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2012年11月

2012年11月30日 (金)

【尖閣】助けて!中国海監の動きが止まらない! "最新鋭"の監視船が・・・【ネタ】

201211kaikan201_2
中国網日本語版より)

海上保安庁は、11月29日に中国海監の海洋監視船「海監137」が尖閣周辺海域を航行しているのを確認した。

日本の「産経新聞」の29日の報道によると、海上保安庁は同日午後2時過ぎ、釣魚島海域を巡航する中国の最新鋭海洋監視船「海監137」の姿を確認した。日本が中国の同海洋監視船を確認したのは今回が初めてという。写真は日本側が撮影した「海監137」。

中国の最新鋭海洋監視船「海監137」 釣魚島海域巡航を開始(中国網日本語版|11/30)

日媒称中国最新锐海监船"海监137"巡航钓鱼岛海域(中国网|11/30)

「海監137」とともに接続水域に入ったのは「海監46」と「海監49」、さらに翌30日に「海監66」が確認されている。(参照

新たに確認された3000㌧級の最新鋭海洋監視船「海監137」は、もとは中国海軍所属の船で、前身は1970年代に建造された航洋曳船「东拖830」(参照)。退役後に改装され、11月中旬に中国海監東海総隊に配備された。


〜〜〜
元海上自衛隊海将補の海江田四郎氏は「今回の中国網の報道によって、中国が船齢30年を越えた"老兵"の軍艦を、“最新鋭”の海洋監視船として運用する能力がある事が確認された。これは驚くべきことだ。」と語り、「このままでは、第二次世界大戦でろ獲した船までも修復・改装し、"最新鋭"海洋監視船として尖閣周辺海域に差し向けてくるかもしれない。」と危機感をにじませる。

さらに、ストラビンスキーの『春の祭典』を大音量で流しながら、4隻の海監船が秘かに尖閣諸島に向かっていることを明かした。
その4隻は、「海監59」「海監61」「海监68」「海监69」。いずれも中国海監の、東シナ海を管轄する東海総隊に属する。

「これらも“最新鋭”の海監船だろう。海上保安庁の巡視船にない装備をもっており、非常に大きな脅威となると考えられる。」と語った。

(編集部注:情報源は明かされなかったが、しーばっと級潜水艦が尖閣諸島海域で作戦行動中なのかもしれない)


次の写真は、上から「海監59」「海監61」「海监68」「海监69」。


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メモ
こんな海監船(船番2桁台)もあります。
ぜひ尖閣まで来て欲しい(笑)

内容はもちろん「ネタ」、2chまとめサイトぽいタイトルにしてみました。
自分でやってみて、虚構新聞さんはすごいなあと実感・・・(苦笑)

(追記修正)記事公開後、タイトルが内容と合っていないと気になっていたので、「〜 さらに4隻の海監船が・・・」から、「〜 "最新鋭"の海監船が・・・」に修正しました。




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2012年11月29日 (木)

『尖閣激突 ~日本の領土は絶対に守る~』山田吉彦+潮匡人 読了

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“海”から見た尖閣問題の今の状況を知ることが出来る、これからを考えるのに役立つ良書。

山田吉彦氏と潮匡人氏の対談で、一般向けに噛み砕いた表現で、専門的な部分は補足説明もしているので読みやすい。

山田吉彦氏は、東海大学海洋学部・教授。海洋問題研究家(wikipedia)。 潮匡人氏は、帝京大学短期大学、準教授。元航空自衛官で軍事ジャーナリスト(wikipedia)。 名前を聞いたことのある人も多いだろう。


本書の大筋は、自分でも似た様に考えていたが、次の状況は深くは考えていなかった。


“「」を失えば、日中間の中間線が変更され・・・ 日本は事実上、東シナ海を失ってしまいます。ーー山田吉彦”

この「岩」は沖の北岩や沖の南岩のことで、魚釣島のような「島」ではない。(参照:wikipedia
一連の尖閣問題のニュースで触れられる事すらほとんど無いが、この「岩」がきわめて重要な役割を示すかもしれない。

シミュレーションでは「島」は守ることが出来ても、「岩」を盗られるだろう、と書かれている。
「岩」を盗られると、そこに拠点が出来る。それを排除出来ず、実効支配されてしまうと領有権を失い、領海を失う。
尖閣諸島が日米安保条約の適用範囲内なのは、日本が実効支配をしているからなので、中国の「岩」の実効支配が固まると奪還作戦で米国を当てにすることは難しい。そして、そこを基点とした200カイリの排他的経済水域を失い、東シナ海の、日中の中間線が大幅に変更されることを意味する。
漁業資源だけでなく、海底資源や海底下のエネルギー資源とも関係してくる。

国連海洋法条約では「岩」は基点にならないが、中国は占拠したら「島」だと言い張るだろう。
この方法で、フィリピンはミスチーフ環礁を失っている。


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本書は3つの章に分かれていて、お互いにリンクしている。

“第一章・全検証「尖閣上陸・第二の敗戦」ー誰が、何を間違えたのか”
は、今年8月15日の香港の活動家らによる魚釣島への上陸事件について、海上で制圧する機会は充分にあったのに、なぜ上陸をさせてしまったのか検証をしている。
先例を作ってしまったのは大きな失敗だった。
公務執行妨害罪を問えただろうし、強硬接舷した時に乗船することは出来たが、海保はそれを行わなかった、いや行えなかった。そこには官邸の「安全第一」で、「怪我人を出すな」「犠牲者を出すな」という  姿勢が感じられる。
何度も「海上保安庁の隊員はやるせない、歯がゆい思いをしている」と言っているのが印象的だ。


“第二章・尖閣にオスプレイが投入される日”
は、尖閣防衛のカギを握るオスプレイについて、客観的な視点で、具体的に書かれている。
この事に、日本の大手メディアはまったく触れようとしない。沖縄の人々の感情を考えてそういう対応をしているのかもしれないが、せめて沖縄の安全保障も含めた問題として触れてほしいものだ。
軍事ジャーナリストの潮氏の説明は、ところどころ気になった所があったが、全体的に、よくまとまっているという読後感。(*2)


”第三章・尖閣を中国に奪われないために”
で、どうすれば守ることが出来るのか、対談が進められる。

「現状で自衛隊を投入するのは中国の思うつぼ」という点は、国際法や日本を取り巻く国際関係を理性的に考えたなら、誰でも考えるのではないだろうか。(その上で、自衛隊を投入すべしという意見もある)
では、いまは自衛隊を投入せずに、どのように対応していかなければならないか。
海上保安庁だけでは、すでに限界近くになっている。巡視船の使用年数の問題もあるし、そもそも海保の隊員の定員の問題もある。
先延ばしに出来る状況にはない。


いまは「選挙」という、国民が自ら考えて行動することが出来る数少ない機会だ。

「岩」を失うことで、東シナ海の広い範囲の海底資源や漁業資源の権益をまとめて失うことになるかもしれない。しかしその時の政府首脳部が、中国との関係改善のために「岩」のひとつくらい渡してやれ、と、国内政治や党内政治で考えたらどうなるだろう?
(少なくとも、そう言っている政党はないのが救い。だから、ここでこう書くことが出来る)


尖閣諸島(あるいは離島)の問題は、目に見えている陸地とその領海だけから考えるのではなく、もっと広く深い、“海”から考える方が何が重要なのか分かりやすい。



うちのブログでは、主に中国海監の海洋監視船について、記事をいくつか書いてきました。
別に船オタだからではなく(笑)、広く浅く書くよりも、焦点を絞ってから膨らませた方が自分が書きやすいからですし、自分の主義主張を前面に出すよりも日本語の情報を増やす事で、色々考える材料にしてもらえればと思っています。
こいつ船オタ、と勘違いしないよう、ちょっとだけお願いします(苦笑)ホントに違うんですってばw


船オタもそうでない方も、大局的に、中国海監の海洋監視船や漁政の漁業監視船について、海保と巡視船の対応について、“広くかつ深く”知りたいなら、ご一読されることをお奨めします。

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「なぜ砲撃しない」と、邪気無邪気な強硬論を言う人がいる。
本書では、海監の監視船に向けて武器を使えない理由を、国際海洋法条約や海上保安庁法を使って詳しく説明している。
さすがに海保の巡視船が一方的に撃つ可能性は全く書かれていないが、そんな状況は、巡視船のブリッジほか船の全員が狂いでもしなければありえないだろう。

もし現在の状況で、中国海監の「非武装の」海洋監視船に対して(*1)、海上保安庁の巡視船が砲撃をしたら、日本は国内法でも、国際法でも、政治的にも、国際世論的にも、ほぼ間違いなく負けます。
もしかしたら、米国が、尖閣諸島は日米安保条約の適用範囲内と言っているのに、その米国が介入しにくくなる状況を作ってしまうかもしれない。

中国は、三戦(「世論戦」「心理戦」「法律戦」)の戦術を展開していることは、広く知られるようになった。(参照) 尖閣諸島での中国海監の行動も、その三戦に沿ったものとなっていて「世論(プロパガンダ)戦」と、特に「法律戦」を重視していると感じられる。

むしろ中国共産党や人民解放軍は、日本の世論が無知から勘違いをしてさらに右傾化し、先に撃ってくる事を望んでいるのではないだろうか。
そうすれば中国は、大義名分を得て自衛権を行使できるし、非武装の政府公船が攻撃されたとして、自国民に対して、そして何より国際社会に対して、公然と、その後の行動の正当性を主張することが出来るだろう。


その時は、「岩」だけでなく「島」が獲られることとなるかもしれない。(*3)



(*1)海監船は軍艦か非武装かの話や、偽装軍艦じゃね?という話は、機会があれば別記事で書きたいと思っていますが、少しだけ、
前の記事で少し書いたけれども、今、尖閣諸島周辺に来ている中国海監の海洋監視船は、海洋監視船として自主建造された船。(追記2012/11/29深夜:この記事公開後、海監137が尖閣周辺海域で確認されました) 軍艦ではなく、機関砲など固定兵装のない、非武装の政府公船。(機関銃など携行できる武器は積んでいるでしょう)
退役軍艦を改装した海監船とか、固定兵装のある300㌧以下の海監船の話とか書くと長くなるのでこの辺で。むしろ、漁業局の漁業監視船「渔政310」などが機関砲を載せている。

(*2)オスプレイと島嶼防衛のシミュレーションは、保守色の強い雑誌や本には多く書かれているのですが、論調がいまいち肌に合わない。

(*3)その「島」が、尖閣諸島だけでおさまればいいのですが・・・

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2012年11月27日 (火)

台湾、蘭嶼の放射性廃棄物貯蔵施設、一連のニュースまとめ。| TBS 報道特集(2012/11/24 )『台湾・先住民の島に放射性廃棄物 見過ごされた危機』

201211lanyu101
背包客棧より

台湾の蘭嶼にある放射性廃棄物の貯蔵施設。11月24日にTBS『報道特集』の放送で、はじめて知った方もおられるかもしれません。
ここ数ヶ月の報道を絡めて、軽くまとめてみました。


台湾本島の南東沖80kmにある蘭嶼。
現地読みで "ランユー"、日本語で "らんしょ"ですが、ニュースなどでは "蘭嶼島" と書かれます(*1)
台湾の原住民族のタオ族が4000人ほど住んでいます。(冒頭の写真はタオ族伝統の船)

この島の南の端に、台湾の原発作業で出る低レベル放射性廃棄物の貯蔵施設があります。
うちのブログでは、8月末に桜美林大学の中生教授らによる現地調査が行われた事とその結果、津波などで日本近海を含む広範囲が放射能汚染される危険性がある事の記事を、いくつか書きました。
(例:台湾、蘭嶼(らんしょ)島の放射性廃棄物貯蔵施設

その後も関連ニュースがあり、ツイッターで逐次書いていたのですが、先週の11月24日のTBSの番組『報道特集』で、この蘭嶼の核施設と問題点などが放送されたので、ブログにまとめてみました。


近頃のニュースを中心にまとめたので、建設の経緯や反対運動などには触れていません。詳しくはwikipediaや、今回の『報道特集』関連記事など、ご自身で調べてみてください。



放射性廃棄物貯蔵施設(蘭嶼貯存場)は、島の南の端にあります。
高い放射線測定値が検出された「朗島」地区は、島の北の端です(詳しい測定場所は、後に述べる報告書の地図に載っています)。
201211lanyu102

まず、11月24日のTBS報道特集『台湾・先住民の島に放射性廃棄物 見過ごされた危機』の番組動画。YouTubeから。


台湾 蘭嶼島:先住民の島に放射性廃棄物 (1) - YouTube


台湾 蘭嶼島:先住民の島に放射性廃棄物 (2) - YouTube


"みんな楽しくHappy♡がいい♪"さんが、内容の文字起こしをしておられます。スナップショット画像も交えた、丁寧な造りです。
台湾・先住民の島に放射性廃棄物 見過ごされた危機 台湾の孤島で11/24報道特集(動画・内容書き出し)(11/25)
文字書き起こした文章を、番組音声と付き合わせてチェックしたところ、特に間違いは無かった事を確認しました(11/26 07:00現在)


Togetterにて、視聴者のツイートがまとめられています。(*2)
ツイート一覧の後に載せられている関連情報が詳しく、参考になります。
報道特集 台湾・先住民の島に放射性廃棄物 見過ごされた危機 - Togetter

201209tw2nuke04
台湾PTSより


これまでの報道では触れられなかった部分も多く、一見の価値有りです。

例えば、8月末の調査では、蘭嶼北部の"朗島"地区の小学校などで高い放射線測定値が出ました。
11月10日の台湾電力と台湾と日本の研究者の合同調査でも、"日本研究者の測定値"でだけ、朗島診療所の壁で高い値が出ていた事が報道されましたが、『報道特集』から、電柱を地上1.5mくらいで測定しても高い値が出ていた事が分かりました。

中生教授など日本の研究者は、建材のコンクリ原料の砂や石が汚染されている可能性や、放射性ラジウムの可能性(世田谷区の民家で発見された例)を指摘しています。
一方、台湾行政院の原子力エネルギー委員会(原能委|原子能委員會)(以下、原エネ委)(*3)は、中出教授らが持ち込んだ測定装置が古く、高い値は、携帯電話の基地局の電磁波によるエラーだと否定しています。

行政院・原エネ委による、台日共同調査の結果。
訊息公告 台日三方會同偵測蘭嶼地區的環境輻射,已排除蘭嶼貯存場造成環境污染的疑慮(行政院原子能委員會|11/11)
測定作業の写真、地図と測定値一覧のファイルが、このページの下にリンクされています。

蘭嶼・放射性廃棄物貯蔵施設
201209tw2nuke03
蘭嶼鄉-台電核廢貯存場より)


蘭嶼の放射性廃棄物貯蔵施設は、放射線の測定値の問題だけでなく、津波など自然災害が起こることによって、放射性廃棄物が容易に海に漏出し、蘭嶼近海のみならず黒潮にのって日本近海も汚染する危険性が指摘されています。
中生教授が岩波書店の『世界』に寄稿しています。(無料公開)

『蘭嶼島 津波の島に蓄積される核廃棄物』 中生勝美 (桜美林大学)
「世界」2011年1月号・特集「原子力復興という危険な夢」(岩波書店)

『報道特集』では、8月末に蘭嶼を直撃した台風14号(天秤)によって、その貯蔵施設の防波堤と同じ構造の港の防波堤が崩れている様子が映っていました。
また、貯蔵施設の裏手が崖になっているので、落石や土砂崩れで貯蔵施設が大きなダメージを受ける可能性を指摘しています。

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蘭嶼の住民の健康被害も、大きな問題です。
以前から、住民の間に肺がん、甲状腺がん、口腔がんなどが多いことが知られ、貯蔵施設のいいかげんな管理体制が指摘されてきました。

『報道特集』では触れていませんが、原エネ委も台湾電力の管理体制の不備を認識しており、ドラム缶の腐食原因などと合わせて今年3月に報告書が作成されました。(参照:tw
腐食したドラム缶を新しいドラム缶に詰め替える作業を撮影した映像から、作業員は防護服を着けずに作業をし、付着した鉄屑(放射性廃棄物)を保管庫の外の道路で払い落とし、施設外の汚染を起こしていた、等が確認されています。(参照:tw

この台湾メディアの記事で登場している、台湾の立法委員(国会議員に相当)の鄭麗君らが、施設の安全管理体制と台電と原能委の対応について追求をしています。

台湾、行政院原子能委員會・放射性物料管理局による報告書。
蘭嶼貯存場檢整重裝作業之安全管制與調查報告 101年3月26日』(pdf)
(*)民国紀元。西暦では2012年3月26日。



貯蔵施設のずさんな管理体制から、腐っているのは放射性廃棄物を入れたドラム缶だけではなく、台湾電力や原エネ委の体質ではないかと感じられてきます。
もし大災害があり津波が起こった場合、施設は大きく損壊し、放射能廃棄物が流れ出すことが心配されます。詳しくは、前述した中出教授の論文を参照ください。

その時は、放射性物質は黒潮にのって流され、まず、沖縄から九州の海が汚染されたり、風評被害で沖縄の水産業や観光業は大打撃を受けることでしょう。

放射線の測定値や住民被害の話も重要な問題ですが、私は、この部分も特に心配しています。

蘭嶼北部の朗島地区の高い放射線の測定値は、個人的には(特に根拠がある解釈ではありません)、建材の汚染が原因ではないかと考えています。
蘭嶼の施設に放射性廃棄物が貯蔵されていることが分かった後、蘭嶼の地域住民への対応として朗島地区に診療所や小学校、電柱などインフラを整えたのではないでしょうか(未確認)。そのコンクリの原材料の砂や石が放射能汚染されていたのかもしれません。


なんにせよ、まだ現在進行形の話です。
今後の、台湾の原子能委員會と台湾電力の対応、鄭麗君・立法委員や台湾の研究者、そして中生教授らの今後の活動が注目されます。

『東日本大震災と知の役割』第III部・第14章
『低レベル放射性物質と東シナ海の津波:台湾離島の核廃棄物貯蔵場』中生勝美 著

東日本大震災と知の役割東日本大震災と知の役割
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現在進行形の話なので、8月末からのタイムラインを簡単にまとめておきます。

8月下旬: 
台風14号("天秤"台風)が蘭嶼を直撃し、甚大な被害を与えた。
台湾電力は、この台風被害による施設からの放射能漏洩はないと発表。(参照

ーーー
8月31日~9月あたま: 
桜美林大学の中生勝美教授、首都大学東京の加藤洋准教授らによる放射線の測定。高い値が測定された。
蘭嶼土壤 驚傳輻射超標(蘋果日報|9/4)

ーーー
9月27日:同調査の報告会(東京都内)
台湾の島、高い放射線量 原発の廃棄物施設影響か 桜美林大、首都大学東京、琉球大調査(47NEWS|9/28)
台湾、蘭嶼(らんしょ)島の放射性廃棄物貯蔵施設(拙文)

ーーー
11月8日:
立法院教育委員会の原能委の予算審査会で、立法委員の鄭麗君らが、昨年の作業映像をもとに貯蔵施設のずさんな管理体制を糾弾。
蘭嶼核廢檢整未密封 原能會報告證實疏失(自由電子報|11/9)(写真)
蘭嶼核廢料檢整 原能會查有缺失(聯合新聞網|11/9)(写真)

ーーー
11月10~11日:
台湾電力、台湾の研究者、日本の研究者が合同で、蘭嶼の貯蔵施設や朗島地区などの放射線測定。
11月11日:
台湾の原エネ委は、環境汚染の疑惑は晴れたと発表。
訊息公告 台日三方會同偵測蘭嶼地區的環境輻射,已排除蘭嶼貯存場造成環境污染的疑慮(行政院原子能委員會|11/11)(写真・地図・測定値)

〜〜〜
合同調査終了の後、首都大学東京の加藤洋准教授が、スクーターに乗って空港に向かう途中で交通事故。骨折。(参照
台湾本島への緊急搬送についての原エネ委の対応に、中生教授らが不快感。
台湾人ではないので費用は自腹とか、対応がひどかったらしい。
原エネ委は、あわてて医療費等を負担すると発表。日本の学者が中立性を保つため、交通費・宿泊費等を自費にすると言ったのでそれを尊重したと、まあ、泥縄な言い訳。(参照:tw

ーーー
11月20日:
中生教授、加藤准教授らが、台湾の台北で記者会見。
台湾・原エネ庁が、高い放射線量が出た結果を隠蔽したのではないかという不安が広がる。
高い放射線量と日本調査団 台湾の廃棄物貯蔵の島で(MSN産経ニュース|11/20)

ニュース動画
20121120 公視晚間新聞 日學者稱:蘭嶼部分地區輻射值高(YouTube)

ーーー
11月21日:
台湾・原エネ会は、高い放射線量は日本の学者の「測定ミス」と否定。
携帯電話の基地局の電磁波の影響を受けた可能性を指摘。
中生教授らが使っていたのは、米国製「SamRAE 940」。

外交ルートを通じて、中生教授らに安易な批判を慎むよう日本に要求する、と不快感を示した。
蘭嶼の放射線問題 原エネ庁:日本の学者、測定ミス(中央社日文新聞|11/21)
輻射爭議 原能會︰將請日本政府約束2學者(自由電子報|11/21)


台湾の立法委員(国会議員)が「知識人への脅迫行為」と言うなど、波紋が広がっている。
蘭嶼放射線問題 原エネ庁の「日本学者批判」で波紋(中央社日文新聞|11/22)

ーーー
11月24日:
TBS報道特集 『台湾・先住民の島に放射性廃棄物 見過ごされた危機』、放送。


台湾、蘭嶼にある放射性廃棄物の貯蔵施設の危険性と、万が一の時の日本への影響の可能性が、日本でも広く知られることとなった、・・・はず。←いまここ



(*1)蘭嶼は英語では "Orchid Island"なので、蘭嶼島を英訳直訳すると、"'Orchid Island' Island"となるのですが、それは余談(笑)
(*2)私は、放映当日は見られなかったので、このTogetterには出てきていません...orz
(*3)ツイッターでは"原能委"と書いていますが、この記事では"原エネ委"と書きました。

メモ
『報道特集』の特集が放映され注目する人が増えたと思いますので、この後のタイムラインはまとめないと思います。気分次第ですが。

ひとつひとつのニュースを、その都度、ブログ記事にした方がいいのかなとも考えなくもないですが、それも気分次第。


台湾人には、ご用心!台湾人には、ご用心!
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2012年11月24日 (土)

【尖閣】中国海監 巡航パターンと海洋監視船の数

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尖閣諸島周辺の海域にあらわれる海洋監視船、その巡航パターンと、出動可能な船の数を調べてみた。

中国海監の海洋監視船は、交代を繰り返し尖閣周辺を航行している。中国はこれを「定期パトロール」と称している。
10月以降の海洋監視船(海監船)と交代日を、報道で確認された日時を元にまとめてみた。


~10月08日 ・・・ 海監15、海監26、海監27、海監50

10月08日~ ・・・ 海監51、海監66、海監75、海監83
(10月10日~19日は、台風のため、退避していたらしい)
~10月25日 ・・・ 海監51、海監66、海監75、海監83
(25日には、8隻の海監船が確認されている)

10月25日~ ・・・ 海監15、海監26、海監49、海監50
(28日に海監27が現れたらしく、28日夜に海監49は接続水域を出た)(*1)
           海監15、海監26、海監27、海監50

11月07日~ ・・・ 海監51、海監66、海監75、海監84

11月18日~ ・・・ 海監15、海監26、海監27、海監50


尖閣周辺に現れる海監船は常連さんが多く、台風による荒天のため現れなかった日もあるが、11~13日で交代していることが分かる。(*2) 
常態化しつつあるので、乗組員は、出港から帰港まで約2週間のお仕事、その後、陸上勤務と休暇、近海の仕事で2週間かな。


東シナ海を管轄する東海総隊だけでなく、北海総隊・南海総隊の船もいる。

以下、資料的な意味もこめて、ちょっとメモ(苦笑)

海上保安レポート〈2012〉海上保安レポート〈2012〉
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中国海監は、黄海・渤海周辺を管轄する「北海総隊」、東シナ海の「東海総隊」、南シナ海の「南海総隊」、その他に省・直轄地や市など地方自治体に分かれており、海監船はそれぞれの総隊に所属している。
所属は簡単に分かる。豆知識。
各総隊に支隊があり、北海総隊は第一、第二、第三支隊、東海は四五六、南海は七八九十。(追記修正。南海総隊に第十支隊)
海監15は北海総隊・第一支隊、海監51は東海総隊・第五支隊という様に、船番に支隊番号がついている。(基本はこうだが、船番3桁や4桁の船は省や直轄地が絡んで少し複雑)

海洋監視船の中には、巡航"パトロール"を主に行っている船隊がある。(*3)
海監15、海監26、海監27、海監50の4隻は、以前から、東シナ海ガス田〜尖閣諸島周辺の海域を巡航していた。尖閣国有化を発表した直後、最初に尖閣周辺海域に現れた4隻。(参照) 
海監50は3000㌧級の大型新鋭艦で、東海総隊の旗艦。


海監51と海監66は、以前から尖閣諸島の周辺海域をうろつき、時々、接続海域に侵入していた、いわば担当者。
いまのところ、この東海総隊の2隻と応援の南海総隊の2隻をセットにした4隻、それと海監50ほかの巡航グループ4隻が交代して航行しているようだ。

南海総隊の2隻のうち、海監83はヘリ一機を搭載する3000トン級(海監50の姉妹船)だったが、11月7日からは海監84(1500㌧級)に代わった。

次の交代は、たぶん11月末から12月はじめ。
そこで海監83(3000トン級)がふたたび現れるか、それとも海監84や他の1000トン級が来るか、ちょっと気になっている。(*4)


(追記:2012/11/29)
尖閣周辺に最新中国船 「海監137」初確認(MSN産経フォト|11/29)
第11管区海上保安本部(那覇)によると、29日午後は、海監137のほかに「海監46」「海監49」が接続水域内で航行しているのも確認された。

連続1カ月が過ぎたからか十八大が終わったからか、巡航パターンを変えてきたよ・・・orz

海監137については、前の記事で書いています。
(参照:中国海監、新しい(?)3000トン級の海洋監視船を配備 | 昔の名前で出ています
(追記ここまで)


(追記:2012/12/17)
北海総隊の海監110と海監111が確認され、十八大前までのパターンは完全に変わりました。
【尖閣国有化】中国船が尖閣周辺航行 4隻、7日連続(MSN産経ニュース|12/17)

この新顔2隻については、うちのブログ記事で触れています。ご参照ください。
海監110海監111
(追記ここまで)

南シナ海での、定期パトロール。
201211kaikan102
铁血网より


尖閣周辺まで航行可能な1000トン級以上の、中国海监の海洋監視船は現在、29隻。(2012年11月20日現在)
その中には、船齢30年以上の“老兵”も多いことはこの前の記事で書いた。(参照

これまでに尖閣周辺に来ている海監船は、9月中旬に集結した海監船も含めて、すべてが中国海監が海洋監視船として新造した船、生え抜きだけだということは、意外と知られていない。
(追記20121129:海監137が現れたことで、この状況は変わりました。前身は中国海軍の拖中級・航洋曳船。)
その数は現在17隻。(もうじき18隻目が配備される)

北海総隊(北海总队) ・・・ 海监15、17、18、23、26、27
東海総隊(东海总队) ・・・ 海监46、49、50、51、66
南海総隊(南海总队) ・・・ 海监71、72、74、75、83、84

海监50と海监83は3000トン級(3980㌧)で、ヘリ1機を搭載する大型船。
海监71は1000㌧級の高速船(最高34ノット)。
一方、海监18のような海洋環境調査が主任務の船もあるし、この中では一番古い海監72(1989年建造)のような自力航行可能日数が20日と短い船もある。それぞれの担当海域を空っぽにするわけにもいかないだろう。

いまはまだ、こんな感じ。
テリトリーだと主張する場所を定期的に見回って、マーキングして、既成事実を作っている段階。


中国海监は第三期・海監船建造計画を2011年に開始し、2020年までに36隻を配備する計画をすすめている。うち1000㌧級以上は22隻(1500㌧級7隻、1000㌧級15隻)。(*5)
10年後には、尖閣諸島周辺海域に来る性能を持つ海洋監視船は、中国海監の新造船だけで40隻近くになる。
さらに、漁業局・漁政でも大型の漁業監視船を建造する計画が進んでいるし、中国海軍など他の組織の大型艦船の、海洋監視船への改装も行われている。

いまはまだ、海上保安庁が数で勝っているが、老朽船も多く、逆転される日は近い。

将来を考えた配備計画を考えるなり外交で決着を付けるなり、本気で対応を考えなければ、数年後には漁船も絡めた中国お得意の人海戦術で物理的に押し出されかねない。

「あの時にちゃんと考えて行動しておけば・・・orz」、という内向き思考は、今の日本社会では定番となっている。

本気で、そう言いたい人はいないはずだ。


(*1)海监27は、故障でもしてて出港が遅れたかな?
(*2)海監船の自力での航行可能日数は、1000トン級で約30日、1500トン級で40日。3000トン級以上は40~60日。海監50と海監83は60日に及ぶ。
(*3)中国海監は2006年7月から、海洋監視船による、東シナ海での権益保護と法執行のための定期パトロール(定期维权巡航执法)を開始した。 (2007年2月から、黄海と東シナ海での定期パトロールを開始)
(*4)かなりマニアックな楽しみかたをしてるなあ(笑)
(*5)残りは600㌧級。



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「海上保安庁の仕事」編集委員会 編

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2012年11月16日 (金)

中国海監、新しい(?)3000トン級の海洋監視船を配備 | 昔の名前で出ています

201211kaikan01
凤凰网より)

中国海監に、3000トン級の海洋監視船が続けて配備された。

それらの海洋監視船は新造船ではなく、船齢30年以上の "老船" ということは、人民網や中国網などの日本語版記事や日本メディアの報道ではちょっと報道されてない。

中国国家海洋局のウェブサイトによると、このほど中国の3000トン級の海洋監視船「海監137」が中国海監東中国海総隊に就役し、東中国海の領海で定期的な権益維持巡航任務に就くことになる。

3000トン級の海洋監視船 東中国海の巡航へ(中国網・日本語|11/16)

北海総隊に "海監110" が、東シナ海を管轄する東海総隊に"海監137"が配備された。

"海监110" の前身は "北拖710"、"海监137" の前身は "东拖830"。
どちらも前身は中国海軍の、1970年代に建造された拖中級・航洋曳船(远洋拖船)、外洋で海難救助などの作業に従事する「オーシャンタグ」。船齢35年くらい。
同クラス唯一の現役だった "南拖154"も退役し、国家海洋局に配備されるらしい。じきに南海総隊にも3000トン級の監視船(海監167?)配備というニュースが出るのだろう。


海上保安庁では、鋼製の大型巡視船の耐用年数を25年(巡視艇は20年)としている、・・・が、実際問題、予算の関係で更新が遅れ、耐用年数を超えている巡視船も多い。
それでも今年1月に、船齢35年の「最古の巡視船」と言われた"PM84 しらかみ"が解役となっている。


3000㌧級は大きい方だが、すでにセカンドライフ・・・、第一線で、あと何年働かせられるのだろう?

上部構造物の上に、赤い高圧放水銃が複数ある。

--------
(追記:2012/11/29)
"海監137"が、尖閣周辺海域に現れた。
(写真)
尖閣周辺に最新中国船 「海監137」初確認(MSN産経フォト|11/29)
(追記ここまで)

--------
(追加:まとめ記事)
【尖閣】国家海洋局・中国海監の海洋監視船・航空機など、尖閣関係の過去記事まとめ(〜1/4)


"北拖710"="海监110"
201211kaikan02
BBSより)


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中国海監の船舶法執行船は、現在400隻以上で、(*)1000㌧級以上は29隻、うち3000㌧級以上が7隻(*1)。(参照:cn
各地の支部に新しく配備させるべく、36隻(1500㌧級7隻、1000㌧級15隻、600㌧級14隻)の建造計画を進めており、10月に最初の船が進水している。(参照:cn

(追記修正:2012/11/19)
上記の「法執行船が400艘」は、「船舶」の間違い。他の船を合算したと思われます。(上記の参照記事には載っておらず、他の中国メディアの記事の数字をうっかり書いてしまいました)

中国海監は、2020年までに法執行船を360隻にまで増やす計画を立てています。(参照
(追記修正ここまで)


2011年までに、中国海监の法執行船は260隻と言われていた(参照:日本海上保安厅和中国海监力量对比)。百度百科では、いつの情報か不明だが200余隻と書かれている(参照:海监船_百度百科)。そして、今は400隻・・・


高速艇の導入や装備の近代化をすすめているが、なにより法執行船の数を増やすため "老兵" も含めた再編成をすすめている。

「海监○○」の船名の船に、今回と同じような、配置換えして改装した例はとても多い。

例えば、有人深海潜水艇 "蛟竜" 号 の母船 "向阳红09(向陽紅09)"(4435トン)(参照)。海洋調査船だったが、海洋監視船"海監28"として配備されていた時期もある。
(2010年に再び "向阳红09" という名前に戻り深海潜水艇の母船となった。船齢34年の老船。)


国家海洋局の中で行う場合もあれば、中国科学院や人民解放軍などの退役船を改装して、配備する場合もある。漁船を改装した海洋監視船もある。

先日、国家海洋局の刘赐贵(劉賜貴)局長への取材で、人民解放軍海軍の駆逐艦が譲渡され、中国海監の海洋監視船として再配備されることが確認、報道された。
【尖閣国有化】中国、監視船活動は無期限 多数の軍艦改造か(MSN産経ニュース|11/11)

まず中国海軍、旅大-I型(051)駆逐艦、 "131 南京号"と "162 南宁(南寧)号"。(参照:cn)1970年代に建造された、旅大型の初期建造艦。
ひと世代前の主力駆逐艦とはいえ、現役の駆逐艦を退役させた後に中国海監に再配備したところが注目されている。(当然、ミサイル発射装置や連装砲は下ろされるはず)


十八大(第十八回中国共産党代表大会)で、胡錦濤総書記が「中国は海洋資源開発能力を高め、断固として国家の海洋権益を守り、海洋強国を建設する」と報告した。

人民解放軍の装備の更新も行いつつ、中国海監の増強も行って「海洋強国」となるための体制を整えていこうとしているのだろう。


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ちなみに "海监○○" の中には、「これってどうなのよ?」というような海監船もある。

さすがに海洋監視船とは呼ばれていないと思うが、"海监68" が可愛い(笑)

201211kaikan03
东海总队船舶照片より


(*1)中国海監の、3000㌧級以上の海監船は、いま7隻。

ーー(追記修正:2013/03/26)ーーーーー
誤読していました。
「3000トン級以上」が7隻ではなく、「3000トン級」が7隻の間違いでした。m(_ _)m

1000トン級以上の海洋監視船について、一覧として新記事を書きました。
そちらを参照ください。

中国海監、1000トン級以上の海洋監視船は現在32隻。一覧にまとめてみた。: メモノメモ

ーー(追記修正ここまで)ーーーーーーーーー


メモ
日本メディアは監視船の数を数えるのに忙しいようなので、少しまとめてみた。



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2012年11月 7日 (水)

『ラッキーマン』マイケル・J・フォックス、読了 | メモ:iPS細胞とパーキンソン病治療

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マイケル・J・フォックスの自伝『ラッキー・マン』(Lucky Man - a memoir)。
2003年の日本出版。そのうち読もう、読もうと思っていて忘れていた本。

山中伸弥教授のノーベル生理学・医学賞受賞に関するニュースの中で、治療が期待される難病のなかにパーキンソン病があり、そこで思い出し、今更ながら読んでみた。


内容と、パーキンソン病とiPS治療についての、個人的メモ。
(症状その他の詳しい事は、wikipediaその他で調べてみてください)

参照:パーキンソン病(Wikipedia)

日本における有病率は10万人当たり100~150人。欧米では10万人あたり300人と見積もられている。
厚生労働省の、2005年(平成17年)の調査では、パーキンソン病患者は約14万5千人。
パーキンソン病患者は認知症を発症するケースが多く、発症リスクは健常者の5~6倍。患者の追跡調査研究では、78%が認知症を発症している。



患者の多くは50才以降の中高年で発症するが、マイケルは30才という若年で発症した。
(参照:マイケル・J・フォックス)(wikipedia)

1990年に発症の兆候がみられ、治療をしつつ俳優の仕事を続けていた。
1998年に病気を公表し、その後、俳優活動から退きパーキンソン病の研究助成活動を行っている。
このあたりは自伝『ラッキーマン』で喜怒哀楽詳しく描かれている。
芸能人の自伝で良いと思ったことはあまりないけれど、マイケルは文才があるらしく、ユーモラスでもありかなり読ませる内容だった。

"マイケル・J・フォックス パーキンソン病リサーチ財団(The Michael J. Fox Foundation)" 。
本書によるとマイケルは自分の名前をつけたくなかったので、 "PDキュア財団(PD (Parkinson's Disease) Cure Foundation)" と命名しようとしていたそうだ。しかし、妻トレイシーの「ペディキュア?」(足の爪のマニキュア)の一言があって、いまの名前になった。

トレイシー、GJ(笑)


その後、俳優活動を再開。
2年前(2010年)の、CBSテレビの法律ドラマシリーズ『グッド・ワイフ シーズン2』の、メイキング動画。
マイケルは、神経疾患で運動機能の障害を持った弁護士の役を演じている。


マイケルは、1999年の米国の上院歳出委員会の公聴会に出席し、こう発言している。

わたしは四十代で、ほとんどの人が七十代か八十代まで直面しなくてもいいような困難に直面しています。でも、あなたがたの助けを借りて、この病気を撲滅するためにできることをすべてやれば、五十代になったとき、わたしは子供たちの結婚式でダンスをすることもできるのです。

(『ラッキーマン』p.391より)

いま、本書を読んだ感想は、出版社の紹介文のような「感動の・・・」もあるんだろうけれど、もっと単純に、

「マイケル・J・フォックスの、そのダンスを見てみたい」。

マイケルは、今年51才。
iPS細胞研究のロードマップ通りに、充分な予算が集まり研究と臨床試験がすすめば、それは10年で実現する可能性がある。

「夢じゃないんだ」という感慨をもった。 楽しみだ。


来年(2013年)に、NBCのテレビドラマの主役で、パーキンソン病患者の役を演じる。
NBCは、マイケルの出世作『ファミリー・タイズ」を製作したテレビ局。

NBC Will Broadcast New Michael J. Fox Show(NYTimes)
『バック・トゥ・ザ・フューチャー』マイケル・J・フォックス、ついに本格復帰!新作テレビシリーズに主演(シネマトゥデイ)

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パーキンソン病 - 患者様へ : 疾患と研究の関わり
(文部科学省 iPS細胞等研究ネットワーク iPSTrend)


京都大学・CiRA 
一般の方対象シンポジウム「iPS細胞研究の最前線」

「iPS細胞を用いたパーキンソン病治療の開発」高橋 淳 准教授
26分38秒

ES細胞、iPS細胞については14分あたりから。
2010年のシンポジウムなので、ES細胞も絡めて説明している。



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[Kindle版(英語):Lucky Man: A Memoir eBook: Michael J. Fox


2012年11月 6日 (火)

空気中の細菌・ウィルスと二酸化塩素ガスの効果|クレベリンゲルなど

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寒くなって、周囲に風邪ぎみの人が増えてきました。
予防第一ということで、うがいと手洗い(接触感染予防)など気を付けています。

寒くなってくると、クレベリンの製造元の大幸薬品は、二酸化塩素ガスの有効性に関する研究結果のプレスリリースを出してくるようです。
今年は10月はじめに、室内に浮遊する黄色ブドウ球菌やインフルエンザウイルス(の代替ウイルス)、ノロウイルス(の代替ウイルス)に対する二酸化塩素ガスの有効性について発表されました。9月に「日本防菌防黴学会」で発表されたもの。

たとえば、インフルエンザウイルスについての実験。

『クレベリンの成分である低濃度二酸化塩素ガスが、6畳相当・25m³ の試験チャンバー内に浮遊させた細菌やウイルスの数を減少させる効果があることを大幸薬品が実証』(pdf

今回の実験は、6畳相当(25m3)の閉鎖空間に0.02 ppmvの低濃度二酸化塩素ガスを空気中に漂わせることで浮遊させた細菌や浮遊させたウイルスの数を減少させる効果を実証しました。
(中略)
実験の結果は、0.02 ppmvの低濃度二酸化塩素ガス環境において、浮遊させた細菌やウイルスが自然に減少する数と比較して、黄色ブドウ球菌は30分後に98.4%、60分後に99.99%以上減少し、MS2ウイルスは120分後に99%減少、φX174ウイルスは30分後に99.4%、150分後には99.99%以上減少することがわかりました。

("MS2ウイルス(MS2ファージ)"と"φX174ウイルス"は、インフルエンザ・ウィルスの代替ウィルスと位置づけて使われる。)

以下、ざっと読んで個人的に気になったところ。
メモを貼り付けて体裁整えただけなので、である調に変わります。

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室内の二酸化炭素ガス濃度を0.02ppmv(または0.1ppmv)にコントロール出来れば、"浮遊している"黄色ブドウ球菌やインフルエンザウイルスは大きく減る結果となった。

実験は、室内に「クレベリン・ゲル」や類似品を置いて行われたのではなく、実験室の外に発生装置(二酸化塩素ガス発生機「リスパス」?)を置いて、そこからチューブを通して閉めきった実験室に二酸化塩素ガスを送り、ファンで拡散させている。
普段の生活では、ドアの開閉で部屋の外に拡散するだろうし、置き場所によってはガス濃度に偏りが出るかもしれない。ホコリを巻き上げない程度に、室内の空気を対流させると実験環境に近くなりそう。

オフィスや病院、介護施設などの、人のいない部屋で、「リスパス」など二酸化塩素ガス発生装置を使って空間除菌するには参考になる。

ただ、風邪をひいたとき、換気をしない閉めきった部屋に閉じこもるってのはかえって健康によく無いし、デスクやベッドの頭の上に容器を置くのもなんだかなあ・・・
使用中のクレベリンゲルを、棚の上から落っことした事があった。容器が床に落ちたショックで、(全部ではないけれど)薬剤が染み込んだゲルの粒粒が、容器フタの開口部からバラバラッと飛び出した。両面テープで固定するなど注意が必要。幸い、目や口にはかからなかった。


個人的には、二酸化塩素ガスを使った消臭や除菌をおこなう"家庭用製品"は、使用者が曝露する濃度の上限値が充分にコントロールされている必要があると思っている。

日本では、二酸化塩素ガスの濃度基準値はまだ設けられていない。
米国職業安全衛生局(OSHA)の、二酸化塩素ガスの職業性暴露の基準値として、8時間加重平均値(TWA, 1日8時間、1週40時間曝露されても健康に悪影響を受けないとされる濃度)が、0.1ppmと定められていることから、この値が参考にされることが多い。
(参考:二酸化塩素とは? | 日本二酸化塩素工業会

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キッチンのシンクを想定した、ネコカリシウイルス(ノロウイルスの代替ウイルス)に対する実験で、二酸化塩素ガスの有効性が検証されている。

『大幸薬品が、『ネコカリシウイルス(ノロウイルスの代替)に対する二酸化塩素ガス発生ゲル剤の有効性の検討』について発表 流し台のモデル環境で99%のウイルス減少を実証』(pdf

流し台の左上隅に、「クレベリンゲル」と同等の二酸化塩素発生ゲル剤を置いて実験している。(*1)

流し台の大きさが "縦43×横75×深さ29cm" と大きいので、食堂か施設の調理場を想定しているのだろう。左上隅にゲル剤を置き、シンクの中の3箇所でサンプリングしたところ、5時間後にウイルスが激減したという結果。


事業者さんに対して書かれている事を簡単にまとめると、「閉店後にクレベリンスプレーなどを吹き付けてセッセと除菌作業するのではなく、シンクにゲル剤をポンと置いておくだけで、朝になったら除菌出来ていますよ」という内容。

2011年にはデンソーと組んで車両用クレベリン(*2)を発表したことだし、近いうちに、ノロウイルス対策「キッチン用クレベリンゲル」でも発表されるのかな?

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うちのブログの関連記事(掲載時期・順不同)(*3)

国民生活センターによる、据置型の製品9つ(製品名あり)の調査結果。(必読)
クレベリン ゲルとその濃度(その2) 国民生活センター「二酸化塩素による除菌をうたった商品」


クレベリンゲル(大幸薬品)の関連記事
クレベリンゲルの使用感、関連情報に関する記事のまとめ

クレベリンゲルのインフルエンザに対する、陸上自衛隊での検証結果
インフルエンザ対策。クレベリンとその濃度
大幸薬品(クレベリン)の「インフルエンザ危機、パンデミック対策 二酸化塩素を用いた、強毒型新型インフルエンザ(H5N1)への備え」を読んでみた


ウイルスブロッカー(エンブロイ)の関連記事
二酸化塩素を使った「見えないマスク『ウイルスブロッカー』」の資料を読んでみた
「ウイルスブロッカー」が販売停止中(*現在は販売再開されています)



(*1)ゲル剤の二酸化塩素発生量は、1.7 mg/h(25℃)(国民生活センターの「クレベリンゲル」など『二酸化塩素による除菌をうたった製品(pdf)』の実験結果と同レベルだが、同じ方法かどうかは不明)。

(*2)個人販売品ではなく、トヨタ車の販売店などに設置して1回いくらで車内の消臭・除菌を行うシステム。

(*3)いろいろ書いてきたもんだ・・・

メモ
毎度書いていますが(笑)、大幸薬品とは何の関係もありません。



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2012年11月 3日 (土)

【尖閣】中国海監の行動 「駆逐」と「駆逐措置」 南シナ海の例から

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中国海監が、日本船に対して実施したという「駆逐措置」について、南シナ海のケースを絡めて考えてみた。

中国国家海洋局は30日、中国の海洋監視船の船隊が同日に沖縄県・尖閣諸島(中国名・釣魚島)領海で活動していた日本側船舶を駆逐する措置を取ったと発表した。日本側船舶は海上保安庁の巡視船を指すとみられる。

「日本船を駆逐」と主張、中国国家海洋局(MSN産経ニュース)


南シナ海では、"スプラトリー諸島(英名)|南沙諸島(中国名)"などで、フィリピン、ベトナム、マレーシア、ブルネイ、台湾、中国が、島嶼の領有権を主張して争っている。今年(2012年)、フィリピンと中国の巡視船・監視船がにらみあったニュースは記憶に新しい。(参照

これまでにも、中国海監の監視船がフィリピンやベトナムの政府公船(沿岸警備隊のパトロール船等)と対峙し、海監によって「駆逐」されたと中国メディアは報道している。
しかし、中国政府管理ドメイン(.gov.cn)のニュースサイトでは、「驱离(駆逐)」という表現は使われていても「驱离措施(駆逐措置)」や類する表現は見あたらなかった。
中国の高官が「蚊のような小国」と言う(参照)南シナ海沿岸諸国、それらのパトロール船は海監が駆逐できて当たり前と考えて、そうでない報道はしないからかもしれない。あえて微妙な表現を使うと、弱腰と言われかねないだろう。


しかし今回、日本の海上保安庁に対しては「驱离措施(駆逐措置)」という表現を使った。
“措置”には、“予防措置”“是正措置”というように、未だ行っていない事前の対応も含まれる。これは中国語でも変わらない。
どこの国の政府発表でもよく見られる、事実をごまかすための曖昧表現だと思う。

分かりやすく意訳すると・・・

中国海監の海洋監視船が、日本の海上保安庁の巡視船を領海から "追い払うための対応"を実施した。  ( `ハ´)キリッ (・・・でも失敗して、また追い払われてしまったので、ごまかして発表してみた)」

と、なる。(笑)

201211jcg001
21CN.COMより)


国家海洋局が「駆逐措置を実施した」とだけ発表しても、あまり注目されないかもしれない。その表現を弱腰と指摘する記事が出てくると、ちょっと困る。そこで、(前の記事で検証した)それっぽい写真をリークすることで、報道と世論を盛り上げようとしたのではないだろうか。

すぐに反論されるような発表を、今の時期に、国家海洋局が発表した背景には、目前に迫った十八大(中国共産党第18回全国代表大会)があると思う。
胡錦濤と習近平の対立や、次期政権人事、団派と太子党、上海閥や人民軍など、党内対立が激しいというニュースは、日本でも多く報道されている。国土資源部・国家海洋局は、“科学的発展観”を提唱する胡錦濤(参照)を後押しし、権益の維持と組織防衛をしているのだろうか。


尖閣問題の状況が変わり中国にとって好転したと大きく報道させることで、中国海監の活動と成果をアピールするとともに、胡錦濤体制の大きな成果のひとつとして引退後の影響力を維持するための、"措置"のひとつかもしれない。

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南シナ海では、中国海監の海洋監視船がフィリピンやベトナムの公務船を「駆逐」したと、中国メディアで報道されてきた。(フィリピンやベトナムの報道はチェック仕切れなかった・・・)

一例:外国公务船与中国海监船南海对峙(全文)(動画)(网易新闻中心|2012/7/23)

外国公务船(公務船)とは、日本のニュースで「公船」と表現される艦船。
国連海洋法条約や各国の法令では「国が所有し又は運航する船舶で政府の非商業的役務にのみ使用される」と書かれる。海保の巡視船、中国海監の海洋監視船や漁政局の漁業監視船、各国の沿岸警備隊船舶や科学調査船、等々が、この政府公船。軍艦は別定義。
不可侵性が認められているので、漁船など民間船に対する管轄権の行使とは違う対応が求められる。

中国海監は、法執行を行うときに、国連海洋法条約と中華人民共和国の法律に基づいて法執行を行っている事を強調している。これは尖閣諸島海域についての、国家海洋局の発表や外交部報道官の記者会見でも同様。

海監の監視船は、"原則的には"、国連海洋法条約など国際法と中国の国内法("中华人民共和国领海及毗连区法" など)をもとにして管轄権を行使している。
必ずしも無法な行動をしているわけではないが、国際法の拡大解釈をしたり、沿岸国や相手の船の旗国の国内法を軽視する傾向がある。
たとえば、2009年の米国海軍の音響測定艦「インペッカブル」(USNS Impeccable)に対する漁業局の漁業監視船による妨害行為(参照)では、漁業監視船5隻が「インカッペブル」の周囲を囲んだり、航路上に材木を投棄するなどの妨害をしている。

尖閣諸島。日本の領土であり、国際的に見ても日本が実効支配をしている尖閣諸島の海域では、中国は、各国の実効支配地域が入り乱れている南シナ海での対応と違って、比較的に法律に則った対応をすると思っている(個人的な楽観論)。
世界に対して、中国が法治国家であり、欧米のセンスに沿った"法に基づいた正当な対応"をしている事をアピールしなければならない。

外国の公船を追い出す「駆逐」行動には、無線やスピーカー、手旗信号や電光掲示板による、多国語での退去命令も含まれるかもしれない。

201211ccg001

2012年3月に、「海监50」が尖閣諸島の接続海域に侵入した時に電光掲示板を使って、海保の巡視船に警告を行っている(参照:cn)ので、その時は、厳密には駆逐措置ではなかった。
当時との違いは、尖閣諸島の島嶼から12海里の日本の領海を、中国が自国領海だと積極的に主張し活動しているところにある。

10月はじめの、台湾の漁船40隻と台湾海巡署の巡視艦による魚釣島領海への侵入事件では、海上保安庁の巡視船による漁船に対する放水の実力行使が行われた。

国際法では基本的には、他国の公船に対する、放水や航路妨害などの直接的な実力行使は禁じられている。
「放水合戦をしていたじゃない?」と思われるだろうが、海保の巡視船は、台湾海巡の巡視艦に対しては放水口を向けないよう気を付けていた(参考写真)。領海内での外国船による放水・攻撃に対して、個別的自衛権を行使する事が出来るはずだが、制限する命令でも出ていたのかもしれない。

尖閣諸島海域では、海保や海監の船の間で、放水による実力行使が行われたという発表や報道はない。
漁船がいない状況で、お互いに、国際法違法を行ったとみられる行動を避けていると思われる。

さらには、
相手の船に接近して、至近距離で併走して幅寄せするなどプレッシャーをかけて、相手の船が減速や停船、進路変更をするように、うながすだろう(苦笑)
意図的に接触・衝突して、他国の公船に対して直接的損害を与える行為は、国際法に違反する行為だ。


尖閣諸島海域では今のところ、手を使って押したり殴ったらダメだけど、腕組みをして“おしくらまんじゅう”の要領でプレッシャーかけるのはグレイゾーンという感じの状態。

それを1000トン、3000トンの巡視船・監視船でやっているのだから、現場の隊員の苦労・気苦労は想像以上だろう。

ご苦労さまです。



メモ
なんかまた、深読みしているような(苦笑)

人民解放軍が関わる宇宙開発に対して、国土資源部・国家海洋局の海洋資源・科学技術開発。そこに尖閣問題をもとにして人民解放軍・海軍が絡むのを嫌がってるとか、さらに深読みしたかったけど尺不足(苦笑)

次は、漁船と漁政船がくるかもしれない。


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2012年11月 1日 (木)

【尖閣】中国国家海洋局(中国海監)が「日本船を駆逐」と主張 (写真)

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「日本船を駆逐」と主張、中国国家海洋局 - MSN産経ニュース

中国国家海洋局は30日、中国の海洋監視船の船隊が同日に沖縄県・尖閣諸島(中国名・釣魚島)領海で活動していた日本側船舶を駆逐する措置を取ったと発表した。日本側船舶は海上保安庁の巡視船を指すとみられる。


中国海監(中国の沿岸警備隊の1)が所属する国家海洋局の発表を、中国メディア各社が報道した。

発表での表現は「駆逐措置を実施した」だが、報道では、例によってインパクトがあって分かりやすい「驱离日船」「驱离日本船」(日本船を駆逐)というタイトルにしている。
そしてそれを日本メディアがそのまま報道・・・という、いつものパターン。

実際は、海監の監視船が日本の領海から追い出されたわけだが、中国はどう日本船を"駆逐"したのだろう?



元は、国家海洋局の10月30日の発表。

中国海监编队10月30日在我钓鱼岛领海内驱离日方船只

北京时间10月30日上午10时许,中国海监50、15、26、27船编队在我钓鱼岛领海内进行例行维权巡航,并对进入我领海非法活动的日方船只进行监视取证,同时严正声明我国主权立场,并对日船实施了驱离措施。

北京時間10月30日午前10時、中国海監50、15、26、27の(海洋監視船)船隊は 我が釣魚島領海内にあり、定例の権利維持のための航行を行った。我が領海に侵入し非合法活動をしている日本船(海保の巡視船だろう)を監視するとともに、我が国の主権を厳しく表明し、日本船に駆逐措置を実施した。
(カッコ内は管理人による補足)

この発表に関係していると思われる写真が、10月30日から中国ネットで流れていた。

201211jcg001
21CN.COMより)

海上保安庁の1000㌧級巡視船「PL67 あまぎ」に中国海監の海洋監視船が異常接近している。写真は2枚。記事では、監視船は「海监50」(3000㌧級)であり、「衝突」「肉薄」と書かれている。
写真の真偽は不明。海監の監視船から撮影され内部流出した写真とあるが、意図的にリークされたと見るべきかもしれない。

中国海监编队驱离日船 揭秘网传“撞日舰”(图)(21CN.COM|10/31)
(中国海監船隊が日本船を駆逐 ネットで流れている"日本艦に衝突"写真)

("撞"は、"衝突、ぶつかる、ぶつける"、という意味。)

201211jcg002
21CN.COMより)

2隻の間にあがっている黒い煙が、見る者の注意をひく。

この黒煙が「衝突した」と感じさせるが、 "はてるま型"巡視船「PL67 あまぎ」は、排気口が船体後部の舷側にあるので、エンジンを吹かした結果の排煙だろう。
こちらのブログ記事の「あまぎ」の写真が分かりやすい。

2隻の間で接触があったかは不明だが、今のところ、そのような報道と証拠写真は見かけていない。

1枚目の写真よりも2枚目の方が「PL67 あまぎ」が大きく写っている。
この「海监50」の船首のポールとウィンチと手すりの重なり具合をよく見てみると、同じ位置から撮影しているので(固定カメラ?)、ズームをしたか、撮影画像をトリミングしたものだと考えられる。

1枚目よりも2枚目の写真で相手の船を大きく見せることで、実際よりも、「衝突寸前!」という緊迫した視覚効果を狙ったものだと感じられた。



この「駆逐措置」と海監の監視船の巡航の常態化について、中国外交部の洪磊報道官は10月31日の定例記者会見で、こう回答している。

『日方应正视钓鱼岛形势已经发生根本性变化的现实。
(日本は、状況が根本的な変化を遂げているという釣魚島の現実を直視する必要がある。)』

2012年10月31日外交部发言人洪磊主持例行记者会(中华人民共和国外交部|10/31)

海監の監視船は、尖閣の日本の領海内に侵入して以来、これまでにない攻撃的な行動をとってきている。
日本の総選挙が近くなってきたので、ちょうど海保の巡視船に衝突間際まで近寄ってきたように、野田政権にプレッシャーをかけてきているのだろう。


(追加記事:2012/11/03:【尖閣】中国海監の行動 「駆逐」と「駆逐措置」 南シナ海の例から


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一応、この写真が本物か捏造かは真偽不明とも書いておく。

この写真と一緒に、海保の巡視船が船尾を損傷していると称する写真を載せた記事が、中国のあちこちの軍事系ニュースサイトで転載されている。

201211jcg003
观察日舰尾部被我舰撞击的裂痕
(日本の巡視船の船尾に、我が方の船の激突による裂け目が見える)

撞上了!中国海监奉命撞击狗日保安船(军华网|10/30)

この遠景写真に写っている海保の巡視船は「PL61 はてるま」。
9月中旬と書かれているフォーラムの書き込みに掲載されていたので、反日デモ・暴動が激しい時に作られた加工写真の可能性が高いと考えている。はてるまの排気口近くの汚れを勘違いしたのかもしれない。

巡視船の艦番が「PL61」と「PL67」で似ているから混同したか、わざと誤読させるように撮影時期を無視して、連続写真のように載せたと考えられる。
要するに、国内向けの煽り記事。
(懺悔:最初、釣られました・・・orz)



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メモ
釣られて悔しいので、まとめてみた(苦笑)



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