中国の海洋監視船"海監8002"に導入された最新の装備 | 衛星テレビは50チャンネル

尖閣諸島の接続水域に、海監と漁政の監視船が相次いで侵入し航行している(中国はパトロールと称している)。先月、福建省に配備されたばかりの新造艦 "海監8002"も確認された。
"海監8002"は2月4日に、福建省海洋及び漁業法執行総隊(直訳。中文:福建省海洋与渔业执法总队)に配備された新造船。福建省の最大の海洋監視船となる。この監視船は、十二五期間に建造するとしている海洋監視船36隻のうちの1隻で、1000㌧級以上で初めて配備された。
"海監8002"には最新の装備を導入しているそうだ。
沖縄県・尖閣諸島周辺の領海外側にある接続水域で16日午前、中国が新造した海洋監視船「海監8002」など5隻が航行しているのを、海上保安庁の巡視船が確認した。
海監8002は2月に東シナ海を管轄する福建省の部隊に新たに配備されたばかりで、最新の設備を導入している。
尖閣周辺、新造の中国船初確認 5隻航行(47NEWS|3/16)
"海監8002"は、全長79.9m、幅10.6m、排水量1337㌧。速力20ノット、航続距離5000km以上で、自力航行日数は30日。
最新の装備について、"海監8002"が尖閣諸島周辺海域に向かっている3月15日に、国家海洋局の機関紙、中国海洋報が記事を載せていた。
全人代で国家海洋局の権限強化が決まった直後のニュースだけに、アピールに余念がない。
解密“中国海监 8002”船(中国海洋报|20130315期)
どんな装備か、国家海洋局がどんな装備を特にアピールしているか見てみよう。
![]() | 海上保安庁『装備』のすべて 海の治安と安全をつかさどる警備隊の実力に迫る (サイエンス・アイ新書) 柿谷 哲也 ソフトバンククリエイティブ 2012-07-17 売り上げランキング : 152342 Amazonで詳しく見る |
・遠隔監視採証装置(光电取证系统)
オペレータの説明によると、このシステムは15kmの距離の船舶を識別でき、自動追尾して録画できる。重力センサーがついているので、船体の揺れの影響を防止することができる。船尾方向の一部を除いて死角はなく、霧天や夜間も赤外線で監視活動を行うことが出来る。
こんなの。
(中国海监に卸している会社の製品だが、同じものとは限らない)

(武汉华之洋光电系统责任有限公司)
海上保安庁も「遠隔監視採証装置」を導入している。
海上保安庁が導入する際の用途として「行方不明者の捜索」を必ず入れているのに対して、中国海監の海洋監視船の関連記事では、捜索用途を見かけたことはない。その任務は専門の、海事部(海巡)が担っているという遠慮もあるのかもしれない。
国家海洋局の権限強化にともなって、今後どう変わっていくか、ちょっと興味深い。
・衛星通信システム
現場の画像を送りビデオ会議システムを使うことで、陸上のコマンドセンターとリアルタイムで会議をすることが出来る。
海監の航空機からの写真も、無線画像送受信システムによって受信をすることが出来る。
"海监8002"船の政治委員によると、このシステムは海監の監視船の中でも最先端の装備だそうだ。
船橋上部にある大きいレドームが衛星アンテナ。
(電光掲示板と、その後部に赤い放水銃が見える。)

この海洋報の記事には書かれていないが、中国独自のGPSシステム「北斗」によるナビゲーションシステムが搭載されている。(参照:cn)
・高圧放水銃
高圧放水銃が、船橋上のデッキに2台。水平360度。射程は100mに達する。
コントロールは船内から行う。

・長距離音響発生装置
最大153デシベルを出すことが出来る。有効半径は3km。
5種類の警告音を出すことが出来る。
海監隊員の様々な状況に合わせた警告を伝えることで、違法船舶の船員を震え上がらせる効果があるだろう、と書いてある。
「强声设备」とあるが、これは長距離音響装置 "LRAD"(Long Range Acoustic Device)だろう。
他の海監の海洋監視船や、海巡の巡視船にも載っている船がある。
参照:中国、新造の海洋監視船「海監8002」を配備 | LRADを装備か: メモノメモ

(中国船舶在线より)
ーー(追記)ーーーーーーーー
LRADが映っている写真発見。LRAD社製"LRAD-RX"だろう。

ーー(追記ここまで)ーーーー
また、警告等を表示するための電光掲示板(停船命令等表示装置)を搭載している。
・風力7級で運用できる搭載艇
FRP製の法執行工作艇(执法工作艇)が2隻あり、風力7級(風速15m前後)の疾風の中でも問題なく運用が出来る。
全長6.5m、全幅2.46m、重量1.65㌧。速度40ノット。可載人員は7人。専用クレーンで舷側から降下揚収する。

衛星テレビは50チャンネル ( ;゚Д゚)
海監の海洋監視船の任務は年間200日にも及ぶため、船上生活は重要である。
海監8002船は、この点を特に考え、振動や騒音を軽減して快適な居住環境を満たす設計となっている。
船室は1人部屋と2人部屋で、全室に、ソファー、テーブル、戸棚、デスクトップPCや液晶テレビ、そしてトイレが装備されている。
視聴できる衛星テレビのチャンネルは40〜50。
受信できるチャンネル数は沿岸からの距離によります。
( ´∀`)Σ⊂(゚Д゚ ) ドコノ不動産屋ヤネン!
前回の記事で、海上保安庁の年越しの食事と、中国海監の春節(旧正月)の夕食を比べてみたのですよ(笑) アクセス数が激増して、非常に多くの反響をいただきました。
参照:【尖閣】海保が、尖閣警備の映像を初公開【動画まとめ】・・・うっ、料理は負けてる(笑): メモノメモ
海保の巡視船の装備に強い興味を持つのはマニアックな一部の人で(私は違いますよw)、多くの人は海保の隊員の船上生活にも興味を持っていると思うのです。
今回も"海監8002"と、例えば、同じ1000㌧級の"PL61 はてるま"の船上生活を比べようとしたのですが、海保はこういう情報って、意外とオフィシャルではあまり公開していないのですよね・・・(´ ・ω・`)
もちろん巡視船の一般公開など、広報活動がちゃんと行われています。
個人ブログの記事や写真がいろいろありますので、調べてみてください。
ここんとこ、中国海监のほうが広報と情報公開を頻繁におこなっています。宣伝戦の一環なのでしょう。
これまでの船上生活が酷かったからか、若者を呼び込むには必要な装備なのか、ことさらに海監船の船上生活の快適性をアピールしているようです。
参考:
配備時のニュース動画:福建首艘千吨级海监船正式入列:舷号“中国海监8002” 总长近80米最大航速20节(福建卫视新闻)
メモ
全ては公開しないのは、当たり前のこと。これが全てではないはずです。
福建衛星放送のニュース動画でも、新聞記事には載っている「強声装置」・・・LRADには触れていません。使うべき状況にない時は外しているのでしょう。
LRADは、民間クルーズ船でも使われていますし。
記事中では、残念ながら具体的な比較は出来なかったのですが、機関砲を載せていない "はてるま"って感じかなー。
![]() | 世界の艦船増刊 海上保安庁100のトリビア 2013年 03月号 [雑誌] 海人社 2013-02-18 売り上げランキング : Amazonで詳しく見る |
« 【尖閣】海保が、尖閣警備の映像を初公開【動画まとめ】・・・うっ、料理は負けてる(笑) | トップページ | 中国海監、UAVで使うため、ヘリ着艦装置を仏企業から購入。 »
「国際」カテゴリの記事
- 韓国国防部、低空威嚇飛行と主張|東シナ海の、現場の海域はどのあたり?(2019.01.27)
- イスラム教の大巡礼「ハッジ」、サウジアラビアに仮眠用カプセル。日本から輸入。 中国製か?(2018.08.19)
- 沈没したタンカー「Sanchi(サンチ)」号から流出した油? 読んでおいた方が良い記事(2018.02.02)
「時事|中国海警局、海監」カテゴリの記事
- 【中国海警局】 尖閣沖に新たな3000トン級「海警2302」 30mm機関砲を装備 東海区漁政局(2016.12.09)
- 【中国海警局】 万トン級「海警2901」 ... 大型ヘリコプター2機を搭載できるか?(2/2)(2016.01.30)
- 【中国海警局】 万トン級「海警2901」 副砲は37ミリ連装機関砲? さらに 対空用近接防御火器システム? (1/2)(2016.01.29)
- 【中国海警局】 「海警2901」「海警3901」の武装 【画像】 主砲76ミリ、副砲30ミリか?(2016.01.17)
- 【中国海警局】 2隻目の万トン級「海警3901」完成か(2016.01.09)
« 【尖閣】海保が、尖閣警備の映像を初公開【動画まとめ】・・・うっ、料理は負けてる(笑) | トップページ | 中国海監、UAVで使うため、ヘリ着艦装置を仏企業から購入。 »






![世界の艦船増刊 海上保安庁100のトリビア 2013年 03月号 [雑誌]](http://ecx.images-amazon.com/images/I/51flwFLED3L._SL160_.jpg)
コメント