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2013年4月29日 (月)

【H7N9鳥インフル】幕引きをはじめた中国政府

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中国で感染者数が増えている鳥インフルエンザ(A/H7N9)。

日本のニュースは不安感を煽るようなものが多いですが、発症後の悪化が早いのが心配なくらいで、もし日本人に感染者が出たとしても日本社会では恐るるに足りません。

H7N9鳥フル関係ネタでいろいろと、中国の報道や公式情報をもとに書いててきましたが、こう言っちゃなんですが公式情報はそれほど信じていません。 すべて嘘とまでは言いませんが、発表するものと発表せずに済ませるものを選別し、報道をコントロールしていると感じます。それでも報道をつなぎ合わせてみると、ペンキの剥げた所から裏地が見えてきます。

中国当局のパフォーマンス色が徐々に強くなり、幕引きをはじめたと感じるので、これについて少し。



中国社会の医療状況、特に低所得者層を考えると、表に出てきている感染者が一部なのは確かだし、その表に出てきている感染者や疑い例ですら矮小化しようという意図がかいま見える。

中国の感染者の報道(速報はともかく)では、前半は患者の情報や密接な接触者について書き、終わりの方で政府は感染拡大を防ぐためにどれだけ頑張っているかを書くパターンが出てきたようだ。
前半の患者情報もテンプレート化していて、新しい感染者は「~某、何歳、何日に発症、(職業)、現在の症状はこうなっている。 密接な接触者は何人で症状はない」と、こんな感じ。 ところが、発症日や密接な感染者の数など、詳細が出てこない感染者発表がたまに出てくる。増えている。
「感染者が発症した日」を特に注目しているので、しつこく調べて掘り返していたつもりだが、その後に情報が出ない感染者もけっこういる。

これらは、発症をしたから病院で診察を受けてH7N9陽性と確認されたのではなく、ずっと前から呼吸器疾患や肺炎で入院している患者ではないだろうか?
再検査でH7N9陽性と確認されたからテンプレ通りに発表しようにも、発症日や密接な接触者数の確認には再調査が必要だろう。

上海市は3月までに、H7N9鳥フルの封じ込めに失敗した。

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上海市は3月までに、H7N9鳥フルの封じ込めに失敗した。

いまのところ、H7N9鳥フルの致死率は20%ほど、快復率は10%に満たない。
H7N9対策の体制が整った4月以降の快復率は高く、今後は退院患者も増えるだろうが、3月以前はかなり悲観的。 ICU(集中治療室)で人工呼吸器を付けて治療を続けている高齢者の重症患者も多く、いまはまだ死なせるわけにはいかないから管に繋いで生かしている状態。
最終的な致死率(患者の中で死亡した割合)は40%を越えるのではないだろうか。

しかもこれは、H7N9対策が整った後の感染者も含む数値だ。それ以前はもっと高い値だっただろう。
4月14日までに発表された感染者60人中、3月31日以前に発症したと確認出来たのは28人。治療中の患者もいるが、これまで(4月26日まで)に快復したと確認できたのはわずか4人だった。

3月5日に、全国人民代表大会(全人代)が開幕し、習近平体制が正式に発足した。

その最初っから、数日で重症化し致死率が高い鳥インフルエンザが流行していて、初期の対応を間違えた事を認めることが出来なかったのかもしれない。

そこで、ニュースになりにくい、ちょっとずるい方法で情報公開していると思われる。



4月25日、米国の医学誌ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン(NEJM)で、中国CDCによるH7N9鳥フル感染者の詳細がまとめられた論文が発表された。

4月17日までに発表された感染患者82人の「発症した日」を元にしたグラフから、3月中に断続的に発症患者がいたことが、新たに分かった。 当ブログで書いた、4月14日までに発表された感染患者60人を調べた結果と比べてずいぶん増えていたので、ちょっと吃驚。

Preliminary Report: Epidemiology of the Avian Influenza A (H7N9) Outbreak in China(NEJM)
April 24, 2013 | A. Li and Others (DOI: 10.1056/NEJMoa1304617)

【H7N9鳥インフル】感染者が「発症した日」を元に、グラフを描いてみた。: メモノメモ

Figure.1 Date of Onset of Illness in First 82 Patients with Confirmed H7N9 Virus Infection, According to Province in China.
201304birdflu1301
(大きな画像にリンクしています)

「3月19日・20日・21日」の江蘇省(緑色)の感染者6人をキーとして見てみよう。

それ以前の発症者は、NEJMの論文では11人(上海7、浙江3、安徽1)、当ブログ記事では4人(上海2、浙江1、安徽1)で、その差は7人。 4月16日に上海衛生局が、再検査したサンプル4件が陽性反応が出たので"回顧性症例"として発表し、感染者数に追加した。
さらに3人(上海2、浙江1)が隠れていたことになる。これらは4月14日より後に確認された感染者であり、発症日は約1ヶ月前なわけだ。

しかも、治療中か、検体が残っていて再検査に回された例だけだ。

たとえば、2月19日に発症した上海の李さん(87)の次男(55)は、2月11日に発症し28日に死亡しているが、検体が残っておらず再検査をしていないため、あくまでも「疑い例」であって「感染者」には含まれない。(上のグラフでも、2月11日発症者は載っていない)
同じ様に、重度の肺炎で死亡した人の中に、H7N9鳥フルが原因だった患者がいた可能性は高いだろう。

さらには、充分な診察を受けられずに、普通の風邪や季節性インフルエンザをこじらせたと見なされた患者も多いのではないだろうか。
すべての中国人民が、公平な医療サービスを受けていると信じる人はいない。


上海では4月11日から新たな感染者は発生していない。 
感染者が確認された省は増えてはいるが、新たな感染者がだらだらと確認されている感じ。例えが悪いがロングテール状態。

幕引きを考える頃合いだ。


しかし過去の感染者を隠蔽したままでは具合が悪い。
もし後に暴露されたら、SARSの時から体質が変わっていないと見られてしまう。 そこで“回顧性症例”という大義名分を作って、過去の感染者を掘り返してこっそりと発表しているのだろう。
すでに死亡している場合は、発表されないまま、検体が残っていないからと再検査はされず、原因不明の肺炎や呼吸器疾患で死亡したと記録されるのだろう。



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李克强:继续毫不松懈科学有序做好重大疫病防控 - 高层动态(新华网)

中国CDCは、NEJM誌にまとめ論文を発表した。
米国の医学誌に掲載することで、中国でのH7N9鳥フルの流行が終わりにきている事を、米国に対してアピールしていると思われる。

国家衛生・計画出産委員会は4月24日に、これまで毎日実施していたH7N9鳥インフルの感染状況の発表を週1回にすると発表したそうだ。(参照

もしこのまま、流行がおさまっていけば、

カーテンコールは、中国当局の迅速な対応という自画自賛、情報の透明性を外国も絶賛したという自己満足、習近平体制はこれまでとは違うというアピール、そして勝利宣言だろう。



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