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2013年3月 5日 (火)

【尖閣】中国の海洋監視船"海監66"は、日本の漁船に機関銃を向けたのか?

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(海監66)
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中国海監の海洋監視船が、尖閣諸島の日本の領海内で日本の漁船を1時間半にわたり追跡し、海上保安庁の巡視船が守るという事例が、2月18日にあった。

「週刊ポスト」が、この漁船の乗組員にインタビューし記事にしたところ、記事中の「中国艦の機関銃は我々に向けられ・・・」という部分に対して、国家海洋局が「報道内容は事実無根。事実に反する悪意ある捏造である」「海監の海洋監視船は重火器を持たない非武装船」である、と反論をしてきた。

事実誤認と、双方に勘違いと思惑があるように感じたので、報道からの深読みも絡めて、これについて少し。



「逃げても逃げても追ってくる。最も近づいた時は70mくらいの距離でした。中国艦の機関銃は我々に向けられ、いつ発砲されるかと生きた心地がしなかった」──2月18日、尖閣諸島の北小島付近で漁をしていた「第11善幸丸」の乗組員が振り返る。

この日の朝10時頃、善幸丸の視界に入ってきたのは中国の国家海洋局の監視船「海監66」だった。海監66はジグザグ航行しながら急速に接近した。「このままでは拿捕される」と感じた善幸丸は、母港の石垣島に全速力で走りだしたが、中国艦は約90分間にわたって威嚇を繰り返しながら追い続けた。
日本漁船に威嚇繰り返した中国艦と海保巡視船の一触即発写真(NEWSポストセブン|2/25)(週刊ポスト3月8日号・p.28(白黒グラビアページ))

「中国艦の機関銃は我々に向けられ・・・」の部分は、中国メディアの記事では、「中国船上的机枪已瞄准渔船」(参照:cn 国家海洋局)などと訳される。「机枪」は「機関銃」の事。

国家海洋局・中国海監の海洋監視船は、携行できる自動小銃や機関銃などを積んでいても不思議はないだろう。しかし、尖閣諸島付近に来ている海洋監視船には、機関砲やミサイルなど固定兵装の重火器は装備されていない(*1)。この点については、国家海洋局の言い分が正しい。
夕刊フジは「機関砲などで武装・・・」と表現している(参照)が、これはちょっと煽りすぎだと思う。

"海監66"に「機関砲」が装備されているか、写真で確認をしてみてください。
(幅1200ピクセルの、大きな画像にリンクしています)

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(*1)少なくとも尖閣諸島付近に来ている海監の海洋監視船は、機関砲など固定兵装は装備していない。ただし、海監船の中には機関砲を装備している船も(多くはないが)無いわけではない。元軍艦(砲塔などは下ろしている)を改装した海監船もある。このあたりの「海監の監視船は非武装?」ネタは長くなるので、機会があればまた別記事で。

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隠していた重機関銃を設置したり、海監の隊員が軽機関銃を漁船に向けていたのかもしれない。

もしそうなら、それは民間の漁船に対してだけでなく、2隻の間に割って入っていた海保の巡視船にも向いていた可能性もあるだろう。これは国連海洋法条約に違反してくる。
正直なところ、そういった「下の下の下策」を中国がとるとは(海監の指揮系統と隊員の練度次第だが)考えにくい。

海監の監視船が偽装軍艦で、機関砲など重火器の固定武装を隠蔽して装備していると考える人もいるようだが、今回、その偽装を剥ぎ取り運用したのなら、それはむしろチャンスだ。
海上保安庁は当然、証拠写真や映像を撮っているだろうから、映像を分析すれば簡単に分かるはずだ。
公表すれば、中国軍艦による火器管制レーダー照射の一件以上に、中国海監の監視船の活動に大きな影響を与えるだろう。しかし、その発表はない。

では週刊ポスト誌の、漁船の乗組員の「中国艦の機関銃は我々に向けられ・・・」はなんだろう? 嘘や捏造、記者が回答を誘導した結果ではないなら、乗組員は何を見たのだろうか?

海監66は、放水銃は装備していない。
もしかしたら、海監監視船に追跡され拿捕されるかもしれないという緊張状態のなかで・・・、
海監監視船の隊員が証拠撮影のために構えている「望遠レンズ付きカメラ」を見て、「機関銃を向けられている・・・」と勘違いしたのではないだろうか?

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(海監51)

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(海監50)

ここんとこ検証するような取材をしてほしいけれども、出ないだろうなあ。週刊ポストだし・・・(苦笑)

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ところが、その週刊誌「週刊ポスト(3月8日号)」白黒グラビア(p.28)の1段だけ(4段組)の文章(500字余り)に、国家海洋局が噛み付いてきた。

中国海洋局が日本メディアの報道に反論 海監編隊は機関銃備えていない(中国網日本語|2/28)
中国海监船编队对日本渔船进行了正常的维权执法 - 国家海洋局(中国海洋报|2/27)

国家海洋局:大型兵器を装備しているのは日本船(中国網日本語版|3/1)
谎言掩盖不了事实(中国海洋报|2/28)

主張したがっているポイントは2つ。
 海監の海洋監視船が「重武器を持たない非武装」なのに対して、日本の海保の巡視船が機関砲を装備している。
 漁船への追跡は合法的な法執行活動である。

これらを、また報道させるために、週刊ポストの記事をダシに使ったように感じられる。

5日から始まる全国人民代表大会(全人代)へ向けての、春節(旧正月)の連休期間中の現地中継番組に引き続き「海監、頑張ってます!」アピールにもなるだろう

ーー(追記:2013/03/13)ーーーーーー
この部分の検証記事ではないが、関連記事が週刊ポスト(3月22日号)に掲載された。
ここでは、「機関銃(機関砲)の銃口が向けられ・・・」と書かれている。乗組員は何を見たのだろう?

記事では、中国政府の対応は、外国への批判を煽って国内の不満をかわす典型的なケースと見ている。

監視船急接近報道に中国政府「週刊ポストは悪意ある」と見解(NEWSポストセブン|3/12)
ーー(追記ここまで)ーーーーーーーーー

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2月18日は、海監50(水色の矢印)など3隻が領海に侵入してきた。
海監46(紫色の矢印)と海監66(オレンジ色の矢印)が縦列で航行し、海監50は北にやや離れた位置を併走していたようだ。

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网易军事より)

航路図によると海監66は西に向けて進み、魚釣島を1周し、石垣島の方向に南下した後に領海を出る直前で急転回している。"海監66"がずっと追いかけていたとすると、"第11善幸丸"は魚釣島を一周する形で逃げたと考えられる。これでは、八重山日報や週刊ポストの記事と、いまいち整合性がとれない。(*2)

ーー(追記:2013/03/14)ーーーーーー
イザ!の3月1日付け記事の写真の説明で、「魚釣島を時計回りに航行したところで中国海監の接近警報を受けた」と書かれていました。説明文があることに気付きませんでした。m(_ _;)m

「尖閣沖で中国船に追い回された! 船長が怒りの激白」のフォトスライドショー:イザ!

"海監66"が石垣島を一周して追いかけ、北小島の北で"海監46"と合流したのだろう。
ーー(追記ここまで)ーーーーーーーーー

201303haijian007
网易军事より)

検証しようがないので、これはともかく・・・

海上保安庁は、春節(旧正月)期間中に領海侵入した海監の海洋監視船4隻に対して、巡視船5隻以上をもって警戒にあたっていた(参照動画:cn)。ここから、今回は、海監3隻に対して海保4〜6隻で周辺を警戒していた可能性が高い。
このうち海保2隻が、日本の漁船を、海監66から守るために離脱した。
警戒網が手薄になったところで、虚を突いて海監50が強行突破をし、魚釣島に1kmまで接近するきっかけとなったのかもしれない。


中国網日本語版の3月1日の記事では「海洋局は記事文章の最後に、デマで事実は隠せないと強調。」と書かれている。

たしかにそうだろう。

でも、それを主張するがために週刊誌の、週刊ポストのたった1ページの白黒写真グラビア、文字数がたった500字余りのグラビア記事を引っ張り出してきて、日本メディアを代表させて「捏造だ」と批判するってのは、なんだかなあと感じてしまう(笑)



(*2)漁船の乗組員は、海監46と海監66が入れ替わったけれども、混同して海監66と考えてしまったのかな?
それなら、漁船を「まず海監46と海監66が追跡し」、「海監66は一旦離脱し、魚釣島を回り込み」、「海監46が漁船を追尾」し「海保の巡視船2隻がガードし」ていたところに、「海監66が合流し、石垣島方向へ領海ギリギリまで追尾」した、と考えることが出来る。

一応、"海监46"の大サイズの画像も載せておきます。
(幅1200ピクセルの、大きな画像にリンクしています)

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