中国海警局が発足。隊員は16296人。3分局11総隊、より実戦的な組織構造に。

（中国海警2166（旧・中国海監66））

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3月の全人代（全国人民代表会議）で、複数の国家海洋局を再編することが決定した。「五竜」とも呼ばれる複数の海上法執行組織をとりまとめ、うち４つが統合再編される。

法案では、尖閣諸島周辺海域によく現れている中国海監と漁政、公安部の海警、密輸取締局の海関の海上法執行の職務、人員と船艇・航空機など装備を統合し、国家海洋局は中国海警局の名義を使い、公安部の指導の元で、海上の権利維持と法執行を実施する。　交通運輸部の海巡は、今回の組織統合は見送られた。（*1）

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7月9日、中国海警局の具体的な組織構成と、職責の強化や変更などが発表された。
時事通信や産経などが報道しているが、簡単な内容なので、少し書いてみたい。

尖閣念頭、海上監視に１万６０００人＝国家海洋局強化、武器配備も－中国（時事）
海洋局の権限、大幅強化　中国、組織再編を承認（産経）

中国海警局は、海洋権益維持のための具体的な法執行活動について、統一した指揮を行う。

国家海洋局の職責のうち、海洋総合管理、生態環境保護、科学技術創成制度などを強化し、海洋事業発展を促進する。　海上権益維持法執行を強化し、統一規則、統一建設、統一管理、統一指揮の中国海警船隊をもって、海洋の法執行能力を高めて海洋秩序と海洋権益を維持する。
また、海洋環境予報や海洋石油開発での原油漏れ対策などの職責を取消す（環境保護部へ移管？）など、職責を分担することを明確にしている。

国家海洋局に海警司を、海警司令部と中国海警指揮センターとして、新設し、海洋権益に関わる制度や措置を策定し、海警船隊などの海上法執行活動を指揮する。
海洋局財務装備司を、海警後方勤務装備部（海警后勤装备部）とし、物資や装備の調達、管理など後方支援を行う。　海洋局人事司は海警政治部を兼任する。

そもそも「『国家海洋局は中国海警局の名義で海上法執行活動をする』ってなんだそりゃ？」、なところは、まだあまり変わってなくて、人事も組織もいろいろと面倒くさいです。

（*1）
国土資源部・国家海洋局・中国海監総隊（海監）
公安部・辺防管理局・辺防海警部隊（海警）
農業部・漁業局（漁政）
海関総署緝私局（海関）　（*）税関密輸取り締まり局
交通運輸部・海事局（海巡）

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（南都网より）

中国海警局は３海区に、北海分局（渤海・黄海北部を管轄）・東海分局（黄海南部・東シナ海）・南海分局（南シナ海）を設置し、それぞれの所轄海域の海洋監督管理と権利維持・法執行の職責を担う。さらに11の沿岸州（自治区・直轄地）に海警総隊と海警支隊が設置される。
中国海警・東海分局所属の海洋監視船「海警2350」（旧・中国海監50）とか、福建海警総隊所属の海洋監視船「海警8002」となるのだろうか。（3海区分局以外の船艇の船番のパターンは、まだ情報不足なのではっきりしていない）

中国海監の海洋監視船が、中国海警の新たなペイントに。「海監50」は「海警2350」、「海監66」は「海警2166」に。: メモノメモ

国家海洋局・中国海監の組織構造と似ているが、たとえば中国海監東海総隊・第六支隊（尖閣周辺によく来る海監66が属する）のような海区総隊の指揮下にあった支隊は無くなったのだろう。全ての海警総隊および支隊が中国海警局の直属となり、直接の指揮で海上法執行活動が行われる。

海監や漁政に比べて、機能的かつ実戦的（戦闘的という意味ではない）な組織になっている。

国家海洋局は、中国海警局局長を兼任する副局長を1名増設し、副局長4人とする。中国海警局局長は、公安部の孟宏伟副部長が兼任する。国家海洋局の刘赐贵局長は、中国海警局の政治委員を兼任する。
国家海洋局の、指導部以下の組織人員は372人で、2008年の133人から3倍近くに拡大した。

海警総隊・支隊の総編成は16,296人。 （単純比較は誤解の元だが、海上保安庁は定員12,247人（2011年度末時点））
海監、漁政、公安部海警、海関の、海上法執行に関わる人員は、基本的に海警総隊および支隊に統合されていく。
もっとも、中国海監の人員が8,000人、中国全体（河川、湖含む）の漁政人員が35,000人（参照:cn）と言われていたので、海上での法執行に関わる部分を抽出して統合再編し、それ以外の人員は海洋権益や法執行には関わらない任務を行うのだろう。

4組織が再編統合されるというので、単純に合算するなど少し誤解が生じているようだ。

毎日新聞の記事では、「所属船艇は３０００隻を超えるとされ、東シナ海、南シナ海に派遣される。」と書いてあるが、「五竜」の総船艇数と言われる3000隻のうち、中国海警局に統合再編していない海巡の船艇が全体の半数を占めている。

また、その9割以上が100トン以下の小型船艇であり、1000トン級以上の大型船は現在、50隻前後。

新しいニュースにいきなり過剰反応する必要はないが、1000トン級の新造計画が進められており、数年以内に海上保安庁の保有数を超えるだろう。

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ところでこの毎日新聞や時事通信の記事では、京華時報の記事が参照されている。　その京華時報の記事の中で、毎日・時事が触れていない部分がちょっと面白い。

中国社会科学院の沿海・領海問題の専門家、王晓鹏（王暁鹏）は次のように解説をしている。

公安部・海警の力が国家海洋局に取り入れられるだろう。中国海監との最大の違いは中国海警は武器を装備しているところにある。周辺国家による中国の漁民に対する暴力的な法執行行為に対して、より有効な対策を行えるだろう。また、周辺国家の武装漁民による主権侵害行為に対しても、より良い法執行能力となる。

将原本隶属于公安部的海警力量纳入国家海洋局，王晓鹏介绍，与之前海监力量最大的不同是，海警配有武器，这对于周边国家对我们的渔民暴力执法的行为有了更有利的反制措施。同时，对于周边国家武装渔民的侵权行为也有了更好的执法能力。同时，与日韩的海上武装力量相比较，中国海警属于国家海洋局，总体保持行政执法、公务执法的职能。而日海上保安厅、韩海上警察厅属于准军事化力量，它们有时担任军事执法的职能。所以，从力量上来讲，两者还是没有可比性。
国家海洋局吸纳配武器海警（京华时报）

はい、皆さん、声を合わせてー

「お前が言うな！」ｗ

（大紀元より）

周辺国家から総ツッコミが入りそうな解説でした（笑）
特に、中国の武装漁民の攻撃で殉職者まで出している韓国の海洋警察庁は怒っていいと思うぞ。

別にベトナムやフィリピン、北朝鮮や韓国と接していたり重複して主権主張している海域で、それらの国の漁民が武装して問題を起こしていないとは言わないけど、国際的、特に東アジア的には「武装漁民」「武装漁船団」というと中国じゃね？

中国の公的機関の、自分ちの事は棚に上げて相手の責任だと言い切ってしまうところや、自分の国で起こっている事をそのまま他国もやる事だと言い出すところがよく出ていると思います。

官僚組織による社会管理体制が行き着いてしまうと・・・、こうなってしまうのかなあ（´ ・ω・`）

その後に、中国海警局は行政法執行のための組織であって、日本の海上保安庁と韓国の海上警察庁のような準軍事組織とは比較できないと言っている。　中国海警局が目標としているのは米国の沿岸警備隊なので、むしろ、海保や韓国海警のような準軍事組織と言えるような装備と職能を広げて行くことに含みをもたせているように感じられる。

国家海洋局“三定”方案公布 取消6项职责--人民网
国家海洋局“三定”方案公布 设11个内设机构--人民网
国家海洋局人员编制372名 局长1名副局长4名--人民网
国家海洋局设3个海警分局负责海上维权执法 编制16296名--人民网

中国将设11个海警总队_南都网
国家海洋局吸纳配武器海警_京华时报

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