中国、移動型の有人深海ステーション「竜宮」を公開 水深2500m級深海基地の構想も

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11月3日、 中国はじめての実験型・移動式深海作業ステーション（实验型深海移动工作站）の組み立て作業が完了し、内部の様子などが報道陣に公開された。
研究開発しているのは、7000m級有人深海潜水艇「蛟竜号」の研究開発の中心となった、中国船舶重工702研究所。全長13m、排水量35トン。6人が乗り込んで12〜18時間の水中作業を行うことが出来る。設計最大深度は水深150mで、推進器2基で移動し、腹部から無人探査機を下ろして作業を行う。（*1）

今後、細部の手直しを行って、近いうちに水面下での試験を行うそうだ。

我国首个实验型深海移动工作站完成总装（11/3｜科技网）
中国首个实验型深海移动工作站完成总装（11/3｜新华网）

外観が「蛟竜号」を長細くした感じなので、「ステーションというより、潜水艇じゃ？」と感じるが、これは更なる計画のための雛形にすぎない。昨年5月の海洋・深海博覧会で、さまざまな構想が発表されている。

次は、全長24m・300トン級、最大震度が水深1500m、12人が15日活動出来る中型・移動式深海作業ステーション「竜宮」を計画している。
さらに、2000トン級の、最大50人が2ヶ月活動できる、最大深度が水深2500mの大型・移動式深海作業ステーションの構想も立てられている。こいつの動力は原子力・・・。（*2）

子供向け学習雑誌の、「未来の社会と科学技術」の記事を読んでいるようだ。（笑）

（ニュース動画）

我国首个深海移动工作站“龙宫”完成总装（搜狐视频）

（このニュース動画の、スタジオの画面に表示されているのは中型（水深1500m級）のデザイン画）

（法制晚报）(2012/05)

正直、水深2500mで50人が2ヶ月活動できる深海ステーションとか、夢の計画としか思えないが、旧ソ連時代には圧壊深度1500mの原潜もあったことだし、全チタン殻製にするなど、現在の技術の延長線上で考えれば不可能ではないのだろう。　たまに報道される、日本のゼネコンの「月面基地開発計画」のように、技術力のアピール、優秀な技術者獲得のための宣伝の意図もあると思われる。

とはいえ、2000年代のイケイケドンドンな中国は、水深300mしか潜れなかったのにわずか10年で、7000m級有人深海潜水艇「蛟竜号」を自主設計・統合開発し、世界記録を塗り替えてしまった。中国の政治や経済、社会の今後の状況次第では、「うっかり」国家計画に組み込んでしまい、後は面子を守るためにプロジェクトが進んでいってしまうかもしれない。

・・・ちょっと楽しみになってきた。（笑）

（*1）水深150mまでなので深海ではないと思ったけど、原文が「实验型深海移动工作站（実験型・移動式深海作業ステーション）」なので、そのまま訳してみた。
（*2）今回の記事では"1500トン級や2500トン級"の深海作業ステーションと書いてある。これは恐らく書き間違いで、"1500m級や2500m級"の方が正しいだろう。

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