【中国海警局】海警船に機関砲の砲座か? (2)海警局が準軍事組織として動く時
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【中国海警局】大型船に機関砲の砲座か? (1)4000トン級海警船の模型に76mm機関砲!?: メモノメモ
海警局の、海難救助に特化した大型船にわざわざ、機関砲を載せるメリットはいろいろと考えられる。
たとえば、南シナ海のオイルリグや島嶼などの拠点警備用だ。
2014年6月7月の、南シナ海、パラセル(ベトナム語:Hoàng Sa、中国語: 西沙)諸島沖で、半潜水型オイルリグ「海洋石油981」による試掘に対して、パラセル諸島の領有権を主張する中国とベトナムが衝突した。ベトナム沿岸警備隊などの公船や漁船と、オイルリグを所有する中国海洋石油総公司(CNOOC)の作業船、中国海警局の警備船などの公船、漁船とが、文字通りの衝突を繰り返していた。
その時に、4000トン級「海警3401」も、ベトナムの公船への放水や針路妨害を行っている。
オイルリグ「海洋石油981」の警備の主力は、中国海洋石油の作業船や中国海警局の大型警備船、中国海警局(公安部・边防海警)の中型の武装警備船であり、漁船群だった。(中国海軍の軍艦数隻が周辺海域にいたことも確認されている)
他の警備船と協同して警備活動を行い、実際に撃つ機会があるかどうかは別として移動砲台として機関砲で睨みを効かせつつ、ヘリの移動発着基地や非常時の救助船としての拠点になるだろう。
軍艦が出張るには軋轢の多い海域や、遠方の島嶼を広く巡回する、長期間の任務にも適しているだろう。
南シナ海、南沙諸島のセカンド・トーマス礁(タガログ語:Ayungin, アユンギン、中国語:仁爱礁)を航行する「海警3401」とフィリピンの船。
((1)で書いた、機関砲の砲座?の、前甲板での位置関係がよく分かる。)
组图:中国海警3401船拦截菲渔船闯仁爱礁(2014/4/3|中国青年网)
ベトナム政府は今年9月、南シナ海(biển Đông(東海))や北部湾(トンキン湾)での、ベトナム漁船に対する破壊活動や領有権争いの激化に対応して、武器と弾薬の管理と使用に関する法律を改定、ベトナムの漁業検査船への銃や自動小銃、機関銃等を装備できることとなった。
今年前半に配備された2000トン級漁業監視船(「KN-781」「KN-782」)は、進水時にすでに、前甲板に機関砲を載せられる構造になっている。(その後、機関砲を載せたかどうかは未確認)。
中国側もさらに法執行能力を高めてきても不思議ではないし、むしろ当然な対応だろう。
これまで中国は、中国海監総隊(領海や島嶼の警備を行ってきた)の海洋監視船は非武装であり、機関砲など固定兵装を載せてはいないと喧伝している。国家海洋局/中国海警局になってもそのスタンスは変わらないが、公安部・边防海警部隊を統合再編し武装船も加わったことで、矛盾してきた。海洋法関連法案の整備が必要だと言われている。
法執行能力を徐々に高め、周辺国への圧力を高めていく中で、「中国海警局の大型船は、機関砲を載せる事は出来るがあえて載せない選択をして、平和的な活動を行っている」というアピールも有り得そうだ。
そして領有権の争いがさらに厳しくなったら、威嚇効果も狙って、機関砲を載せた海警船を登場させてくるのかもしれない。
中共は、中国海警局を、米国の沿岸警備隊や日本の海上保安庁のような、準軍事組織として育てていきたいのだと考えている。
しかしいきなりすべての船を武装化したり、機関砲を載せることはできない。
船の構造だけでなく、海警局の人員の多くを占める中国海監や漁政の監視船の隊員や船員に、それらの武装を扱う資格を取らせて、経験を積ませなければならない。
組織再編の過渡期なので、徐々に強化していくだろう。
船艇の建造とくらべると、熟練した船員や隊員を育成するには年月がかかる。
大型の警備船を多く増やしてるけど、、退職したり退官した旧隊員や、もと海軍軍人や公安部辺防海警の隊員を再雇用してるのかな?
それでも、中国の公組織は階級社会だし、組織間の人事上の力学もあるだろう。
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中国海警局(中国海監総隊(海監)、公安部・辺防海警部隊(辺防海警)、漁業局の中国漁政船隊(漁政)、税関密輸取り締まり部隊(海関))では、1000トン級以上の大型船を数10隻、新たに建造している。再編前から数えると50隻を越えている。1万トン級海警船2隻の建造も進んでいる。
海警局に再編されなかった、交通運輸部の、海上交通管理が主な任務の海事局(海巡)や、海難救助が主な任務の救助サルベージ局(中国救捞)も加えるとさらに増える。(日本では、どちらも海上保安庁の職責に含まれます。)
それら新造の大型船は、海監と漁政がほとんどだ。
税関の密輸取締り部隊(海関)でも新造の1000トン級が進水し、さらに複数隻の1000トン級(1500トン級?)の建造計画があるらしい。
そんな中、公安部・辺防海警の大型船が進水したという話はまったく伝わってきていない。不思議に感じている。
公安部は、南シナ海でのベトナムやフィリピンとの衝突が激化する中、大型の武装船は喉から出るほど欲しいはずだ。
辺防海警が、国家海洋局/中国海警局として活動する上で、制限はかかるだろう。
国家海洋局(中国海监総隊)と公安部の間で、中国海警局の主導権争いが行われているのではないだろうか。
日本だけで対抗するには、政治的にも財政的にも無理がある。
ベトナムやフィリピン、もちろん台灣も、タイやインドネシアを巻き込み、二国間ではない多国間での、中国の“力による勢力拡大の試み”に対抗しなければならない。
インド洋ではインドやオーストラリア、バングラデシュやミャンマーを巻き込みたいところだ。
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