【H7N9鳥インフル】30才代の感染者が増加傾向 ウイルスの感染力が強くなってきたのか?
中国で、毎日のように感染者が確認されている鳥インフルエンザ(A/H7N9)。
なぜ年を越してから急に、感染者確認の発表が増えたのか気になりますがそれはともかく。感染者のパターンが、昨年春の流行期とは少し違っています。
2013年春の流行時の感染者は、幼児と高齢者が多く、特に高血圧や糖尿病などの基礎疾患を患っている高齢者は感染・発症リスクが高く、重症化する傾向がありました。そこは変わっていません。 ところが、この秋から冬にかけての感染者を細かく見てみると、30才代40才代の感染者が増えているのです。
ツイッターのフォロワーさんたちは目にしていると思いますが、頻繁に現地ニュースを調べてツイートしてて、
なんか、若年の感染者が多いなー (´ ・ω・`)
と、気になっていたのですよ。
そこんとこ、浙江省の地元メディア "浙江在线" の15日付けの記事で、省内の感染者について簡単にまとられていたので、これについて少し。
杭州新增2例人感染H7N9禽流感病例 没有明显活禽接触史(杭州市で新たに2人のH7N9感染者 生きた家禽との明らかな接触歴は無い)(1/15|浙江在线)
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15日の浙江省衛生当局の発表までをまとめると、
この秋以降に、浙江省で確認されたH7N9鳥フル感染者は15人、2014年に入ってからは12人。(15日発表、杭州市の侯某、41才男性まで)
この12人の性別は、女性6人・男性6人で、半々。
年齢は、若い世代が6人(29才、30才、34才が2人、41才が2人)、50才以上が6人(51才、58才、59才、75才、78才、79才)。
29才〜41才の若い世代の感染者が多い事が分かります。広東省の感染者(香港の例も含む)でも、若い世代の感染者が複数出ている。
居住地域は、杭州市3人、寧波市(慈溪市を含む)4人、諸曁市2人、義烏市・平湖市・桐郷市で1人ずつ。昨年、嘉興市と紹興酒で感染者が出ているので、ちょうど杭州湾を取り囲む感じ。(浙江省中部内陸の義烏市を除く)。危険地帯の1つ。
それぞれの感染者は、居住地域が離れていて相関関係がないため、"散発的"な感染例と説明されています。
現段階では、広東省の仏山市と広州市のような「感染拡大」は、確認されていないようです。(仏山市の感染者は"生きた家禽"の運搬に従事していて、その家禽の卸し先のレストランで厨房のまな板と汚水からH7N9ウイルスが発見された。(金羊网))
感染者の多く(全員ではない)は、"生きた家禽"の販売をしていたり、自宅で飼育していたりと、何らかの形で"生きた家禽"との接触歴があります。
しかし例えば、香港で確認された3例目のH7N9鳥フル感染者(65才男性、死亡)は"生きた家禽"との接触歴はなく、正月に深圳市に出かけた時に感染したと言われています。
香港食物・衛生局の高永文局長は、"生きた家禽"と接触をしなくても、肉菜市場や商店街(街市)で店の近くを通っただけでも感染するリスクがあると、注意を即しています。
【H7N9】高永文:街市附近都可能感染(1/12|蘋果日報)
年齢に関わらず、高血圧や糖尿病など基礎疾患があったり、疲労で免疫力が下がっている場合は感染リスクは高くなります。
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30才代の感染者の割合が増えた理由は、いくつか考えられます。
"生きた家禽"との接触が原因と推測される場合が多く、高齢者は特にリスクが高いので、高齢者当人や家族・親族は、少しは注意をするでしょう。
一方、高齢者のリスクばかり強調され、30才代40才代は特に警告されていなかったので、感染症対策が比較的に甘いからかもしれません。(南方日报)
あるいは、家禽の売れ行きが落ちているので、高齢の従事者は養鶏や"生きた家禽"の販売を一時休業したり、養豚・豚肉販売にジョブチェンジしたのかも? 相対的に若い世代が、"生きた家禽"の飼育・屠畜・販売に従事する割合が高くなったとか。(*1)
陰謀論が好きな人は「高齢者の感染者はずっと多いのに中国政府によって隠蔽されているんだ」と考えるかもしれません。
隠蔽があるかどうかはともかく、実際問題、H7N9鳥フル感染が確認されて隔離治療となったら、人工肺・人工肝臓での緊急治療も含めて高額の医療費が長期間かかります。(*2) 広東省など補助金を出している所もありますが、受診を躊躇し運良く軽症で治癒したなど、確認されていない感染者のすそ野は広そうです。
そして・・・
ウイルスにすでに、比較的に免疫力が高い若い世代にも感染しやすい、感染後に増殖して発症しやすいような変異が起きている可能性。
あくまでも、個人的な感想です。
頻繁に現地メディアの関連ニュースを読んでる、その感触。嫌な感じです。香港の神経質な報道にちょっと流され気味かも(苦笑)
香港衛生当局は、香港市民に対して"生きた家禽"との接触をしないだけでなく、特に中国東部や広東省を訪れる時は、市場や商店街(街市)に行くことを避けるよう注意を即しています。
食物及衞生局局長高永文表示,當年香港出現H5N1禽流感時,部份患者雖然無接觸活家禽,但由於經過街市或附近地方而感染,呼籲港人到內地,特別是華東及廣東地區避免前往當地街市。
【H7N9】高永文:街市附近都可能感染(1/12|蘋果日報)
(*1)中国の大学で、H7N9鳥フル流行後の、養鶏業と"生きた家禽"屠殺販売業における就業者の年齢構成の変化とか、社会学的調査をしてくれないかなあ(´ ・ω・`)
(*2)広東省広州市のはじめてのH7N9鳥フル患者の例では、緊急医療の費用は1日1万元(約17万円)以上。この患者は「新农合(新型農村合医療制度)」に加入していたので一部負担で済むそうだ。(广州日报)
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