【H7N9鳥インフル】日本メディアがあまり伝えていないことを、いくつか。

中国で鳥インフルエンザ(A/H7N9)の感染者数が増えています。
4月16日午後6時時点で、確認された感染者は77人で、死者16人、快復4人(退院2人)。その他、検査で陽性確認されたが発症していない例が1人。(中国では感染者77人、日本では78人と報道されます)
日本メディアの鳥インフル関係ニュースは、報道管理されている新華社や人民日報を元にするものが多いからか、数はあっても、その内容はちょっと薄めに感じられます。
日本語でも流れたニュースのいくつかを、中国メディアの報道から補完してみましょう。
昨日(4月16日)、上海で確認された感染者が6人増えました。(参照)
多くの日本メディアは、「感染者が6人増えた」と簡単に報道していますが、詳しくは、
「新たに確認された感染者が1人。3月下旬に疾病予防対策センターに送られた5人のサンプルを再検査したところ4人で陽性と確認された。そのほかに、3月中旬に1例の感染者がいたがすでに快復。」
というものです。その5人は、2人が死亡し、3人が快復しています。(参照:cn)
新たにH7N9鳥フル感染者が6人増えたと言うよりも、ちょっとヤバイように感じます。
上海の第五人民病院の5人のサンプルを再検査したものなので、もしかしたら、4月2日に報道された「原因不明の重症の肺炎」患者5人のサンプルかもしれません。(参照:cn)
第五人民病院では感染者の死亡例があるので、ヒト・ヒト感染が起こっていた可能性に触れる記事もありますが、第五人民病院(复旦大学附属・上海市第五人民医院)は大きな総合病院ですし、単純に結びつけるのはどうかと思います。
もし3月後半に起こっていたなら、他にも類似例が起こっていて、WHOがヒト・ヒト感染を確認しているのではないでしょうか。
中国政府は、SARS流行の時に比べると驚くほど情報を公開しています。いや・・・、していました。
上海の"生きた家禽"卸売市場の閉鎖と殺処分の情報公開が、ちょっとやり過ぎたと考えたのでしょう(参照:cn、他)。直後に、新華社を通じた配信を元にするようお触れが出されました。
ただ、それを真面目に守っている日本は「チキン」と言われるかもしれません。(笑)

(上海关闭检出H7N9病毒活禽交易区 扑杀区内所有禽鸟(凤凰网)より)
さすがに今回は、SARSの時のような頭の悪い隠蔽ではなく、公表できる部分は充分に報道をさせつつ、社会不安を煽りそうな敏感な部分では報道制限をして、市中に出る情報をコントロールしているように感じます。
ちょうど、昨日の上海の再検査5人のニュースが、そうだったのかもしれません。
他にも、重篤な肺炎患者が「疑い例」と報道される例はいくつかあります。
そのうち「H7N9鳥インフルに感染していない」と“確認”され“報道”された患者(例えば、武漢の患者(死亡))以外の例は、もしかしたら今後の再検査で、H7N9に感染していたと“確認”される可能性も出てきました。
鳥インフルの流行拡大よりも、社会的なパニックを恐れているように感じます。
H7N9鳥インフルの流行で、鳥肉の需要が減って家禽業者は大打撃を受け、KFCやペキンダックの店も閑古鳥という報道がありました。(参照)
日本の事なら「風評被害で・・・」という但し書きが必ず付く内容なのですが、中国のことなので「風評被害」を付ける記事はあまり無いようです。
鳥肉が敬遠される一方で、魚介類など海産物の売り上げが増えて海鮮料理レストランが盛況だそうです。魚の市場価格も上がっているのでしょう。
その増えた需要を満たすために、上海市や浙江省の漁業者が、尖閣諸島近くの海域での漁を増やすかもしれないし、夏にかけて押し寄せてくる可能性が高まったと思うのですが、・・・本筋ではないのでそれはともかく。
成鳥の家禽が売れないと、ひな鳥も売れません。
ニワトリやアヒル、食用ハトなどのひな鳥を、数万羽の規模で処分せざるをえなくなっています。
経済動物(家畜・家禽)なので、これも現実なんですよね。
日本の記事では、読者の感情を考慮したからか「蛇のエサにする」程度に表現を抑えています。(参照)
飼育場で鳥インフルのウイルスは確認されていませんが、売れないので・・・、殺処分です。

(凤凰网より)
ほかの写真は、不愉快な気分にさせるかもしれないので転載はしません。
比較的にマシな写真記事のリンクを載せておきます。
福建鸭场因禽流感每天闷死上万鸭苗(新浪网)
中には、ひな鳥を殺すに忍びないと思った心優しい杭州市の業者が、1000羽以上のひな鳥を放鳥してしまって、周囲の農家が困っているという、笑うに笑えない話もありました。(参照:ニュース動画)
中国で2月に発症し、その後に死亡した27才男性の遺族に対して、13万元(約193万円)の口止め料を病院が払ったという報道があります。(上海の鳥インフルで死亡病院 遺族に193万円の口止め料払う(NEWSポストセブン|4/16))
こう言っちゃなんですが「週刊ポスト」の記事ですし、ある程度は同感なんですけど、裏事情はちょっと違うように感じます。
27才男性が亡くなり葬式も埋葬も終わってずっと経った頃、4月8日付けの中国青年網の記事に、亡くなるまでの12日の詳細と家族のインタビューが書かれています。
上海H7N9逝者死亡记录:被病毒撕碎的人生(中国青年网|4/8)
週刊ポストの記事では「口止め料」と書いていますが、この記事には隔離されていなかった事や診察の状況とかガシガシ載っていますし、大手メディアでも転載されまくっています。
口止め・・・出来ていません。
家族は病院に対して、損害賠償金、精神的慰謝料、養育費と介護費用など合わせて107万元(約1700万円)を請求し、1週間後の3月27日に、13万元(約193万円)で病院側と合意し、署名をしたそうです。
病院側は「患者が青年であり、家族の貧困な状況を鑑みて」とか「人道的支援として」とか書いてありまして、・・・まあそんな感じです。やれやれ。
リベラル系中国メディアの暴露記事ではなく、共産主義青年団(共青団)のニュースサイト中国青年網の記事なので、上海の病院と防疫体制を告発する意味合いもあるのかもしれませんが、真実はどこにあるのでしょう。
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昨日(4月16日)、南京市で野生のハトからH7N9鳥インフルエンザウイルスが検出されたと報道されました。(野生ハトから鳥インフルウイルス初検出(NHK))
中国の当局は野生の鳥がウイルスを運んでいる可能性があるとみて調査を進めていると書かれていますが、どうなんでしょう。中国当局は当初から、感染が広がった原因が野鳥にあると決めたがっていると感じています。生きた家禽取引による移動の方があり得ると思うのですが。
ウイルスが検出されたのは、4月6日に南京市秦淮区で見つかった、死んだハト(野鸽)のサンプルで(参照:cn)、中国の発表は「野鸽」なので、日本の報道では「野生のハト」「野鳥」とざっくりと書かれています。
"生きた家禽"を扱う市場での取引が一時停止が決まった日でもあるので、
あくまでも希望的観測なのですが、南京の"生きた家禽"を扱う市場や販売店、ハト小屋から逃げ出したハト・・・だったんじゃないかな?(´ ・ω・`)
よろしければ、こちらもご笑覧ください。
【H7N9鳥インフル】感染者が「発症した日」を元に、グラフを描いてみた。: メモノメモ
【H7N9鳥インフル】早期の診察と治療が重要。上海の男の子(4才)はすでに退院している。: メモノメモ
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