【H7N9鳥インフル】日本と中国の報道での感染者数の食い違い。感染者リストに載らない死亡患者の存在。
中国で、確認された感染者数が増えている鳥インフルエンザ(A/H7N9)。
気付いている人も多いと思いますが、中国の発表する感染者数と、日本メディアが報道する感染者数は1人違っています。
また、H7N9鳥インフルに感染し死亡しているのは九分九厘確かなのに、検査が充分でないためカウントされていない死亡患者もいる。
まず、日中メディアの報道の報道での感染者数の食い違い。
4月18日の夜の発表の報道。
<中国メディア>
これまでに、中国全国でH7N9型鳥インフルエンザに感染していることが確認されたのは87人。このうち6人は快復し退院、17人が死亡、残り64人は各地の指定医療機関で治療を受けている。
中国・鳥インフル 新たに5人の感染確認 計87人(人民網日本語版|4/19 13:15)
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<日本メディア>
中国でのH7N9型鳥インフルエンザの感染者は18日、浙江省で2人、上海市、江蘇省、河南省で各1人の計5人の感染が新たに確認され、計88人(うち死者17人)となった。
鳥インフル、感染88人に=上海などで新たに5人-中国(時事ドットコム|4/18 20:32)
中国の発表では、北京の「未発症感染者」1人はカウントされていない。日本の報道では、確認された感染者として加えている。
これは、北京で最初に感染が確認された7才女児の両親が、家禽の屠殺・販売を営んでいたので、村の同業者とその関係者を検査したところ、陽性反応が出た4才男児の例。発症はしていない。
中国当局はあくまでも、発症した患者だけを感染者として扱うつもりのようだ。
この他に、H7N9鳥インフルに感染していたのは九分九厘間違いないと思われる死亡患者がいるが、感染者のリストには載っていない。
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3月31日に上海市衛生局が、はじめて、3人のH7N9鳥インフルエンザの感染者を確認した事を発表した。
上海市の李さん(87才・男性)、吴さん(27才・男性)、そして安徽省の韩さん(35才・女性)の3人で、3人ともすでに死亡している。
このうち、上海市の李さん(87)は、2月27日に発病したもっとも早い時期の感染者とされている。3月4日に死亡した。
李さんには2人の息子がいて、2人とも同時期にインフルエンザや肺炎の症状が出ていた。
特に、李さんの次男(55)は父親よりも早くインフルエンザの症状を起こしていて、2月20日に病院にかつぎ込まれた時には重症の肺炎と診断された。同28日に死亡している。
長男(67)は、比較的に症状が軽く、タミフルを使った治療が効いたのか快復して、すでに退院している。
李さん(87)のサンプルと一緒に、息子2人のサンプルも検査されたが結果は陰性で、家族はH7N9鳥フルには感染していないと発表された。
上海首例H7N9禽流感病例确诊全记录(上海の最初のH7N9感染例の診断全記録)(上海本地宝)
しかし、
4月16日に上海市衛計委(衛生・計画出産委員会)が発表した、過去の感染者の検体の再検査で陽性反応が出た症例(回顧性症例)4人、この中の1人が李さんの長男(67)だったことを、中国疾病予防管理センター(中国CDC)の馮子健(冯子健)主任が明かしている。
中国疾控中心卫生应急中心主任冯子健介绍,4月16日,上海市卫计委报告的4个回顾性确诊病例中,有一位康复患者,正是3月31日首批报告被确诊感染H7N9的87岁李某的长子。“这可以认为是一起家庭聚集性病例。”
卫计委:不排除H7N9有限“人传人”(衛計委:限定された“人から人への感染“を否定はしない)(新京报|4/18)
客観的に考えて、次男(55)もH7N9鳥インフルに感染していて、それが原因で死亡したのは九分九厘間違いないだろう。もしかしたら最も感染源に近かったのかもしれない。
次男(55)の検体は残っていなかったので再検査はされず、この4例の回顧性症例には含まれていないそうだ。
感染者のリストが、複数のメディアで公開されている。
4月17日までの感染者83人の一覧を調べてみたところ、李さん長男(67) を含む“回顧性症例“は載っているが、次男(55)に該当する感染者は見あたらない。
H7N9禽流感疫情形势(腾讯网)
多地现人感染H7N9禽流感病例(新浪网)
H7N9禽流感(凤凰网)
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つまりこういうことだ。
極めて明確な検査結果としてH7N9鳥インフルエンザと確定され、中国国家衛生・計画出産委員会が認定して、発表しなければ、どれほど疑わしい例であっても感染者数には含まれない。
後になって“回顧性症例“として、過去の感染例が掘り返されることがあるかもしれないが、検体が残っていない場合は、どれほど疑わしい例であっても感染者数には含まれない。
李さんの長男(67)の最初の検査結果が陰性だったのは、治療初期にタミフルを投与したから簡易検査で陰性になったのだろうと推測し、説明をしている。
感染症の専門家ではないので、それが起こりうることなのかは分からない。非常に怪しい説明に感じられる。
H7N9鳥インフルエンザには、初期の診断と治療が極めて重要であり、治癒し、すでに退院した例も4人を数える。
治療にはタミフルやリレンザが効果的として、中薬(漢方薬)とともに積極的に使用されている。
他にも、インフル様症状がありタミフル投与され、治療しただろう患者の中に、H7N9鳥インフル感染者がいた可能性は非常に高そうだ。
これを「隠蔽」と言っていいかどうかはちょっと微妙だが、非常に隠蔽しやすいシステムになっている。
中国らしいといえば、とても中国らしい話です。(´ ・ω・`)
メモ
日本メディアは大本営発表ばかり報道するか、噂を垂れ流すばかりで検証記事がほとんど無いよなあ、という鬱憤少少(笑)
これまでにも書いてきたように、現段階では「人から人への感染」が確認されていないので、それほど心配はしていない。
2つの家族で、「限定的な“人から人への感染”」が起こった可能性が指摘されているが、家禽など同一感染源によって、同時期に感染した可能性が高いと思っている。
もちろん「極めて明確な検査結果として確認」(笑)されなければ、発表はされないと思いますが(苦笑)
今回のH7N9鳥インフルウイルスは、哺乳類に感染しやすい変異を起こしている。
ウィルスがさらに変異して、ヒト・ヒト感染が起こるかどうかは、正直、心配しても仕方ないと思っている。
起こる時は起こる。
あ、マスクと消毒薬は徐々に買い溜めています(笑)
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