【エボラ】スペインの病院で看護士が二次感染 どうして感染は起きてしまったのか?
誰の責任? Protocolo de busca de responsabilidades
向かって左から、スペインのラホイ首相、マト保健相、マドリード市のロドリゲス保健局長(?)、そして右端がエボラに感染したテレサ・ロメロ(Teresa Romero)看護助手です。
説明はいりませんね。どこかの国でも見たことのあるような状況です。
スペイン、マドリードの病院で起きたエボラウイルス感染症(エボラ出血熱)の二次感染事故。(大筋の経緯はニュース報道などをご参照下さい)
日本のニュースをざっと見聞きしていると、何となく、エボラに感染した看護助手の不注意が原因だとイメージした人も多いのではないでしょうか?
防護服脱衣時、エボラ感染の可能性 スペイン人看護助士、対策手順守られず(サンケイビズ)
(読売新聞)(AFP日本語版)(WSJ日本語版)
状況はもっと深刻です。
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エボラ感染者と接触する医療従事者の感染を防止するためには、十分な性能の防護服やマスク、手袋など装備を着けて、それらの着脱時の不注意でウイルスに暴露しないための適切な手順が定められ、消毒も含めたその手順を遵守させるための十分な教育が行われていなければなりません。
スペインは先進国なのだから、西アフリカの流行地域の国とは違う、しっかりとした医療体制でエボラ感染者(リベリアやシエラレオネで感染したスペイン人の医療従事者)を受け入れたのだろうと、漠然と思っていました。
スペイン政府も、WHOの定めるところの感染防止対策をとっていると言っています。
ところが、スペインの医療現場に問題があることが、取材や内部告発によって明らかになってきました。
たとえば日本語では、関西福祉大学の勝田吉彰先生のブログ「新型インフルエンザ・ウォッチング日記」の記事。
スペインのエボラ発症で表面化する病院体制、WHO基準満たさず(エボラ出血熱 EVD エボラ)(新型インフルエンザ・ウォッチング日記)
スペインのエボラをめぐり責任押し付け合いの泥仕合か(エボラ出血熱 EVD エボラ)(新型インフルエンザ・ウォッチング日記)
そもそも、医療従事者への防護服や手袋の着脱など面倒な手順のトレーニングが、ごくわずかの時間(10分〜30分)しか行われていなかった事や、そんな状態でエボラに感染したスペイン人神父を受け入れていた事が報道されています。
Ebola crisis: Spanish health workers attack poor training for combating virus(スペインの医療従事者は、ほんのわずかの訓練で、エボラと戦っている)(The Guardian)
「国境無き医師団(MSF)」と比較すると、スペインが定めるエボラ感染者の受け入れ体制は、セキュリティレベルが低く、感染防止の装備の性能がエボラウイルスを扱うには適切でないものもある上、汚染された防護服や手袋等の着脱の手順も十分に機能しているとは言えない、等等、指摘されています。
Ébola: Las manos, las olvidadas en el protocolo español(スペインのやり方で足りない事)(EL MUNDO)
さらに、エボラウイルス感染者の体液がついているだろう医療廃棄物の取り扱いにも問題があるという告発もあります。
ある医療従事者が、講習も模擬訓練も何も無いまま紙切れ1枚に書かれていた指示はこれだ!、と“エボラウイルスに汚染された(とイメージさせる)手袋その他を入れたスーパーのプラスチック袋(のような袋)”と、エボラ感染防止マニュアルの紙を医療センターとに送り、SNSで告発しています。
Centros de salud reciben en bolsas de hipermercado los trajes anti-ébola(エボラ予防装備がスーパーの袋に入れられて、医療センターに送られる)(Público.es)
(小さなスーパーの袋を使って机の上に置くなど、大げさにしたところもあるとは思います。)
El Ministerio de Sanidad es muy serio. Presentación de lo que nos han enviado al curro (Uno por centro de salud. UNO) pic.twitter.com/NE0aUvCAPA
— Arrabbiata. (@dolchevismo) 2014, 10月 9
マドリードの病院の前で、医療従事者のデモも行われています。
スペインで医療従事者が抗議デモ(NHK)
とりあえずは、エボラ感染の「リスクのある」手順の修正が提案されるそうです。どのように改善されるのかわかりませんが。
ébola - Sanidad propone cambiar el protocolo para definir como «de riesgo» al sanitario que entren en contacto con un infectado(ABC.es)
スペインの体制がどうだと言いたいのではなく、「日本の医療現場は大丈夫なのか?」、ここが気になります。
「人の振り見て我が振り直せ」のことわざの通り、
日本国内での万万が一のエボラ感染者確認がないうちに、受け入れ予定の医療機関では十二分の確認を行って、第三者による検証、たとえば国会議員や地方議員、マスコミやジャーナリスト各氏による調査取材を期待したいものです。
メモ
イラストの文章は「Protocolo de busca de responsabilidades(責任の所在を探す手順(Protocolo))」で、政府や保健当局は“手順”通りに看護士の責任だと言っている、という感じのキツい風刺です。そこは意訳しました。
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