中国で感染者360人弱、死者も100人以上出ているA/H7N9鳥インフルエンザ。
1月から2月にかけて毎日のように感染者の発表が行われてきたのだが・・・、2月中旬からちょっと変なことになっている。
全体の4割近くの感染患者が出ている浙江省での、感染者確認の発表が、2月12日を最後にぴたりと止まっている。
中国の衛生当局が発表しなければ、当然、中国メディアは報道しない。日本など海外メディアも報道しない。微博などネットでも盛り上がらない。(そこを掘り下げて伝えるのがジャーナリストの仕事だと思うけど・・・)
日本で違和感を感じているのは、現地情報を小まめに見ている研究者や個人くらいだろう。
(追記:2/26)
浙江省で、新たなH7N9鳥フル感染者が確認された。
浙江省新增1例人感染H7N9禽流感病例(2/26|浙江省卫计委)
ですので、この後に書いていることは「考えすぎだった」のでしょう。 (ノ∀`) アチャー
(いや待て、感染者は2才の女の子だから、隠しきれなかったのかもしれないぞw)
(追記ここまで)
(追記:2014/3/1)
浙江省金華市の東陽市で、新たなH7N9鳥フル感染者を2人確認。韦某(7才女児)と任某(6才女児)。
浙江省新增2例人感染H7N9禽流感病例(2/28|浙江省卫计委)
2月26日に確認されたH7N9鳥フル患者の2才女児(姓は、韦某)も金華市の東陽市。姓が同じなのは、もしかして家族内感染?
金華市の東陽市で、いったい何が起きているのだろうか???
(追記ここまで)
(2月24日にスナップショット取得)
浙江省卫生和计划生育委员会 疫情通报
浙江省では、都市部の一部で、"生きた家禽"を取り扱う市場を一時閉鎖するなど、拡大防止対策を行っている。(徹底した対策を行っていると、一応は、発表している)。
これが功を奏したのなら良いのだが、同じように市場の一時閉鎖など拡大防止対策を行ってきた広東省では、その後も感染者が確認されている。(死亡患者も出ているし、もちろん、快復して退院した患者もいる。)
最も感染者数が多く、家禽や鳥類の間での感染率も高いと考えられる浙江省でだけ、感染拡大が止まる理由は何かあるだろうか?
以前から、浙江省の衛生・計画出産委員会(浙江省衛計委)の情報は、特に透明性が低く、何か隠しているような違和感を感じていた。
浙江省衛計委には「前歴」がある。
以前から、浙江省の衛生・計画出産委員会(浙江省衛計委)の情報は、特に透明性が低く、何か隠しているような違和感を感じていた。
浙江省衛計委には「前歴」がある。
1月下旬に、わずか3日で感染患者の死亡例が11例増えたというニュースを覚えている人もいるだろう。
時事ドットコム:鳥インフル死者一挙11人増=実際はさらに多い可能性-中国浙江省
これは、H7N9鳥インフルは指定伝染病(乙類)であり、月1度、感染者数と死亡者数を発表する手続きなので、発表日の関係でたまたま11人が増えたように見えただけだと説明をしていた。
浙江卫计委澄清"3天11人死于H7N9禽流感"说法(1/28|人民网)
発表が止まったのも、この可能性がありそうだ。
鳥肉や家禽の販売量が激減したことで、家禽業者が2月中旬にかけて、「H7N9禽流感(鳥インフルエンザ)」ではなく「H7N9・A型インフルエンザ」と表現を変えるよう求めたり、損害補償を求めたりして賑やかにしていた。デモも起こっている。
「鳥インフル」改称を=販売不振で関連業者-中国(2/5|時事ドットコム)
中国養鶏業 鳥インフルでデモ NHKニュース
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140217/k10015312321000.html (リンク切れ)
Twitter / nhk_news: 中国養鶏業 鳥インフルでデモ http://nhk.jp/N4By6QLI #nhk_news
浙江省は、杭州市の都市部の一部の"生きた家禽"を扱う市場を一時閉鎖した。
7月1日から、主要都市部の"生きた家禽"を扱う市場を「恒久的に閉鎖」し、冷蔵や冷凍の鳥肉販売を行うよう要求をしている。
浙江7月1日起永久关闭设区市主城区活禽交易(2/22|金羊网)
浙江省政府と衛計委は、家禽業者、関連業者との談合を行って、閉鎖に同意する対応として、H7N9鳥インフルの発表を、死亡者だけでなく感染者も1ヶ月に1度に変更したのではないだろうか?
(追記:2月26日に新たな感染者の発表があったので、考えすぎでした。(ノ∀`) アチャー )
浙江省での2012年2月期の法定伝染病の感染状況の公布は、3月中ごろに行われる予定だ。
もしそこで2月12日までの感染者だけが発表されるなら、浙江省でのH7N9鳥インフルの感染拡大は抑えられたと言えるだろう。
メモ
こういう記事を書くと、公開翌日に発表があったりするんだよなあw
発表がなくても安心はできない、それが中国。
大本営発表だけを信じているとバカを見る、それも中国。