引っ越し先(別宅)

おすすめ

RSS

twitter

  • Speechballoonorangepicon150px @pelicanmemo

    記事にした話題の、書けなかった余談やその後の話。その時々のニュースでも深読み気味。

banner

ウェブページ

無料ブログはココログ

« 【尖閣】東シナ海に国籍不明の無人機 飛行コース 中国の"BZK-005"、あるいは"翼竜-1"か?  | トップページ | 【尖閣】国有化から1年 中国海警局の心理戦の武器は、生中継と女子アナタレント(けっこう可愛い) »

2013年9月10日 (火)

「国家海洋局」と「中国海警局」の組織。中国共産党との関係?

201306ccg105
(中国海警局のエンブレム。盾とオリーブの葉をイメージしているそうだ)

このエントリーをはてなブックマークに追加


2012年9月11日に、日本政府が尖閣諸島の3島(魚釣島、北小島、南小島)の国有化を発表して1年が経った。
その後、中国の国家海洋局・中国海監の海洋監視船と漁業局の漁業監視船に船隊による、尖閣諸島周辺海域の航行は59回、2013年7月に中国海警局が正式に発足してから8回を数える。(2013年9月10日現在)

日本メディアのテンプレート通りの記事では当たり前に「海警局」「海警」と使っているが、どのような組織か十分に解説している記事はほとんど無い。 イメージばかりが先行していて、中国海警局が正式に発足したらいきなり最新の海警船がやってきたり、武装した船が来ると勘違いしている人もいるようだ。

実のところ、この「中国海警局」は、正式発足時点の情報は少なくその後の追加情報もほとんど無い、曖昧な部分が多い「謎」な組織だ。

おそらく、専門家の方々は十分な調査資料をお持ちなのだろう。
今年末に発表されるだろう、防衛省のシンクタンク、防衛研究所の『中国安全保障レポート2013』で詳細に解説されると思う。そう期待している。

(追記:2014/2/1)
発表されました。

【海警局】中国安全保障レポート2013 国家海洋局と中国海警局、国家海洋委員会: メモノメモ
(追記ここまで)


海上保安レポート〈2013〉海上保安レポート〈2013〉
海上保安庁

日経印刷 2013-05
売り上げランキング : 69753

Amazonで詳しく見る



8月下旬に東京財団から『中国海警局発足について』という分析レポートが発表されていた。
中国海警局発足について|分析レポート[特別投稿]川中敬一氏/東京財団アソシエイツ

「海警局の職責と具体的権限」について詳しく、興味のある方は一読の価値があるレポートだ。
ただ、組織図で非常に気になる部分があった。

201309soaccg002
中国海警局発足について(東京財団)より)

中国海警局が国家海洋局に隷属する部局のように描かれている。
具体的には、国家海洋局に新設された "海警司" が "中国海警局" であると描かれている。これには違和感を感じる。


そういえば・・・うちのブログでは、海監や海警の船や航空機については色々書いてきたけど、国家海洋局と中国海警局の組織について特に書いたことはなかった。メモがわりに簡単にまとめてみたい。

組織図の疑問点は後で書かせてもらうとして、まず本題の、私なりに想像した所を書いてみたい。
ご笑覧ください。(´ ・ω・`)

海上保安庁 その装備と実力に驚く本 (KAWADE夢文庫)海上保安庁 その装備と実力に驚く本 (KAWADE夢文庫)
社会情報リサーチ班

河出書房新社 2013-05-16
売り上げランキング : 148799

Amazonで詳しく見る


国家海洋局の統合再編案では、中国海監総隊(海監)、公安部辺防海警(辺防海警)、農業部漁業局(漁政)、税関総署密輸取り締まり警察(海関)の法執行部隊を統合し、中国海警局の名義で活動をしている。

その基本として、
国务院办公厅关于印发国家海洋局主要职责内设机构和人员编制规定的通知には、

国家海洋局は、中国海警局の名義でもって、海上の権益維持のための法執行を展開し、公安部の業務指導を受ける。

国家海洋局以中国海警局名义开展海上维权执法,接受公安部业务指导。

という、分かりにくい文言がある。これをどう解釈するかだ。

国家海洋局には管轄する3海区に、北海分局・東海分局・南海分局があり、その3分局もまた「対外的に、中国海警北海分局・東海分局・南海分局の名義で海上権益維持の法執行活動を行う」と規定されている。

设置国家海洋局北海分局、东海分局、南海分局,履行所辖海域海洋监督管理和维权执法职责,对外以中国海警北海分局、东海分局、南海分局名义开展海上维权执法。


今はまだ組織再編の過渡期にあると思うので、その文言通りに「国家海洋局」は、海洋権益維持のための法執行活動を行うときに、"対外向け"に「中国海警局」の名前を使う、二面性を持たせていると考えている。
将来的に、中国海警局は国家海洋局から分離するかもしれないし、このままずっと "表の顔"と"裏?の顔"を使い分けていくのかもしれない。少なくとも今後5年は、この体制が続くのではないだろうか。


そしてもう一つ、中国海警局とは別に、海洋権益に関わる政策等の最高調整機関として「国家海洋委員会」が新たに組織されている。この組織についての情報はさらに少ない。

これらから、やや想像過多気味にイメージしている「中国海警局」はこんな感じ。

201309soaccg001

(*1)国家海洋委員会の立ち位置が不明。
ちょうど、武装警察部隊(含む、辺防海警部隊)と公安部、中国共産党中央軍事委員会の関係のように、中国海警局は行政上は国家海洋局が管轄しているが、国家海洋委員会を通して中国共産党の直接の指導下にあるのではないだろうか?
(*2)このため、中国海警局を国務院(人民政府)の行政組織の枠内に収めていいものか迷った。枠ははっきりとは描かかずに済ませた。

国務院や国家海洋局の枠が、中国共産党の枠の外にはみ出しているのは変だという意見もあると思うが、地方政府や末端組織は管理しきれていないと思うので、そう描いてみた。


"後方勤務装備部"という表現は、辺防海警部隊や人民解放軍のような組織をイメージさせる。

国家中央軍事委員会と中国共産党中央軍事委員会は、同じ組織が2つの看板をかけているようなもので、人民解放軍は事実上の共産党の軍隊だと言われる。
同じように将来的には、中国海警局は、海洋権益の維持活動のための、事実上の中国共産党の準軍事組織にするだろう、と想像している。


中国共産党が、"核心的利益"と呼ぶ地域を含む海洋権益の維持、治安活動を一介の行政組織に任せるわけないし、1000トン級以上の船を40隻以上持ち、一部は武装している数百隻の船艇を擁する準軍事組織を、直接的に十分に"指導"できる体制にしないわけはないだろう。

尖閣激突  日本の領土は絶対に守る尖閣激突 日本の領土は絶対に守る
山田 吉彦 潮 匡人

扶桑社 2012-11-22
売り上げランキング : 538856

Amazonで詳しく見る


国家海洋局海警司を中国海警局とみなすことの疑問点。


まず人事。
国家海洋局の劉賜貴(刘赐贵)が留任し、局長・党組書記(留任)となり、中国海警局の政治委員を兼任する。
公安部の孟宏偉(孟宏伟)副部長が、中国海警局の局長となり、国家海洋局の副局長(新設)・党組副書記を兼任、公安部副部長・党委委員(正部級)も継続して兼任する。

局長が、隷属する下部組織の政治委員を兼任するとは、ちょっと考えにくい。

政治委員は政治将校とも訳されるが、人民解放軍だけではなく、政府の法執行組織でも設定され、司令官や指揮官と同じ序列で扱われる。
国家海洋局では、北海、東海、南海の各海監総隊、省(自治区・直轄市)の海監・漁業局(または、海監・漁業庁)の海監総隊や支隊でも政治委員は設定されている。 同じく漁政総隊や、城管、等々、法執行権限をもつ部隊に設定されている。(参照:cn

中国海警局が成立する前の、劉賜貴局長の肩書きは「国家海洋局局長・党組書記」で、中国海監総隊の政委は兼任していなかった。

次に、国家海洋局の指導部会議についての公式発表で、孟宏偉副部長(海警局局長)が参加している会議でも、中国海警局と書かれることは全くと言っていいほど無い。同一の組織とは感じられない。

そして、中国メディア報道だけでなく行政組織の多く(ほぼ全て?)が、国家海洋局と中国海警局とを並べて書いている。たとえば尖閣諸島周辺海域で何度か確認されている「海警2112(海監8002)」。

福建省海洋・漁業庁の海監総隊に所属していた「海監8002」が、海警局のペイントに塗り替えられて船名が「海警2112」となった時の公式発表では、次のような表現をしている。

8月9日、福建省海洋・漁業法執行総隊所属の元"中国海監8002"船は、国家海洋局と中国海警局の統一請求と配置に基づいて、"中国海警2112"として正式に編入され、国家海洋権益の維持と法執行活動に参加する。(以下略)

8月9日,福建省海洋与渔业执法总队所属的原“中国海监8002”船,根据国家海洋局和中国海警局的统一要求和部署,正式编为“中国海警2112”,参加国家海洋维权执法活动。这是我省首艘千吨级“中国海警”船参加国家海洋维权执法行动的海洋执法船,同时,拉开了我省海洋综合执法改革的序幕。
我省首艘千吨级“中国海警”船入编参加国家海洋维权 - 福建省海洋与渔业厅


中国海警局はあくまでも海警"局"であって、国家海洋局海警司のことではないだろう。

レポートでは「国土資源部・国家海洋"庁"・中国海警局」と混在させて書いている所に違和感を感じた。
日本の政府組織に合わせて書くなら「国土資源"省"・国家海洋"庁"・〜局」と書くべきだろう。国家海洋局の下部組織として中国海警局を設定するために、変な書き方になってしまったのかもしれない。


当レポートを貶めるつもりはない。組織構造について考えるよいキッカケとなった。
最初に書いたように、職責と具体的権限について詳しく書かれていて、非常に示唆に富んだレポートなので、非常に参考になります。ご一読あれ。




中国が耳をふさぐ尖閣諸島の不都合な真実 ~石垣市長が綴る日本外交の在るべき姿~ (ワニブックスPLUS新書)中国が耳をふさぐ尖閣諸島の不都合な真実 ~石垣市長が綴る日本外交の在るべき姿~ (ワニブックスPLUS新書)
中山 義隆

ワニブックス 2012-12-21
売り上げランキング : 99183

Amazonで詳しく見る

« 【尖閣】東シナ海に国籍不明の無人機 飛行コース 中国の"BZK-005"、あるいは"翼竜-1"か?  | トップページ | 【尖閣】国有化から1年 中国海警局の心理戦の武器は、生中継と女子アナタレント(けっこう可愛い) »

国際」カテゴリの記事

時事|中国海警局、海監」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/1205703/53212874

この記事へのトラックバック一覧です: 「国家海洋局」と「中国海警局」の組織。中国共産党との関係?:

« 【尖閣】東シナ海に国籍不明の無人機 飛行コース 中国の"BZK-005"、あるいは"翼竜-1"か?  | トップページ | 【尖閣】国有化から1年 中国海警局の心理戦の武器は、生中継と女子アナタレント(けっこう可愛い) »