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2013年1月17日 (木)

日本メディアの「中国機に警告射撃」"誤報"の波紋、時系列での簡単なまとめ(1/9〜1/17)

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安部総理が領空侵犯した中国機への「警告射撃」の検討を指示したとか、小野寺防衛相が「信号弾で警告」すると記者の質問に答えたといった、日本メディアの度重なる "誤報" が、日中両国の緊張感をきな臭い方向に高めている。

1月15日付け朝日新聞の"誤報"が、小野寺五典防衛大臣の発言を大きく曲解し誤読させるものだったことから、日本国内でも批判が出ている。その前に、1月9日付けの産経新聞の"誤報"があった事も、波紋を広げる原因となっている。

中国の軍事専門家や軍関係者の強硬発言の中には、15日の朝日の誤報より前のものがある。
しかし16日以降に中国メディア日本語版の翻訳記事が出たり、1〜2日遅れでYahooやgooなどで転載記事が出てきたり、様々な関連記事・まとめ記事が出てくることで、前後関係がごちゃごちゃになり、いつの発言か確認せずに拡散している人もいるようだ。
これは、震災後のデマ拡散・再発のパターンと似ている。

簡単に、時系列でまとめてみよう。


というのも、人民日報ネット版の人民網で16日に「朝日新聞の記事は”誤報”である」と、名指しした検証記事が発表された。

日本防卫相从未表态将对中国飞机警告射击 日媒相关报道系误传
(日本の防衛相は、中国機に警告射撃するとは表明していない。日本メディアの報道は誤報)
(人民网|01月16日17:00)

これによって、中国政府筋の公式見解として「朝日新聞の記事は誤報」となったとみなすことが出来るだろう。日本は軍事的にエスカレートする事を望まない、とも書かれている。

これから先、中国政府や軍関係者の論客がどう発言するか、ちゃんと分けて考えなければならない。



日本メディアの記事やネット上まとめサイト等で、「警告射撃」に絡めてよく持ち出される発言のうち、
尹卓少将の「目には目を歯には歯をで、実弾で反撃」発言は9日の産経新聞"誤報"直後で、日本政府が公式に否定する前のもの、
彭光謙少将の「一発でも撃てば、それは開戦の一発」「日本が曳光弾を発射すれば開戦だ」と言ったのは、15日の朝日新聞"誤報"の前の、14日の座談会での発言。

尹少将の「実弾で反撃」発言は、公式に否定される前の、一番ヒートアップしている時の発言ということは、頭の片隅くらいで気に留めておいても損はないだろう。
彭少将の発言について、防衛省幹部は「陸軍出身のため警告射撃の実態を知らないのではないか」と指摘している。(参照


その彭少将・・・、
人民網の"誤報"認定報道の後、17日付けの環球時報への寄稿で一連の「警告射撃」"誤報"について書いていました。
彭光谦:日本,请别用谣言来壮胆(环球时报|01/17 02:37)

タイトルは、「日本よ、デマを使って気を大きくしないでほしい」と訳していいのかな・・・? (´ ・ω・`)

"请" から始まっていて、ちょっと吃驚。

"请" は依頼表現で、"頼む、お願いする"時に使われる。つまり、"Please, ..."
日本人のいくつかの悪い性根(日本某些人的劣根性)を味わおう、とか強がって書いてはいますが、一転して、淡々と書いているように感じられます。


当ブログの関連記事:
中国軍機への「警告射撃を検討」"誤報"/日本政府は報道を否定。右往左往する中国。
(9日付けの産経新聞「中国軍機への警告射撃を検討」"誤報"について)

「中国機への"警告射撃"、日本政府がはっきり態度表明」と中国紙が報道(1/2)
少し迂闊だった防衛相の記者会見|「中国機への"警告射撃"...(2/2)
【メモ】昨日の環球網の記事、日本メディアの記事のスナップショット画像も変わっていた。
「中国機に警告射撃」報道|防衛大臣に質問した香港の記者が「報道は事実ではない」と注意促す

他の方々も検証されています。

防衛相「信号弾で警告」 発言の事実なし(GoHoo・日本報道検証機構)
朝日新聞が小野寺防衛大臣の発言を捏造、「信号射撃で警告」の事実無し(週刊オブイェクト)
日本防衛相が中国機への発砲を許可?!中国マスコミ騒然の朝日新聞による“誤報”について (KINBRICKS NOW)


以下、時系列での、関連記事リンクと簡単な説明に続きます。
長いので、詳しく知りたい人向け。

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● 1月9日 

産経新聞の報道(01/09 06:55)
"誤報"は、記事中の、安部総理が「警告射撃を検討」指示の部分だけだと感じられる。

【尖閣国有化】中国軍機、相次ぎ領空接近 空自の警告射撃検討(MSN産経|2013.1.9 06:55)


環球網の報道(多分、中国メディアでの第一報)(01/09 08:25)(北京時間(以下の中国メディア記事も同じ)

日军机或对巡航钓鱼岛中国飞机“警告射击”(日本軍は钓鱼岛パトロールの中国機に対し、"警告射撃"をするかもしれない)(环球网|1/9 08:25)

(*)環球網は、人民日報系の国際紙”環球時報”のネット版。煽り記事愛国的な傾向が特に強い記事が多いことで、日中両国で悪名高い知られる。


中国メディアで関連報道が増え、緊張感が高まる。

尖閣空域で自衛隊機「警告射撃も」…中国人「反撃だ」(サーチナ|01/09)
中国の領空侵犯機に警告射撃を検討、「これは挑発」「断固応戦せよ」との反感招く―中国メディア(レコードチャイナ|01/09)
日本は本当に警告射撃をするつもりか?=中国機による尖閣の領空侵犯で―13億人のアンケート(レコードチャイナ|01/10)(1月9日から10日正午までの集計結果)

これらの報道を受けて、日本のネットでも緊張感ある書き込みが増える。
以下、中国の強硬な意見が伝わるたびに、同じようにヒートアップした書き込みが増える。



中国外交部の洪磊報道官は9日の定例記者会見で、「警告射撃」報道についての質問に対して、警戒感を示す回答をする

2013年1月9日外交部发言人洪磊主持例行记者会(中华人民共和国外交部|01/09)
釣魚島海域・空域での日本のエスカレートする行動に強く警戒(人民網日本語版)


● 1月10日

中国の軍事専門家の尹卓少将が、「目には目を歯には歯をで、実弾で反撃」と発言。
尹卓少将は、中国の軍事専門家、海軍情報化専門家委員会主任。対日強硬派として知られる。

尹卓:日若警告射击 中国必以牙还牙实弹回击(尹卓:もし日本が警告射撃をしたなら 中国は歯には歯をで実弾で反撃しなければならない)(人民网|01月10日08:35)
日本の警告射撃、中国は実弾で対処=中国専門家(中国網日本語版)


10日午前、日本政府が公式に否定

菅義偉 内閣官房長官が、10日午前の定例記者会見で、産経新聞の「警告射撃」報道を否定。
平成25年1月10日(木)午前 | 平成25年 | 官房長官記者会見(首相官邸ホームページ|01/10)
動画の11分50秒くらいから。

該当部分のテキスト書き起こし。(参照


中国人民解放軍国防大学の張召忠教授は、報道内容を疑問視。
日方否认将对中国巡航钓鱼岛飞机警告射击(中国广播网|01/10 13:47)
産経新聞の「警告射撃」報道 中国専門家が疑問視(中国網日本語)

張召忠(张召忠)教授は、CCTVの番組にも出ている。

この記事は13時37分のものだが、かなり早い時間帯から疑問を呈するような記事が出てきていた。(参照


中国軍機が10数機が防空識別圏を越えた(参照:日テレNEWS24)とか、中国国防部関係者が、自衛隊機に対して中国軍機2機がスクランブル発進をしたと言った(参照:cn 新京报网)とか、関連報道で、さらに緊張感が高まっていた。

9日午後から10日にかけて、一番ヒートアップしていたと感じます。


日本政府が公式に否定して、徐々に沈静化していったと思ったのですが・・・

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● 1月14日

中国新聞網(中新网)の座談会《新闻大家谈》で、彭光謙少将は「日本が曳光(えいこう)弾を1発でも撃てば、それは開戦の一発を意味する。中国はただちに反撃し2発目を撃たせない」と発言。
彭光謙(彭光谦)少将は、中国人民解放軍・陸軍出身。対日強硬派として知られる。

彭光谦:日方若发射曳光弹就是“打响第一枪”(人民网|01月14日15:14)

この発言についての日本語の記事は、翌15日から出てくる。
このため、これら日本語記事のタイムスタンプを根拠に、15日付けの朝日新聞の"誤報"をうけて、15日や16日に発言したと勘違いをする書き込みも多々見かける。

日本が曳光弾でも1発撃てば中国は遠慮なく反撃=解放軍少将(サーチナ| 01/15 17:22)
<尖閣問題>日本の警告射撃検討に猛反発、「曳光弾を撃てば開戦、中国は遠慮なく反撃」―解放軍少将(レコードチャイナ|01/16)
中国軍少将 「日本が曳光弾を発射すれば開戦だ」と反撃を明言(MSN産経ニュース|01/16)

菅官房長官が16日午後の記者会見で、この発言に関する記者の質問に答えている。(後述)


● 1月15日

小野寺五典防衛大臣の記者会見

防衛省・自衛隊:大臣会見概要 平成25年1月15日(11時10分~11時21分)

Q:つまり、中国の飛行機が日本のいわゆる領空に入ってきた場合、この警告射撃ということは、ありうるということでしょうか。

A:どこの国も、それぞれ自国の領空に他国の航空機が入って来て、さまざまな警告をした中でも退去しない、領空侵犯を行った場合、これはそれぞれの国がそれぞれの対応を取っておりますし、我が国としても、国際的な基準に合わせて間違いのない対応を備えていると思っています。


朝日新聞の15日の"誤報"

領空侵犯に信号射撃 対中国で防衛相方針(朝日新聞|1/15 xx:xx)

(注)ネット上で公開されている記事は、15日夜〜16日午前までに差し替えられた記事(同一URL)です。
中国メディアに参照された最初の記事のタイトルは「防衛相「領空侵犯、信号弾で警告」 中国メディア質問に」で、タイムスタンプは12時57分。
当ブログの15日夜(午前0時半に投稿)の記事やスナップショット画像、検証サイトの記事などでご確認ください。

「中国機への"警告射撃"、日本政府がはっきり態度表明」と中国紙が報道(1/2): メモノメモ
防衛相「信号弾で警告」 発言の事実なし | GoHoo(日本報道検証機構(NGO))

朝日新聞・中国語版も書き換えられていたそうだ。

日本防衛相が「中国機に信号弾を撃つ」と発言?!朝日新聞中国語版の誤訳が噴飯ものの件について(KINBRICKS NOW|01/17)


環球網の報道(中国メディアでの第一報)(01/15 13:59)

日媒:日防相表态将对中国飞机进行警告射击_军事_环球网(日本政府は、中国の航空機に対して警告射撃を行うと、はじめて明確に態度表明をした)(环球网|01/15 13:59)

(注)16日昼までに、この記事で参照されていた朝日新聞の記事のスナップショット画像が、差し替えられた後の記事のSS画像に切り替えられていた。
【メモ】昨日の環球網の記事、日本メディアの記事のスナップショット画像も変わっていた。 : メモノメモ

後に、人民日報が朝日新聞の"誤報"を伝える報道をしている。その記事で使われているスナップショット画像と、整合性をもたせたのではないだろうか。



中国外交部の洪磊報道官の15日の定例記者会見では、この報道内容について特に触れられていないようだ。関連記事なし。



15日に、人民解放軍機関紙の解放軍報の記事を参照して、「2013年の『軍事訓練に関する指示』」の中で「戦争の準備」をせよ、と強い表現を使っていると報道された。
「戦争の準備をせよ」対日想定…中国軍指導部が全軍に指示(MSN産経|01/15)

『軍事訓練に関する指示』(2013年全军军事训练指示)は、人民解放軍総参謀部が毎年年初に発表している。
2012年に比べると2013年の『訓練指示』には、「打仗(戦争をする)」という単語が多く見られる。
参照:
解放军总参谋部向全军发布2012年军事训练指示(中国政府网|2012年01月11日)
总参部署2013年军事训练工作 加强实战化军事训练(中国政府网|2013年01月14日)

この『訓練指示』が一連の「警告射撃」"誤報"の後に作られたわけはない。たまたま発表のタイミングが「警告射撃」" 誤報"と合ってしまっただけだろう。
しかし、日中両国の報道記事には影響を与え、強硬な表現の記事を誘発してしまったと思われる。


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● 1月16日

米、自衛隊の中国機対応「警告射撃自制を」(日本経済新聞|01/16)

1月上旬に、日本政府高官とオバマ政権高官との会談で伝えられた、という報道。
9日付けの産経新聞の"誤報"の後に語られたものだろう。



小野寺防衛大臣に質問をした香港メディアの記者、鳳凰衛視(フェニックステレビ)の李淼記者が、微博(中国版ツイッター)で、質問をしたのが自分であることと、朝日新聞の記事が間違いが多いこと、外国メディアの記事を盲目的に信じないよう注意を促している。
凤凰李淼的微博 新浪微博

「中国機に警告射撃」報道|防衛大臣に質問した香港の記者が「報道は事実ではない」と注意促す: メモノメモ



人民日報が、朝日新聞の記事を"誤報"と認定。

日本防卫相从未表态将对中国飞机警告射击 日媒相关报道系误传(人民网|01/16 17:00)
李淼記者に確認をし、他の日本メディアの報道も参照した上で、「朝日新聞の記事が"誤報"である」と名指しで検証報道。日本政府は軍事的にエスカレートすることを望んでいないと伝える。



菅義偉官房長官は16日午後の定例記者会見で、14日の彭光謙少将の発言について記者の質問に答えている。

平成25年1月16日(水)午後 | 平成25年 | 官房長官記者会見(首相官邸ホームページ)
動画の3分07秒あたりから。

菅官房長官はまず
 「そうした報道があったことは承知はしていますけれども、他国の報道にいちいちコメントすることは差し引かさせていただきたい」
と前置きをした上で、領空侵犯機への対処についてのみ慎重に言葉を選んで回答している。


中国軍将校の「反撃」発言に反論 菅長官「国際基準で厳正措置」(MSN産経|01/16)
自衛隊幹部らは彭氏の発言について「軍事専門家の発言とは思えない」と口をそろえる。「彭氏は陸軍出身のため、警告射撃の実態を知らないのではないか」と指摘している。


● 1月17日

彭光謙少将が、環球時報に寄稿。(01/17 02:37)
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さらになにか出てくるかもしれませんが、いまはここまでで・・・




メモ

日本マスコミから、検証報道記事は出てくるのだろうか・・・? (´ ・ω・`)

ーー(追記:2013/01/26)ーーーーーー
産経新聞が[矢板明夫の中国ネットウオッチ]で、まとめた記事を出しました。

【中国ネットウオッチ】朝日の記事引用で「誤報」論争 中国メディアVS.香港の記者(MSN産経|2013.1.26)


朝日新聞は・・・? (´ ・ω・`)

ーー(追記ここまで)ーーーーーーーー


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