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2014年5月19日 (月)

消息不明のマレーシア航空機、捜索|中国は有人深海潜水艇「蛟竜号」を投入できるか

201405jiaolong001
大公网

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マレーシア航空MH370便が3月8日に消息を絶ってから、もう2ヶ月が経った。
オーストラリアの西方のインド洋南部で墜落したと推測され、広大な海域での捜索が続けられている。
中国では、世界一の性能と喧伝している7000m級有人深海潜水艇『蛟竜号』を捜索になぜ使わないのか、との声もあるそうだが、潜水能力以前の問題として難しいだろう。

日本での報道は減って忘れられかけている話だけど、ずっと気になっていたので、少し書いてみたい。



今回、MH370便には中国人乗客が多く乗っていたこともあり中国は積極的に情報提供を行っている。もっとも、・・・フライングや間違った情報があって混乱させていたようだ。

インド洋では、中国も継続的に艦船を派遣し、5月10日には海軍の測量船『872 竺可桢』号(もと『海洋20号』)が到着、海底の探査とブラックボックスの捜索を行っている。海軍が派遣した、のべ10隻目の艦船だ。(新华网

交通運輸部・海事局の『海巡01』や救助サルベージ局(中国救捞)の『南海救115』『東海救101』、海軍の駆逐艦数隻を派遣している。(現在、何隻が捜索しているかは曖昧)
南極観測隊を運んだ砕氷船『雪竜(雪龙)』も、南極からの帰国途中に捜索に参加していた。

中国の7000m級有人深海潜水艇『蛟竜号(蛟龙号)』の派遣を求める声もある。

『蛟竜号』は北東太平洋で5000m級、マリアナ海溝で7000m超の潜水記録を持つ。マレーシア航空MH370便が墜落したと推測される海域は水深4500mくらいなので潜水能力だけを考えると不可能ではない。
蛟竜号の副総設計師 胡震によると、命令あれば捜索に出発する準備は出来ている、ただし現場海域の海況等級が4級未満(波高1.25m未満)だそうだ。少し波がある程度の海況。(中新网
海况等级表 - 国家海洋环境预报中心


ブラックボックスの位置がかなり絞り込まれたのなら検討するだろうけど、南シナ海なら兎に角、これから冬になり海が荒れやすいインド洋南部では難しいんじゃないかな。


『蛟竜号』の母船『向陽紅09(向阳红09)』は、深海潜水艇運用の為に設計された船ではない船齢35年の老船であり、海の天気の悪化に弱い。
2011年の北東太平洋のマンガン鉱区での潜水試験航海の際、悪化した天気の中で『蛟竜号』を揚収せざるをえなくなり、ハンガーにぶつけるなどトラブルが起きている。


2011年の潜航試験航海の時には、『蛟竜号』には海上用GPSが付いていなかった。
天気が悪化した中、海面に浮上した『蛟竜号』をすぐに見つけることが出来ず、さらに悪化した状況で揚収しなければならなくなった。蛟竜号のパイロット 付文韬(付文韜)は浮上した後回収されるまで、大きく揺れる艇内で大声で歌を歌って元気を出して、必死でしがみついていたそうだ。

その反省から、『蛟竜号』にも中国独自のGPS『北斗』が搭載され、超短基線(SSBL)と長基線(LBL)の測位装置の改良が行われている。
この北斗GPSは開発途上のシステムであり、現段階での衛星数でインド洋南部で十分な位置情報の取得は出来るのだろうか?
今年の『蛟龙号』の試験的応用航海では、11月にインド洋南西部の金属硫化物鉱床海域での潜水を予定しているので、それほど気にすることはないのかもしれないが・・・(潜水予定海域は、アフリカに近いあたり)

捜索海域では、海底の地図も十分には作られていない。
その後、経験を積んできたとはいえ何といっても虎の子の、世界一の潜水記録を持つ有人深海潜水艇である。この失敗体験はトラウマとなりさらに慎重になっているだろう。


もしこれまでの探査データを解析してブラックボックスの詳細な位置を特定出来たとしても、無人潜水艇の方が適任だろうし、もし中国が回収のために『蛟竜号』を投入する事にしたら、国内的にも国際的にも注目され大きな成果を期待されるだろう。
もし見つけられなかったり回収できなかった時に、失望されたり非難されるようなリスクをとるかな?


蛟竜号の、7000m級潜水試験に向けた改造と「失踪事件」: メモノメモ





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