肝臓エキスと肝臓水解物(肝臓加水分解物)の違い ウコンの力・レバープラスやヘパリーゼ
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日々、領土争いが続くコンビニの商品陳列棚。
ドリンク剤コーナーの戦いは、今年になって激しさを増しています。
お酒を飲む人向けの、肝臓をサポートする製品は『ウコンの力』に代表される「ウコンエキス(クルクミン)」製品ばかりでした。そこに「肝臓エキス」を配合した製品が進出し、急速に勢力を拡大しています。
近所のコンビニで扱っていなかったので気付かなかったけど、『ウコンの力』ブランドでも、今年春から「肝臓エキス」を配合した『ウコンの力 レバープラス』が新発売されていました。
ゼリア新薬工業の『ヘパリーゼⓇW』『ヘパリーゼⓇW ハイパー』がコンビニに攻めてきたので、ハウスウェルネスフーズも新戦力を投入して戦線を強化してきたのでしょう。
さらにそんな中、サントリーも、ウコン成分の九州率を高め生薬を配合した『超ウコン』で、「サントリーは3倍」の宣伝文句で 角を付けた赤いボトルで参戦してきました。(「肝臓エキス」は含まれていない)。
ドリンク剤コーナーの戦いは、更に激しさを増しそうです。
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以前、ゼリア新薬の『ヘパリーゼ』ブランド製品に含まれている「肝臓加水分解物」って何かいな? と気になったので、少し調べて、複数の記事を書いてみました。
ヘパリーゼ、肝臓水解物(肝臓加水分解物)について調べてみた: メモノメモ
ヘパリーゼ、肝臓水解物(肝臓加水分解物)とプリン体について調べてみた: メモノメモ
「ヘパリーゼ」ドリンク剤6製品+1を比較、飲み比べてみた。|『ヘパリーゼWハイパー』『Hi』『キング』『ヘパカン』など: メモノメモ
また気になったので、「肝臓加水分解物」と「肝臓エキス」の違いについて、医者でも薬剤師でもない素人ながらに調べてみた。
(*)「肝臓加水分解物」には「肝臓水解物」等々、複数の名称があります(後述)。ここではまとめて「肝臓加水分解物」と書いています。
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結論から書くと、
「肝臓エキス」と「肝臓加水分解物」は、厳密には別物。現段階では、大きな違いがあるとは感じられないが、成分や性能の比較は公開情報が少ないため難しい。
制度上、区別されている。
第3類医薬品の成分名の“生薬及び動植物成分”一覧では、「76 肝臓エキス」「77 肝臓加水分解物」と区分されています。
厚生労働省の、国内産ウシ原料を使用した代表的製品の参考資料では「肝臓エキス、末、加水分解物(有効成分)」と区別されています。
「肝臓エキス」は「ドリンク剤類似清涼飲料水」に配合され清涼飲料水として売られています。それと比して「肝臓加水分解物」は、第2類や第3類医薬品の「ドリンク剤」に配合され、薬局等で売られています。
また、日経ヴェリタス(2014年6月22日号)の"会社がわかる"面【ゼリア新薬工業】記事によると、コンビニへの商品投入を決めるにあたって、
医薬品として出す方法もあったが認可に時間がかかるため、肝臓水解物を肝臓エキスに代えるなど成分を調整し、清涼飲料水として発売した。(一部引用)
のだそうです。
一般用医薬品販売制度(厚生労働省)
第三類医薬品(pdf)(厚生労働省)
国内産ウシ原料を使用した代表的製品(厚生労働省(2001))
日経ヴェリタス 2014年6月22日号 日本経済新聞社 2014-06-22 売り上げランキング : Amazonで詳しく見る |
「肝臓エキス」についての情報は、「肝臓加水分解物」と比べるとずっと少ない。
ゼリア新薬は、「肝臓エキス」について『ヘパリーゼW』「ヘパリーゼWハイパー』の製品情報で
天然良質なレバーを細かく分解したもの。肝臓を構成するタンパク質の原料を効率よく摂取できます。
と説明しています。ペプチドやアミノ酸ということでしょう。
製品情報 ヘパリーゼW [ HEPA! 飲むならヘパ! ]
ハウスウェルネスフーズは具体的な説明は見当たりません。アレルギー表示から、豚由来の肝臓が原料だと考えられます。
ウコンの力 レバープラス | 商品情報 | ハウスウェルネスフーズ株式会社
ウコンの力 レバープラス公式ブランドサイト | ハウスウェルネスフーズ
日本経済新聞の記事(参照)では、「医薬品の成分は含まず「清涼飲料水」に分類されるためコンビニ専用で販売」と書かれているのですが、「肝臓エキス」は第3類医薬品の成分名一覧に載っています。
前述した日経ヴェリタスの記事内容を考慮すると、「医薬品的効能効果を標ぼうしない限り医薬品と判断しない成分本質(原材料)」として扱われているのではないでしょうか?
ハウス『ウコンの力 レバープラス」やゼリア新薬『ヘパリーゼW』「ヘパリーゼW ハイパー』の製品情報では、「~をサポート」や「エキスがすごい」という程度の、ぬるい表現で抑えられています。
ただ、これだけでも効能や効果がイメージできるあたり、「ウコンの力」や「ヘパリーゼ」のブランド名の影響力を感じます。
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「肝臓加水分解物」は、ほ乳類の肝臓を酵素と熱処理によって加水分解したもので、ペプチドやアミノ酸を主成分とし、ミネラル、核酸関連物質、糖類、グルタチオン、ビタミン等を含んでいる。(参照(pdf))
製造元によって「肝臓加水分解物」「肝臓水解物」「肝水解物」「肝臓分解物」「肝臓分解エキス」「レバーパウダー」「レバーペプチド」「リバーコンセントレイト」など、いろいろな表現が使われています。
原材料や、酵素の種類や製法によって成分に違いがあるでしょうし、製造元によってはペプチドを小さくしたり、特有の臭いと味を取り除くなど工夫をしているようです。
要するにこれも肝臓の“エキス”なので、「肝臓エキス」という大きな枠の中に「肝臓加水分解物」が含まれるのでしょう。
ではその2つの成分の性能にどう違いがあるのか気になるところですが、比較できる公開資料は見当たりませんでした。
いろいろと類推できる事はあるけれども、エビデンスを示せない情報で、各メーカーのブランドイメージを棄損したり営業妨害となると良くないので、このくらいで。
ヘパリーゼ、肝臓水解物(肝臓加水分解物)について調べてみた: メモノメモ
ヘパリーゼ、肝臓水解物(肝臓加水分解物)とプリン体について調べてみた: メモノメモ
「ヘパリーゼ」ドリンク剤6製品+1を比較、飲み比べてみた。|『ヘパリーゼWハイパー』『Hi』『キング』『ヘパカン』など: メモノメモ
めも
個人的には、前の記事を書いた時にはマイナーだったのに、コンビニまで進出してすっかりメジャーになっちゃって・・・、という気分。どこまで拡がるか楽しみ。
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