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2013年12月 6日 (金)

【H7N9鳥インフル】検査結果が「陰性」でも安心はできない  重態になった後に「陽性」確認

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香港ではじめて確認されたH7N9鳥インフルエンザ感染者、隣の広東省深圳市へ渡航した時に感染したと考えられています。

重要な事は、H7N9ウイルスに感染していても、発症初期の簡易検査では結果が「陰性」となる場合があることです。

もしかしたら、「中国のことだから(香港だけど)検査ミスや誤診だったんじゃない?」と思われるかもしれません。
科学的に説明できる理由があります。
これについて日本語情報は(今のところ)ほとんど無いので、前の記事でも少し強調して書いてみました。
【H7N9鳥インフル】香港で感染者を初確認 広東省深圳で感染: メモノメモ

また先日、感染症医の高山義浩先生とツイッター上で対話をする機会があり、この話をしました。

関連情報:高山義浩 | Facebook



高山先生は、朝日新聞の医療サイト「アピタル」で、「感染症は国境を越えて」医学コラムを連載しておられます。



香港の衛生当局もこのことは認識しています。
香港大学、感染伝染病センターの何栢良総監もまた、次のように解説しています。

今回の患者に対する、最初の2度の検査結果はどちらも「陰性」だった。何栢良は次のように解説する。現在の簡易検査では、H7N9鳥インフルエンザの感度は季節性インフルエンザに比べて高くはない。H7N9ウイルスの量は、通常は下気道(喉より下。気管と気管支、肺)に多く、発症の初期に上気道(鼻腔、咽頭、喉頭)から採取したサンプルには比較的に少ない。「陰性」という結果が出るのは珍しいことではなく、最終的にはPCR検査を行って確認しなければならない。

至於今次患者首兩次測試結果均呈陰性,何栢良解釋,現時的快速測試,對H7N9禽流感病毒敏感度,不如季節性流感般高;另外,H7N9禽流感病毒量,通常在下呼吸道較多,病發初期只在上呼吸道抽取樣本化驗,病毒量樣本較少,驗出陰性結果並不出奇,最後可以透過基因測試證實。

何栢良:H7N9快速測試敏感度不如流感高(12/3|香港電台、Yahoo 新聞香港)

香港衛生当局はSARS(非典型肺炎)級の厳戒態勢をとっています。密接感染者17人は、隔離してH7N9ウイルスの潜伏期間の最大10日間、さらにその後10日間、医学的観察をして感染の有無を確認します。医療関係者など約220人の接触者にも医学的観察を行っています。(詳しくは前の記事を参照してください)

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今回の、香港のH7N9鳥フル患者は、
発症後(詳細は省略します)、病状が悪化したので居住地域の病院に入院し、28日と29日に簡易検査を2度行いますが、結果は「陰性」でした。
その後さらに悪化し、瑪麗(Queen Mary)病院に移送してICUで治療を行い、分泌物(痰など)の検査をしたところ結果が「陽性」となり、H7N9ウイルス感染が確認されました。


今回の患者への対応でまずかったのは、最初に入院した病院で、感染者のインドネシア人家政婦が「深圳に行き、鶏を買って捌いて食べた」事を伝えず、医者が状況を把握しきれなかった事でした(香港電台)。 簡易検査の結果が「陰性」だったため鳥インフルエンザの可能性を軽視したことで、入院後に内科の大病室に入って、同室の6人の入院患者を密接に接触する状況に置いてしまった。6人は隔離されて医学観察中で、うち1人に風邪症状が出ているそうです。簡易検査の結果は現段階では「陰性」です。(星島日報

香港衛生局は今回後手に回った教訓から、風邪症状の患者の診察時に、域外への渡航経験や家禽との接触経験などH7N9リスクの有無を問診する事、PCR検査を行うことを指示しました。


同じように、 台湾で今年3月に確認されたH7N9鳥フル患者(江蘇省で感染か)でも、簡易検査で「陰性」だったのが、後の検査で「陽性」と確認されています。
【H7N9鳥インフル】台湾の感染者は、ゴルフ場で鳥の糞から感染か?: メモノメモ


中国でも間違いなく起こっているし、中国の衛生当局者も認識しているでしょう。
しかし残念ながら、そういった報道は見かけません。中国当局は、検査結果が明確に「陽性」と確認され、かつ症状が出ている患者だけをH7N9鳥インフル感染者としてカウントし発表して、報道させています。
たとえば今年春の流行時の、北京の未発症感染者の児童は感染者にカウントされていないので、中国の報道と日本の報道では感染者数が1人食い違います。さらに、グレイゾーンどころか真っ黒な患者(死亡)でも、検体が残っていないために「陽性」を確認できないなら感染者とは発表しません。
【H7N9鳥インフル】日本と中国の報道での感染者数の食い違い。感染者リストに載らない死亡患者の存在。: メモノメモ

発症初期に治療・快復したので検体がなくて検査・確認されない例もあるでしょうし、検査されずに亡くなった死亡例もあることでしょう。


日本でも充分に起こりうることです。

現段階ではH7N9ウイルスに変異や薬物耐性が起こっているという証拠はありません(香港政府新聞網)(NHK)。今回の香港衛生局の対応は過剰と思えますが、初の事例でもあり、変異の有無が確認される前なので仕方ないでしょう。

香港では、日本でも、水際作戦は現実的ではなくナンセンスなので徐々に長期戦に合わせた対応にシフトしていくと思います。
医療機関だけでなく、個々人の家庭、学校や施設、職場でも、H7N9鳥フルウイルスの特徴に合わせた衛生管理と健康対策が必要です。

H7N9鳥インフルエンザの感染者は、初期に風邪のような症状を発症した後、重度の肺炎など激症化するまでわずか数日で、病状の悪化が極めて早いという特徴があります(年齢や現病歴、体調も関係します)。

一方、早期治療が功を奏して、数日で快復した例も多くあります(参照)。過剰に心配する必要はありません。


簡易検査の結果が「陰性」でも、油断せず、早期発見・早期治療することが重要です。


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