁船1000隻の人海戦術と、中国海監と渔政の監視船、さらには中国人民軍海軍の武力を背景に、台湾は、"虎の威を借る狐"のごとく行動したのだろうと分析している。

実際には、海保は、海監・渔政の監視船への対応に戦力を割かれただろうが、中国漁船数百隻は200km以上離れていて"人海戦術"というほどの役には立たなかったと思う。
台湾を"虎の威を借る狐"と評するあたり、これは中国メディアのよくある愛国・強国な解釈だろう。


次に、馬英九総統は中国に対して友好的な態度を示しているが、日本による尖閣諸島3島国有化の後、中国と連携してあたってはいない。なぜか?
そこには、台湾国内の政局だけでなく、行政管轄権と漁業権が絡んでいると分析する。

尖閣諸島(中国:钓鱼岛・台湾:釣魚台)の行政管轄権は、台湾(中国は台湾省と呼ぶ)の宜蘭県にある。
日本による国有化発表の後、中国は海監の海洋監視船の派遣だけでなく、島の天気予報を行い、独自地名と領海基線を記した海図を国連に提出し、将来的には無人機による巡回を行うと発表するなど、多方面から積極的にアピールをしている。
台湾がこのまま何もしないでいると、行政管轄権を中国・浙江省に奪われてしまい、浙江省の漁船による尖閣周辺海域での操業が活発となり、台湾の漁船が締め出されてしまうかもしれない。

台湾海巡と漁船による"保釣"海上行動は、日本に対して尖閣諸島の主権を主張するとともに、浙江省に対して行政管轄権と漁業権が台湾・宜蘭県にあることを主張したものだと分析している。


そして、日本と中国の間の、大陸棚の境界画定の問題が絡んでいると言う。
台湾(中華民国)は国際機構や主要国に承認されておらず、当然、国連海洋法条約も締結していない。そのため、国家間の交渉に口をはさむのが難しい。そこで馬英九総統は「東シナ海平和イニシアチブ(東シナ海平和提案)(東海和平倡議)」を提唱し、それらを棚上げしつつも天然資源を共有することを呼び掛けている。日中・日台・中台の"三組二辺"の対話を実現するため、日本に圧力をかけていると分析している。


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日本の報道では、漁業権と、漁船の燃料費用を寄付した旺旺集団と中国との深い関係の2つで落ち着いたような気がする。
もう少し多方面から考えてみると、いろいろと面白そうだ。
尖閣周辺海域の漁業権と日台漁業交渉と合わせて考えると、尖閣諸島(钓鱼岛、釣魚台)の行政管轄権が台湾・宜蘭県から浙江省に奪われる不安、という分析は興味深い。

もっとも自分としては、かなり単純に、
日本の海保の巡視船が20〜30隻、中国の海監の海洋監視船が10数隻。そこに台湾海巡の巡視船を投入するなら、国内的にも対外的にも弱腰と言われないだけの数、10隻以上必要だよね、くらいに考えている。



(*1)報道では、台湾の漁船60隻とも70隻、75隻とも書かれている。これには12隻の台湾海巡署の巡視船と3隻の報道陣を乗せた船なども含まれている。出港した漁船は60隻弱(58隻)、うち領海侵入が40隻が正しいようだ。
(*2)「海巡」とだけ書くと、中国の交通運輸省海事局の巡視船「海巡」と混同しそうなので、「台湾海巡」と書いた。


メモ
台湾の漁船団が尖閣に出発した直後の記事で、紹介するタイミングを逸していたもの。蔵出し。



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