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2013年5月18日 (土)

【検証動画】3本を検証してみた。|台湾漁船へのフィリピン公船による射撃事件

201305twph004

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台湾の漁船に対して、フィリピンの公船が射撃を行い、漁師1人が死亡した。
この事件についてYouTubeなど動画投稿サイトで、いくつかの検証動画が公開されています。

制作者や動画の内容を吟味せずに、明らかな間違いや勘違い、煽るようなセンセーショナルな文章をそのまま拡散するのは、台湾とフィリピンどちらにとっても賢明ではありません。
安易に拡散して、感情的対立を深める手助けをして、台湾とフィリピンの関係がさらに悪くなったら、いったい誰が得をするのか?、よく考えてみてほしいものです。

検証動画3本(制作者2人)を、検証してみました。
お奨めは、1本目と3本目です。

これまでの記事:
台湾の漁船に対してフィリピンのパトロール船が銃撃、1人死亡。|現地報道いくつか、まとめ。: メモノメモ(5/13)
台湾漁船へのフィリピン公船の射撃事件|45の弾痕と射撃方向から、事件発生時の状況を考えてみた。: メモノメモ(5/16)
【検証動画】誰が嘘をついているのか?| 台湾漁船へのフィリピン公船による射撃事件: メモノメモ(5/17)



前の記事で紹介した「「2 Minutes, One Fact—What Philippine Government Did and Said to Taiwan」(真実は1つ - フィリピン政府は、台湾に何をして、何を言ったのか?)。

制作者の「KuanBiling(管碧玲)」は、台湾立法院の民進党の立法委員(国会議員)です。(Facebook) ブログで、個人的に制作した動画だと説明をしています。
管碧玲籲政府動起來對國際宣傳 在全球平台展示真相 - 高雄長紅-管碧玲部落格

この動画では、「Taiwanese vessels rammed...(複数の台湾漁船が体当たりを〜)」と報道しているが衝突の跡はないこと、警告射撃の回数が食い違うことなど、フィリピン大統領府の発表に疑問を呈しています。

前の記事で書いたように、フィリピン沿岸警備隊(PCG)の複数回の報告にいまひとつ一貫性がないことから、沿岸警備隊が射撃(と射殺)を正当化するために、その都度、矛盾せず後でごまかせる程度に、都合のよい表現を選んで報告していたのではないかと感じています。
フィリピン大統領府は、そこんとこしっかりと管理できていないですね。



現実問題として、台湾メディアの報道は中国語(繁体字)が中心なのに対して、フィリピンメディアは英語なので、国際社会に対してフィリピンの主張の方がよく伝わっています。これは日本も強く感じている事です。

台湾外交部は、後手に回ってしまいましたが、外国人記者との記者会見で英語で説明した図表を使うなど、国際社会に対して台湾の主張を知ってもらう努力を始めました。(参照:tw

台湾のネットでは、最初は「鍵盤(キーボード)開戦」と称してフィリピン当局サイトへサイバー攻撃(DDoS攻撃)を行っていましたが、今は「心戦」として、英語や日本語、スペイン語など外国語での事件の経過説明や台湾の主張を伝えるなど、情報発信をしています。(参照:tw) YouTubeでの、英語や日本語の説明が付いた動画もそのひとつでしょう。

ただ・・・、
台湾からフィリピン当局サイトへのハッキングやDDoS攻撃の時に、中国も加わり、台湾ネット民にやり方を教えたりツールを提供していたことが分かっています。政府組織のハッカーや五毛党かは不明。
網戰升高!儼然全民運動 大陸也出手 | 台菲網軍先開戰(5/13|聯合新聞網)

台湾国内の、反フィリピンの行動の中でいったいどのくらいが、裏にいるか、後になって検証されるのでしょう。

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日本語でも、検証動画がYouTubeで公開されています。SNSで拡散している動画のひとつには、間違いもあるので、テロップの煽るような表現をコピペして安易に拡散しないよう、注意が必要です。

『フィリピン公船による台湾漁民銃撃事件(2分で説明する)』
『フィリピン公船による台湾漁民銃撃事件(補充資料Ver.)』
この2本を公開している(5月17日現在)アカウント「siba0325」は、台湾人です(過去にアップした動画で自分で言っている)。説明の日本語もちょっとあやしい。

『〜(2分で説明する)』の方は、台湾の怒りが伝わってくるようです。『〜(補充資料Ver.)』で、ちゃんとした説明が出来ているので、怒りで、ちょっと間違えたのでしょう。

以下、スナップショット画像。
201305twph301

テロップ1枚目:「狩りみたいな撃ち方」
201305twph303
テロップ2枚目:「でも、射撃方向からみると、漁船のまわりをに回りながら(原文ママ)」


ツイッターなどSNSで多く拡散されている、センセーショナルな表現ですが、間違いです。

台湾漁船「廣大興28號」の弾痕のほとんどは左舷に、特に船体後部に集中しています。「漁船のまわりを回りながら撃って」はいません。
前の記事で検証をしました。ご参照ください。
台湾漁船へのフィリピン公船の射撃事件|45の弾痕と射撃方向から、事件発生時の状況を考えてみた。: メモノメモ
【検証動画】誰が嘘をついているのか?| 台湾漁船へのフィリピン公船による射撃事件: メモノメモ


テロップ3枚目:「漁民たちが死ぬまで止めないくらい撃っていた」
201305twph302

漁船の乗組員は4人(台湾人3人、インドネシア国籍1人)で、死亡は1人です。「漁民たちが死ぬまで〜」は間違いです。
45の弾痕は、そのほとんどが船体の後部に集中しています。 フィリピン沿岸警備隊隊員がM14自動小銃を使ったとすると、装弾数は20発、発射速度は毎分700発以上。複数の隊員で一気に撃ったとすると数秒で終わります。

テロップ:フィリピン政府が今回の事件についての説明:
201305twph305

「フィリピン政府が今回の事件についての説明:二、ただ警告したいだけ、一発二発くらいだけ」
「では、事実は? 前述通り、45発以上に撃たれ、水面下の船体も」

フィリピン政府の説明は、弾数ではなく射撃回数でしょうから、勘違いです。

フィリピン沿岸警備隊(PCG)の報告書では、台湾漁船が停船するまでに複数回の(空に向けた)警告射撃を行っています。その後、漁船への威嚇射撃や船体後部への射撃を行っています。 ただ、最初と後では、言うことが微妙に違っているのですよね。
【検証動画】誰が嘘をついているのか?| 台湾漁船へのフィリピン公船による射撃事件: メモノメモ

フィリピン大統領府が発表した射撃回数と、台湾漁船の船長が証言した射撃回数が食い違うのは、ここに原因があると感じられます。



「フィリピン公船による台湾漁民銃撃事件(補充資料Ver.)」
同じアカウント「siba0325」が公開している動画です。

こちらは、日本語の表現がちょっと変ですが、漁船の写真と「なぜ台湾が怒っているのか」説明が豊富で、分かりやすい。

ただ、日本語の表現が変だったり、中国語(繁体字)の漢字表現をそのまま使っている部分があるので戸惑うこともあるでしょう。書いていることを丸呑みせずに、噛み砕きながら読む必要があります。

201305twph304


「我々が要求したのは、政府から国と国対等な謝罪なんです。(原文ママ)」が、根っこにあると思います。 (´ ・ω・`)



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コメント

検証ありがとうございます。
あまり詳細な情報を日本メディアは伝えないので混乱しておりました。

いくらか欧米メディアの報道を見ましてもフィリピン寄りと感じたのですが、これは台湾の軍事演習を含めた反応がやりすぎということなのでしょうか?


コメントありがとうございます。
日本メディアは、ホントに台湾のことを報道しませんよね。(´ ・ω・`)

欧米メディアがフィリピン寄りなのは、ひとつは英語の問題だと思います。台湾メディアの英語版はあまり無く、ニュース映像が配信されてもプラカードは中国語繁体字だけで国内向け。また台湾の、中国との関係を知らなければ、アキノ大統領が謝罪をしたのに、写真や映像を見てなぜ台湾人があそこまで怒るのか理解しにくいでしょう。
これは日本でも同じで、多くの人は日本メディアか、中国メディア日本語版を読んで、今回の件を見ています。

>主様
回答ありがとうございます。
名無しで書き込んでしまいすいませんでした。

なるほど、発信力と受け手側の事前知識でいろいろ変わってしまいますもんね。フィリピン側の対応はあまりよろしくないと感じていたのでギャップを感じてしまいました。

PCGがEEZ内での違法操業で武器使用に踏み切ったことも非難されると思ったのですが、「45発はやりすぎ」くらいで射撃自体にあまり反応がなくて驚きました。海保では漁船に対しては放水、催涙弾くらいまでが限度ではないでしょうか?ロシア国境警備軍は引き金が軽いイメージではありますが。これが普通なんでしょうか

七子さま
フィリピン大統領府と政府の対応は、中間選挙があったとはいえ、誉められたものではなかったですね。危機感なさ過ぎ。
一方、台湾の方も、性急にそして強硬に対応しすぎた気がします。

日本の海上保安庁では、実弾の発砲は3重にも4重にも法的制限がかけられているのでむしろ特殊と思います。
かといって、空に向かっての警告射撃ならともかく、他国の沿岸警備隊などが簡単に相手に撃ち込むというわけでもないと思います。公戦規定は各国で違うでしょう。
その辺はあまり詳しくないので、このくらいで。

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