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2012年12月18日 (火)

【尖閣】最大の漁業監視船「漁政206」の"漂泊"と"孫子の兵法"|中国メディアの記事

201212kaikan401
中新网より)

尖閣諸島周辺では、中国海監が3000㌧級の海洋監視船 "海監50"、"海監110"、"海監111"、漁政局が5000㌧級の漁業監視船"漁政206"と、大型船ばかりを並べてきた。

その漁業監視船"漁政206"、16日の衆院選挙での自民党圧勝のニュースで流されてしまい、大して話題にならなかったが、動力停止して漂流したまま領海に侵入したというニュースがあった。

日称中国“渔政206”船“漂进”钓鱼岛12海里(环球网|12/16)
(日本メディアによると、中国の"漁政206"船が"漂流"して魚釣島12海里に入った)

中国では、環球網(环球网)が記事にし、いくつかのメディアが転載。人民網や新華網など大手はほとんど転載していない。単純転載記事の他は、いまのところ環球時報などゴシップ色の強いメディアだけよのようだ。

政府にとって都合の悪いニュースは報道しないか、薄めて歪めるというよくある対応だろう。(中国に限った話ではない)


元は、共同通信社が配信した記事。

第11管区海上保安本部(那覇)によると、領海侵入したのは「漁政206」。16日朝、久場島の領海外側の接続水域を漂泊していたが、潮に流されるようにして領海に入り、約50分後に領海から出た。

尖閣領海内に一時中国船(沖縄タイムス|2012年12月16日)
(赤字強調は管理人による)。

故障なのか、それとも機関を一時停止していただけなのか・・・、中国情報サイトのサーチナは「尖閣近海で漂泊…中国最新・最大の漁政船、動力喪失か」とやや突っ込んだ表現をしている。


さらに突っ込んだ記事を書いているのが、中国南部の金融経済誌 "股城網(gucheng)"。

中渔政船漂进钓鱼岛?为何会飘进?值班人员睡着?(股城网|12/17 14:36:34)
(中国漁政船が钓鱼岛で漂流?なぜ漂流した?当直船員が寝てたのか?)

この記事が使っているのが、今の5000㌧級の"渔政206"船(冒頭の写真)ではなく、退役した?小さな"漁政206"の写真(次の写真)なあたり、信頼性はアレな記事と感じられる。
(お奨め記事や記事下のサムネイル画像からどういうメディアかイメージ出来ると思う。)

中国網民(ネットユーザー)の「当直が寝てたんじゃね?」というバカにしたコメントなどを載せている。

201212kaikan402
中国评论新闻より)

ところが、苦情でも来たのだろうか・・・、3時間後に、執筆者を変えて、いや違う!「"漂流"は策略である!」という記事を出してきた。

中渔政船漂进钓鱼岛难道这是一种策略 进入的方式很耐人寻味(股城网|17:19:07)
(中国公船が钓鱼岛で漂流したのは一種の策略である。非常に興味深い侵入方法だ)

エンジン修理や燃料の節約といった簡単な理由ではなく、"漂流"には"深い意味"がある、"漂流"を装うことによってチャンスを見つけて座礁させようとしている、のだそうだ。
そうすれば人道的対応と理由をつけて、対外的にも大手を振って、救援船を派遣させ上陸出来るだろうと書いている。
さらに次の記事では、13日の海監航空機の領空侵犯も含めて、中国の戦略は敵を疲労させる<孫子の兵法>に則ったものである、と繋げている。

執筆者の分析では、同じような中国の監視船の"漂泊"行動は今後も継続されるとのこと。


いやいや(笑)
今後も引き続き"漂流"するかもとか、漁業局と渔政206船の真意は分からないが・・・、1998年進水だけど一応は「最新鋭」と喧伝した渔政船で、5800㌧の「最大」の漁業監視船でしょう?

漁船が座礁偽装というならともかく、そんなみっともない姿を見せるかなあ?
孫子曰く「兵は詭道なり(兵者诡道也)」。
予行演習してたら台無しじゃないだろうか(笑)


それにしても、股城网(gucheng)といい证券之星(stockstar)といい、ファイナンス系のネット新聞は、尖閣問題に限らず、煽る方向に走っているような気がする。
雑多な報道がある中国、いろいろと楽しませてくれます。

・・・
このネタはあまり話題にならなかったようだが、これまでに「大ブレイク」した記事もある。

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今年10月末に、「海監の船員募集に応募者ゼロ、海保は過去最高応募者。」という報道があった。
(参照:中国、海監船の乗務員募集に応募者なし(イザ!|10/31))

この報道の後、参照記事が大量に作られたので、目にされた方も多いことだろう。

中国でも大騒ぎで、新聞やテレビで多くの検証報道が出て、人民網や新華網など政府系メディアはそれを打ち消すための報道をする羽目となっていた。
(例:中国海洋局:応募者7400人以上が海洋監視隊人材募集を争奪(中国網日本語版|11/6))


元は、北京のタブロイド新聞 "新京報"の、国考(公務員試験)の競争倍率ベスト10・応募者0の組織ワースト10という記事。(*1)
それを日本経済新聞が吸い上げて、中国海監だけ抜き出して海上保安庁と比較した記事にするという快挙!
さらにFNNがテレビ報道(リンク切れ)したことで、日中両国で仲良く大ブレイクした(笑)


日本のマスコミ各社の記者さんたちにはぜひ、新華社通信や人民日報、環球時報のような中国の官製メディアのニュースをただ伝えるだけでなく、色々な中国メディアの興味深い記事、意見、解釈などを紹介してほしいものだ。

退屈なテンプレート記事よりも、閲覧者数と参照数が格段に増えることだろう。

(*1)新京報は、南方報の新聞と同じように、独自取材や(比較的に)自由な報道姿勢の中国メディア。おすすめ。

めも
南海区渔政局に、世界最大の15000㌧級 "漁政88"があるという。元は海軍の輸送艦 "888 抚仙湖"(撫仙湖)号。
報道ではなぜか、漁政206も「最大」と書かれる。


(追記:公開当日深夜| 尖閣の記事は基本"である調"で書いているのに、何で、ですます調で書いたんだろ??? である調に書き換えました)




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