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2013年3月15日 (金)

国家海洋局の権限を強化。中国海警局と五龍、九龍。ハブられた海巡?

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中国国務院は、第12期全国人民代表大会(全人代)に対して行政機構改革と職能転換案を提示、3月14日に可決された。この中で、海監、海警、漁政や海上密輸取締警察など海上での法執行組織を統合し、国家海洋局の権限を強化することが決定した。

国務院のこの改革案について、「国家海洋局」がそのまま「中国海警局」となると簡単に見ているような報道もあるので、これについて少し。



国家海洋局は、7000m級有人深海潜水艇"蛟竜号"の国家深海基地管理センターや、北極や南極の調査や観測を行う極地研究センター、海洋環境観測センター等々、沿岸警備とは関係ない組織も数多くある。

その中で中国海監総隊は大きな位置を占めるが、尖閣諸島の周辺海域に出没している(中国はパトロールと称している)海洋監視船だけをもとにして、国家海洋局をまとめて語ってしまうのは誤解のもとだし、中国政府の報道官に、また「日本の報道が煽っている」と宣伝させるきっかけにもなるだろう。

国務院の改革案のうち、国家海洋局の部分を見てみよう。

国务院拟重新组建国家海洋局|国務院は、国家海洋局の再編を立案 (国家海洋局・中国海洋報)


201303soa001

国家海洋局中国海監、公安部辺防海警、農業部中国漁政、海関総署海上密輸取締警察の、海上の法執行機関の部隊と職責を整合させ国家海洋局を再編し、国土資源部の管理とする。
主な職責は、海洋発展規則の立案、海洋権益維持と法執行活動を実施、海域使用の監督と管理、海洋環境保護、等。
国家海洋局は、中国海警局の名称で、海上権益維持と法執行活動を展開し、公安部の業務指導を受ける。

海事の計画立案と調整を強化するため、ハイレベルの政策調整機構として国家海洋委員会を設立し、国家海洋発展戦略を研究制定の責任をもち、海洋の重大事項の立案と調整を行う。国家海洋委員会の具体的な活動は国家海洋局が担う。


「国家海洋局は中国海警局の名称で、海洋権益の維持と法執行活動を展開する(国家海洋局以中国海警局名义开展海上维权执法)」と書かれていて、具体的に国家歌謡曲を中国海警局にしたり、中国海警局という組織を作るということではない。
(追記修正)中国海警局の局長と政委が任命され、組織として形成された。「国家海洋局と中国海警局は別組織になると思っているので、国家海洋局内に中国海警局を作るわけではない。」と修正します。
(追記修正ここまで)

これは、法執行活動を行うときに「中国海警局」と名乗らせる、ということではないだろうか。
今の中国海警は、英文では"China Coast Guard"と書かれるので、国際的にも通りがよいだろう。

再編後も、国土資源部の管理なわけだし、公安部の武装警察の海洋版になるわけでなく、いまのところは、国家海洋局がそのまま中国海警局に名前が変わることはなさそうだ。


なぜ「中国海警"総隊"」や「中国海警"部隊"」ではなく、「中国海警"局"」なのだろう?

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なぜ「中国海警"総隊"」や「中国海警"部隊"」ではなく、「中国海警"局"」なのだろう?


国家海洋部(省)へ昇格させるを目論んでいたので、将来的に「国家海洋"部"の中国海警局」となることを夢見ているのだろうか。
あるいは、国家海洋局の任務を、海洋管理と海洋資源の開発研究などに集中させ、海上での法執行と権益維持の任務は分離させて、中国海警局という同格の組織にしようと考えているのかもしれない。

海監、海警、漁政と税関の密輸取締警察の多くの船艇がどのように再編されていくか、詳細はまだ発表されていない。

これまでにも、「五龍」と呼ばれる複数の海上の法執行組織の統廃合が計画されてきたが、予算や管轄権、官僚の縄張り争いなどがあり実現しなかったそうだ。今回、「国家海洋局」に統合し再編させつつも、実際には「中国海警局」を名乗らせるのは、公安部との間の政治的な駆け引きの結果とも感じられる。

案外、単に「海監"総隊"」「漁政"船隊"」「海警"部隊"」とすでに使われているので、他の組織に遠慮して、使えそうなのがなかっただけかもしれませんが(笑)



その「五龍」。

・国土資源部・国家海洋局・中国海監総隊(海監)(China Marine Surveillance)
・公安部・辺防管理局・中国公安辺防海警部隊(海警)(China Coast Guard)
・農業部 漁業局・漁政船隊(漁政)
・交通運輸部・海事局 (海巡)
・国務院・海関総署・密輸取締局(海関) (*)税関


五龍の中で「海巡」だけが再編計画に入っておらず、ハブられていた。

気になった人が、たくさんいたことだろう。  ( ´∀`)Σ⊂(゚Д゚ ) ナンデヤネン!

この点について、国土資源部の徐绍史部長は、海事部門は独自の特殊な役割があり、制度改革は成熟した部分を先に未成熟な部分は後に、ステップバイステップで行われるだろう、と、やや微妙な表現をしている。(参照:cn

将来的には、海巡も「中国海警局」に合流することになりそうだ。

今回の国務院の制度改革では、鉄道部が解体され、交通運輸部・国家鉄路局が新設されるなど多くの権限が交通運輸部の管理下におかれることになった。かなりの大仕事なので、交通部の海事部門の再編にまで事前調整の手が回らなかったのではないだろうか。

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将来的には、海上保安庁やアメリカ沿岸警備隊のような、「準軍事組織」としての海上治安組織とすることを想定している。

沿岸部や沿岸島嶼海域での既得権益の利権構造も絡んで、組織間や地域間で縄張り争いが起こってしまうのか・・・いろいろと想像が膨らむ。
どのように再編が進められるのか、興味深い。


もっとも、羅援少将が(いつものように)広げていた(参照:cn)、
農業部漁港監督管理局?(漁監)、交通部港監局海上捜索救命センター(海救)、沿岸県の公安辺防派出所、捜索救命センターとサルベージ部門を加えた「九龍」を大統合して、いわば「大国家海洋部」にする話まで実現してしまうと・・・


少少閣下、微博で何か発言してくれないかなー・・・、また。(笑)



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