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« 【中国海警局】建造中の海警船は噂の1万トン級か APECに合わせて進水式? | トップページ | スタートレックなAPEC集合写真 実はプーチン危機一髪だった »

2014年11月 9日 (日)

中国、深度1万m以上の有人深海潜水艇「彩虹魚」号を開発 2019年のマリアナ海溝への挑戦目指す

201411jiaolong001
北京晨报


中国の7000m級有人深海潜水艇「蛟龙(蛟竜)」号は、日本の「しんかい6500」が持っていた記録を抜いて、2012年6月に水深7062.68mの世界記録を達成した。
その後も、潜航試験だけではなく深海底の科学調査や資源探査を行っており、この11月には、初のインド洋での応用的試験潜航を行う予定だ。

また、完全国産の有人深海潜水艇、大深度無人潜水艇などの開発をすすめ、設計と開発、建造のノウハウを積み上げている。若手の技術者を積極的に登用するとともに、潜水艇パイロットの養成も進め、人材育成にも余念がない。
今年末には、青島近郊で建設が進められている国家深海基地が竣工する。来年3月には「蛟竜号」が“入居”を予定している。(「しんかい6500」の基地、JAMSTEC横須賀本部みたいな)

一方、「海洋大国(笑)」日本。ずっと前から指摘されていた事だけど、追い抜かれてさすがに危機感を感じたか、重い腰を上げて「しんかい12000」の計画が動き出した(はず)。

 次世代船を開発する背景には国際競争の激化もある。水深6千メートル以上の超深海の有人調査は長く日本の独壇場だったが、資源探査のため各国が続々と参入。潜航深度6千メートルの有人船は既にフランス、ロシアが開発済みで、米国も現行船を6500メートルに改造して試験中だ。2012年には7千メートルの中国の「蛟竜(こうりゅう)」が登場し、日本は世界一の座を明け渡した。
 危機感を抱いた文科省は昨年、次世代船を優先度の高い国家基幹技術と位置付けた。今年3月には日本学術会議が建造費を300億円と試算し、2023年の運用開始を政府に提言したが、予算措置はまだ固まっていない。
 しんかい6500が1989年に完成してから、すでに25年。このまま開発の空白期間が続けば、せっかく日本が蓄積してきたノウハウが風化してしまう。磯崎氏は「蓄積を引き継ぐ次世代有人潜水船の開発を急がなくてはならない」と訴えている。
【科学】超深海の潜航能力と高い居住性 次世代の有人潜水船「しんかい12000」開発本格化、資源探査レースへ(5/26|産経ニュース)

今年、やっと、ロールアウトできたMRJ(三菱リージョナルジェット)のように、空白期間が障害にならねばいいのだが。


さて、
中国も、1万m超の有人深海潜水艇「彩虹鱼」号の開発構想を進めている。

上海海洋大学深淵科学技術センター(上海海洋大学深渊科技中心)の崔維成(崔维成)教授によると、1万1000m級有人"大深度"深海潜水艇(*1)の開発は、3段階で行われる。
まず基本設計、次に海洋の全ての深度での海底着座装置(全海深着陆器)と無人潜水艇の開発と、キーテクノロジーの研究開発、そして1万m級有人"大深度"深海潜水艇「彩虹鱼」号(*2)の開発である。専用の科学調査母船「张謇(張謇)」号も建造される。この段階的に技術開発する方法は、「蛟竜号」の設計開発で培った。

来年(2015年)には、全深度の無人潜水艇と1基目の海底着座装置が完成する予定であり、母船「张謇(張謇)」号の建造が始まる。
1万m級有人"大深度"深海潜水艇「彩虹鱼」号は2018年の完成を目指している。

今回の中国メディアの報道によると、「彩虹鱼」号は長細い魚雷状の形状となっている。潜航は真下へではなく、45度の角度で潜水する。
冒頭の北京晨报の「彩虹魚」号イメージ図は「蛟竜」号をもとにかなり無茶な描かれ方をしているが、むしろジェームス・キャメロンの「ディープシー・チャレンジャー(Deep Sea Charenger)」号の方に似てくるのかもしれない。

当初は、民間企業からの出資によって計画が進められるが、第十三次五カ年計画(十三・五)(2016年〜2020年)の専門計画に加えられる可能性も高いそうだ。

崔维成教授は、「蛟竜号」の第一副総設計師だった人。1963年生まれの51才。(*3)
蛟竜号を設計し建造の中心だった中船重工第702研究所副所長の職を、更に上のポストの打診を蹴って、2012年8月に辞し、上海海洋大学に深淵科学技術センターを設立した。実績は十二分にある。


水深7000mを征服し、更なるフロンティアを目指すのだろう。


メモ
前の記事で書いたこと。再掲。

中国メディアの、蛟竜号関係のニュースをいろいろと読んでいるとこの分野では、"ものづくり"以上に、"ひとづくり"で追い抜かれているような危機感を感じる。・・・漁業の現状についてもそうだが、いったい「海洋立国日本」はどこの澱みに嵌まりこんでいるのかしら?と感じてしまうのは自分だけだろうか。


我国万米级载人深渊器研制启动 计划2019年挑战马里亚纳海沟(11/5|新华网)
入海 “彩虹鱼”将挑战马里亚纳海沟(11/6|北京晨报)

让“彩虹鱼”游向海洋最深极(上海市科学技术委员会)
彩虹鱼(中国)深海科学探索协会成立大会

我国首艘万米深潜母船命名"张謇号"2015年建成2016年海试(新华报业)
1.1万米载人潜水器研制欲与美日赛跑(解放日报)

中国の7000m級有人深海潜水艇「蛟竜号」の概略。「しんかい6500」などとのスペック比較。: メモノメモ(2012/6/13)
中国、蛟竜号の次は、国産の4500m級有人深海潜水艇を研究開発: メモノメモ(2013/9/19)
蛟竜号|中国、有人深海潜水艇の第二次パイロット選抜試験、開始。 男性4人・女性2人。: メモノメモ(2013/10/31)
中国、移動型の有人深海ステーション「竜宮」を公開 水深2500m級深海基地の構想も: メモノメモ(2013/11/6)

これが潜水艇「ディープシー・チャレンジャー」だ!(ナショナル ジオグラフィック日本版)
深海潜水艇「ディープシー・チャレンジャー」|ジェームズ・キャメロン氏、マリアナ海溝最深部へ単独到達: メモノメモ

(*1)「深度1万m級有人"大深度"深海潜水艇]」の原文は「万米级载人深渊器(1万m級有人深淵器))」。
「深渊」は大洋底よりも深い、水深6500m〜10000m超の深海域を示しているそうだ。日本語では映画タイトルにもなった「アビス」が適切だと思うけど一般的でないので、便宜的に「“大深度”深海」と書いてみた。「海溝潜水艇」はイマイチ。
(*2)「彩虹鱼」は、グッピーのこと。
(*3)「蛟竜号」の総設計師は、中国の“深海の父”と呼ばれる徐芑南(74)。陣頭指揮をとるには高齢で健康も不安視されていた(近頃また出てきているのでよくなったと思われる)。会長職という感じ。


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