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2012年12月29日 (土)

【尖閣】国家海洋局の航空機"Y12"の飛行コース(2/2)|軍事を煽る政府系中国メディア

尖閣激突  日本の領土は絶対に守る尖閣激突 日本の領土は絶対に守る
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尖閣諸島の日本領海や接続水域への、中国の監視船の侵入が常態化しつつある。
12月13日には、国家海洋局 中国海監のY12型プロペラ機が領空侵犯をした。22日以降も中国機は日本の防空識別圏を越え、尖閣諸島まで100~120kmの距離に近づいてきた。

中国機の13日の領空侵犯と、22日の飛行コースについて、中国の政府系メディア「環球網」が地図を載せていた。
意図しているところがミエミエだったので、少し紹介してみたい。


前の記事:【尖閣】国家海洋局・中国海監の航空機"Y12"の飛行コース(22日・24日・25日)(1/2): メモノメモ(12/26)



201212kaikan701
环球网(12/24)より)
(大きい画像にリンクしています)

下の赤い矢印は13日の"予想"飛行ルート、上のオレンジ色の矢印は22日の"編集"飛行ルート。

「環球時報」の社説「社评:日本若致中方飞机坠落,必遭对等报复(社説:日本がもし中国の航空機を撃墜したなら、報復攻撃に遭うだろう)(环球网|12/24)」の関連記事。
空中戦になったら自衛隊機を撃墜するだろうと言っている。

この地図を、防衛省が発表した、22日、24日と25日の飛行ルートを重ねてみると、環球網の地図の飛行ルートは大きく食い違っていることが分かる。

201212kaikan702
(大きい画像にリンクしています)

海岸線を基準として重ね合わせた。(詳しくは前の記事を参照)
薄くなっていて少し分かりにくいが、少し北にある、重なった3本の矢印が防衛省発表の飛行ルート。

13日の"B-3837"機は、政府系メディアの人民日報ほか多くの中国紙が「浙江省の舟山基地から離陸」(地図上の黒い矢印)と書いているのに、ガッツリ無視して福建省福州から離陸したことにしている。
福州には、人民解放軍・南京軍区空軍の司令部があるので、福州空軍基地から離陸したと言いたいのだろう。


22日の"B-3806"機の飛行ルートは、恐らく読売新聞の記事の地図などを元にしたのだろう(中国紙にも転載されている)。
それっぽくジグザグさせているが、こちらも福建省から離陸させている。
さすがに13日と同じ飛行場から離陸はさせられなかったようだ。作図に苦労が感じられる(笑)。

その地域には、中国空軍が新たに建設しほぼ完成したと言われる"水門空軍基地"(水门空军基地)がある。
参考:台湾対岸、福建水門に新軍事基地 国防部:把握済み(中央社日文新聞|2012/5/27)

水门空軍基地は、尖閣諸島まで約380km、東シナ海ガス田まで約200km、台湾の台北市まで246km(参照:cn)。東シナ海を広くカバーする。
2011年後半には、J-10(殲-10, 歼-10)型戦闘機10機が確認された。


領空侵犯したのは、非武装の、国家海洋局所属の"Y12"プロペラ機じゃなかったっけ?
空軍基地から離陸とか、軍を絡めたら逆効果じゃ?(笑)


単に中国人が軍事ネタ好きなのかもしれないが、なにかと軍事方向に盛り上げようとしている。

日本の大手メディアの、軍事行動をイメージさせる中国紙の紹介記事を、ちゃんと読んで、ソースを調べてみると、元ネタが「環球時報」である事はけっこう多い。(*1)

そういう報道を読んで憤る人も多く、それをまた中国紙が「日本は右傾化が進んでいる」と書くわけだが、いったい誰が煽って誰が盛り上げているのやら・・・
マッチポンプとは言わないが、日中両国のマスメディアがお互いにレイズしあっているようにも感じられてくる。


(*1)中には、中国語本紙では元ネタが「环球时报(環球時報)」と書かれているのに、その日本語版では字数の関係か削られている場合もある。

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「環球時報」は政府系メディアと紹介され、特に大衆向けの愛国的な記事が多い。

そこんとこ、ブログ「政治学に関係するものらしきもの」さんは愛国者御用達と、環球時報の多くの記事の紹介をされている。(とても面白いので、ご一読をお奨めします)

中国紙『環球時報』は日本に対して批判的か?:政治学に関係するものらしきもの

この中で毎日新聞の記事「対日強硬論目立つ『環球時報』の編集」(5/26)を引用している。

「環球時報」の過激な主張の一部を引用して伝え続けることで、「強硬な中国」像が一層強調され、日本での反中国感情が強まる引き金になる恐れもある。

この意見に大いに同感。(毎日新聞の記事は未読)
現在もその傾向は変わらず、尖閣絡みの緊張感が高まるにつれてやや拡大していると感じる。


ただ・・・、
中国国内の社会状況が不安定化すると、反日ムードを盛り上げてガス抜きするのはいつものやり方だけど・・・、むしろ今は、中国は「落とし所」を模索しているんじゃないだろうか。
日本による尖閣国有化の後の対応、特にあの「反日暴動」を起こしたところで、中国は対応を間違えたのんじゃないだろうか?


極端な軍事強硬論を多く展開し、最悪の事態を想像させることで危機感が高まる。国内のガス抜きにもなるだろう。
軍事衝突は避けるが、万が一の時は「全て日本の責任」だと言っている。

一方で、その強硬論に比べれば、中国外交部の日本への打診が比較的に理性的で妥当なものだと、誘導しようとしていると感じられる。

防衛省のシンクタンク、防衛研究所がまとめた「中国安全保障レポート2012」では、中国外交部や海防を受け持つ中国海監や渔政、中国軍との連携が進展していると分析している。尖閣問題で、政府系メディアの記事の方向性(細かい部分はともかく)をコントロールしていても不思議はない。

中国外交部の華春瑩(华春莹)報道官は12月26日の定例記者会見で、尖閣諸島問題に関するいつもの中国政府の主張を述べた後、最後にこう締めくくっている。これがホンネではないだろうか。

中国側は、対話と交渉を通じて隣国との領土紛争問題を解決することも主張している。日本側が誠意をみせ、中国側と共に努力し、対話と交渉を通じて問題を適切に解決し、関連問題をコントロールするために現実的な努力を払うことが当面の急務だ。
12月26日中国外交部華春瑩報道官の定例記者会見のうち,日本関係の問答(中華人民共和国駐日本国大使館|12/27)

ーーーーーーーー
我们也一贯主张通过对话和谈判解决与邻国的领土争端。当务之急是日方拿出诚意,与中方共同努力,为通过对话和谈判妥善解决和管控好有关问题做出切实努力。
2012年12月26日外交部发言人华春莹主持例行记者会(中华人民共和国外交部|12/26)

「日本側が誠意をみせ、」と、まず言うところが相変わらずだなあ(笑)

中国が考えるとりあえずの落としどころは、いわゆる「棚上げ論」から一歩踏み込んだところでの、「領土問題としてテーブルに載せて」「日中共同管理」と思われる。
東シナ海ガス田での成功事例を踏まえ、ゆくゆくは南シナ海での成功例のように拡大しようとするのではないだろうか。

カーター元米国大統領が行った、12月中旬の中国 海南市での「三亜財政経済国際フォーラム」の基調講演(参照)でも日中共同管理に触れており、裏付けや権威付けの意図があると感じられる。

軍事衝突は嫌だ。
しかし、中国の提案との二者択一ではない。
中国側が自分に都合良く考えて言っていることなので、日本がどうするかは別問題。

少なくとも中国政府は、"何をするか分からなかった"野田政権に比べると、安倍政権は、外交交渉の相手としてまだ信頼できると思っているようだ。


『安酒はほんの数杯で人を酔っ払わせ、頭に血を上らせる。』参照

中国メディアに煽られるまま、日本国内で軍事行動を望むような世論の圧力が増していくと、それは中国に有利な状況となると思う。

残念な結果にならないよう、穏やかな新年を祈りたい。


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