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2013年11月30日 (土)

台湾の防空識別圏(ADIZ)

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中国が設定した防空識別圏(ADIZ)に対して、台湾政府の対応は、直後に「遺憾」の意を表明、29日に「両岸(中台)関係の発展に無益だ」と中国に伝えるとの声明を発表しました。

中国防空識別圏:韓国とも一部重なる(11/25|毎日新聞)

【中国防空識別圏】台湾が「無益」と声明発表 飛行計画提出は継続(11/29|MSN産経)
馬不甩立院聲明 飛航計畫天天送中國(11/29|自由電子報)

ニュースで使われる東シナ海の地図やイメージ図では、日本と韓国が何十年も運用している防空識別圏と、中国が設定した防空識別圏は載っていても、台湾の防空識別圏が載っている地図は見かけません。
台湾メディアのネット記事を調べてみても、日本のとの境の東経123度線を載せたイメージ図くらい。気になったので調べてみました。


台湾(中華民国)の防空識別圏は、米国と「中美共同防衛条約(中美共同防禦條約)」を結んでいた時代(1954年~1979 年)に、米軍が航空管制と航空機識別のために設定しました。
緯度が北緯21度から北緯27度、経度が東経117.5度から東経123度で設定されていたそうです。

(二)台灣 防空識別區之設立緣起
台灣防空識別區一詞,是中 美協防年代由美軍律定台海週邊空防空域的責任區,由國軍負責台灣防空識別區內所有飛行器之識別、監控、攔截、側護 及接戰。該空域為北緯21至27度,東經117.5度至123度間的多邊形,內另劃有多處禁(限)航的 空域分別予以管制,由國防部會同交通部公布列管 ,該 空域總面積約15萬4,800平方浬。

航空器侵犯領空之探討(pdf)(空軍學術雙月刊, 2011.06)

これは、台湾空軍の中佐がまとめた資料で台湾国防部のサイトから。
2010年6月に、防衛省が与那国島の真上を通っていた防空識別圏を、領海12海里と緩衝区2海里の14海里(約26km)広げた時に書かれたもの。かなり読みごたえあります。

中国の防空識別圏 日本が先に「中国から130kmの距離にまで拡大」という印象操作: メモノメモ

台湾の電子式飛航指南(eAIP)によると、「臺灣防空識別程序」で定められた防空識別圏はこの範囲(臺灣防空識別區範圍)。
(追記:この緯度経度は、書類上の値だと思われます。詳細は後述の追記で。)

2100N 11730E
2100N 12130E
2230N 12300E
2900N 12300E
2900N 11730E
2100N 11730E

飛航指南 TAIPEI FIR


日本や各国の防空識別圏が、国際民間航空機関(ICAO)により設定された飛行情報区(FIR, Flight Information Region)に沿って設定されているように、台湾も台北飛行情報区(Taipei FIR)を参考にしたのでしょう。


参考までに、台湾周辺の台北FIR。
ADIZの境界は、このFIRの東経124度でなく東経123度です。北東の点の緯度が北緯29度のままなので、少しだけ大陸側に傾きますね。

(追記修正)
ツイッターでご指摘いただきました。
下図の飛行情報区(FIR)のうち、台湾海峡にある「2500N 12000E」が飛航指南にはありません。また、5つ目の緯度経度が「2900N 11730E」なので、中国大陸の内陸に位置してしまいます。
東シナ海の、東のデータばかり注目していたので気付きませんでした。m(_ _;)m

まさか、領海を越えて設定されていたとわ。


恐らく、台湾(中華民国)は中国の正統政府だと主張しているので、米軍が台湾周辺の防空識別圏を設定した時に台湾海峡に設定する理由がなかったのでしょう。むしろ積極的に内陸に延ばして設定したのかも。
その後、米国と中華人民共和国との間で国交樹立した後も、台湾には防空識別圏の緯度経度を変更する、政治的な必要がなかったのかもしれません。

書類上はそうなっていても、中国の領空には入れないので、飛行情報区(FIR)と合わせて弾力的に対応していると考えられます。日本との間でも、与那国島の領空をさけて運用していました(2005年に判明)。


台湾海峡の空域が曖昧になってしまいましたが、そこは台北FIRが基準になっているのではないでしょうか?
そうだと仮定すると、次のようになります(太字は修正個所)。
2100N 11730E
2100N 12130E
2230N 12300E
2800N 12300E(台湾FIRの値からの推測値)
2500N 12000E(台北FIRの値)
2300N 11730E(台北FIRの値)
2100N 11730E
(追記修正ここまで)

(追記:2013/12/04)
(注:詳細な地図が出てきたので、混乱を避ける為、前回の追記は削除しました)

12月2日付け、自由時報の記事に東シナ海部分の緯度経度が載っている地図が出ていました。台湾国防部の資料をもとに作図したものです。

201312adiz101
中設防空區 軍方低報重疊區域(自由電子報)

やはり台湾の公式の防空識別圏は、大陸内陸まで入り込んでいる最初の値で、実際の運用は別の値を使っていました。
中国の防空識別圏との重複箇所のうち、地図上の「B区」は国防部が報告している地域、「A区」はそうでない地域。実際に運用されているのは「B区」までなのでしょう。

一方、12月3日付け世界新聞網によると、ADIZに適用する海峡中央線は2004年に「北緯27度、東經122度,迄北緯23度、東經118度」と決定されたそうです。
國安官員 台防空識別區 扁時代就限縮

201312adiz102

しかしこの地図の、現行の台湾ADIZの地図(左側)を見ると「北緯27度、東経122度」ではなく、上の地図の「北緯26度30分、東経121度23分」が使われていると考えられます(中国ADIZの南西の点よりも南にある為)。

台湾ADIZの値と台北FIRの値をもとにして、上記の「A区」を削り、台湾・中国間の台湾海峡中間線が使われていると考えられます。

台湾ADIZは次の範囲(推測)。
(バタン海峡(フィリピンADIZとの境)から反時計回りに)

2100N 12130E(ADIZの値=台北FIRの値)
2230N 12300E(ADIZの値)
2700N 12300E(緯度は海峡中間線の値、経度はADIZの値)
2630N 12123E(海峡中間線の値)
2300N 11800E(海峡中間線の値)
2100N 11730E(台北FIRの値)

(追記ここまで)

台北FIR
201311adiz101
ICAO FIR WORLD



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