「米原潜の侵入を拒む新兵器・昆布陣」はどこに布陣されるのか?(笑)
(铁血社区より)
いつも楽しく読ませていただいている、KINBRICKS NOW(キンブリックス・ナウ)さんとこの「米原潜の侵入を拒む新兵器・昆布陣=タカ派四天王筆頭、“逆神”張少将がまたも笑いものに」の記事。
CCTVのある軍事番組でもそんな感じで盛り上がっていたようで、議題が米軍の原潜は黄海に北朝鮮への脅威となるのか、が議題となった。
そこで発言したのが張少将。黄海は浅い。だいたい50メートル程度しか水深がない。それでもむりやり潜ったとしても、そこには昆布の養殖施設があるではないか。昆布をくっつけた、ぶっといナイロンロープが十重二十重にはりめぐらしてあり、原潜は身動きとれなくなるであろう……。
中国では、「お安くていいです」「周辺海域で昆布を養殖すれば海軍はいらない」などなどネット民の笑いものになっているそうだ。
とんでもないアイディアに聞こえるが、これまでにも、とんでもないアイディアの兵器が作られている。本当に笑っていていいのだろうか?(笑)
少し調べてみた。
結論から書くと「可能性はゼロではない」。
過去に、漁網による潜水艦の事故例がある。
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2005年に、ロシアの「AS-28」型深海救難艇が、カムチャッカ半島沖での訓練中に古い漁網に引っかかり水深190mの海底から浮上出来なくなる事故が起きた。
船員7人は、英国王立海軍のROV「Scorpio」により救助されている。
小型の潜水艇は、高精度のソナーなどを積む余裕がないため、潜水中に漁網などを発見しにくいと言われる。
Russia to acquire two Scorpio submersible vessels after the mini-sub accident(pravda.ru|2005/08/10)
Scorpio ROV(Wikipedia)
張少将がイメージしたのは、恐らく、1992年のオーストラリア海軍の潜水艦の事例だろう。
1992年に、豪州海軍のオベロン級潜水艦「HMAS Otama」が、南シナ海で作戦活動中に漁網に引っかかり強制浮上を余儀なくされた事故が起こっている。
この事故によって、豪州が、東南アジア地域で冷戦時代から続けていた潜水艦による諜報活動が、文字通り陽の光の下に晒されてしまい、結果、オペレーションが終了することとなった。
Royal Australian Navy Submarine Service(Wikipedia)
オベロン級潜水艦は1960年代に就役した潜水艦で、基準排水量1,600㌧。ディーゼル2基で6,000馬力を出す。(Wikipedia)
原子力潜水艦、たとえば米国海軍のオハイオ級は、基準排水量16,000㌧。原子炉1基・蒸気タービン2基で60,000馬力。オベロン級の10倍以上の重量と馬力である。
もし中国で、10倍以上の強度を持つ漁網やロープを使い、原潜に探知されず衛星写真でも分からない「ステルス昆布陣」が実用化されれば、そしてそこに誘い込めれば、原子力潜水艦を阻止できるかもしれない。
では、「昆布陣」はどこに布陣されるだろうか?
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黄海南部の広い海域では、海流が早く、昆布が十分に生育する栄養に乏しいだろう。単なる防潜網でなく「昆布陣」を作るなら、沿岸近くの海域だ。
黄海での海藻の重要な生息域は、主に山東半島の沿岸の水深の浅い海域にまとまっている。老百姓たちも駆り出しやすい。
非常時には、「昆布陣」の養殖いかだに推進器を取り付けたり、中国船に引かせることで、黄海の広い海域に展開するのではないだろうか。
中国にとって最も重要なのは黄海から渤海の海域だ。
黄海北部海域に「昆布陣」を敷く大作戦により、諸葛孔明の「八卦陣」の如く、米軍原潜を行動不能に陥らせることが出来るのだろう。
“逆神”張少将は、先の先の先の先のののののの、まで考えておられるのですよ(きっぱりw)
1000年後には「張氏の兵法」として伝説となることだろう(笑)
毎度毎度、楽しませてくれます。(笑)
それにしても、何のために、原子力潜水艦はそんな浅い海域に入り込んでいくんだろ?(笑)
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